
プログラマーを本気で目指したいと考えているなら、プログラマーをたくさん抱えている企業の研修制度を利用するのも一つの手です。
プログラム言語だけでなく、ビジネスマナーまで教えてくれる企業も少なくありません。
しかし、おいしいことだらけでないことも事実です。
実際に私は全くの未経験から企業のプログラマー研修を経て、JavaやPHPを学びました。
今回はそれらの経験から、プログラマーの研修制度のメリットとデメリットをお話していきます。
企業のプログラマー研修制度
私が企業のプログラマー研修制度について学んだときは、3か月の試用期間付きで、正社員として雇用されました。
この3か月間がプログラマーの研修期間です。
実際のプログラム研修の現場はほとんど学校のようなものでした。
具体的にどのように勉強していたのか、私が体験した企業を例に説明していきます。
学校のようで学校でない勉強風景
私の場合は、教室に20~30人ほどの大人たちが並んでいました。
ここに入社してきた人たちはバラバラで、2か月目の人もいれば、もうすぐ研修が終わる3か月目の人もいます。
勉強のやり方は研修ソフトを使って、実際にプログラムを作ってみる!というものでした。
講師の先生は、そのソフトを使っても分からなかったところを質問できるように常駐しています。もちろんプログラマーとして活躍している、もしくは活躍していた方なので、的確にポイントを説明してくれます。
そのため、バラバラの経験日数の人たちが入ることが出来ます。
それだけじゃ真似してるだけで覚えられないよ!と思うかもしれませんが、もちろんそれだけではありません。
ある単元まで終えると、そのたびにテストがあります。
もちろん学校のテストのように甘くありません。合格をもらえなければ先に進めませんし、回数制限もあります。
例えば、3回不合格だった場合は即終了。つまり、クビです。
この点が学校ではなく、給料をもらっている会社だからこその厳しさです。
なぜ、企業はそこまでしてくれるのか?
圧倒的プログラマーの不足
まず第一に、世の中にプログラマーが圧倒的に足りていない、というのが一つの理由です。
昨今、世界中がネットで何でもできるようになっています。
IOTやAIという技術も生まれ、とにかくプログラマーがいなければ社会が回らなくなっています。
もちろん昔からプログラマーが足りていませんでした。
さらに最近は「プログラマーはブラックだ!」と噂されてしまったこともあり、更に人手不足が加速してしまいました。
企業は働き方改善にも力を入れているところが多くあり、とにかく人手が欲しいことが分かります。
他企業の研修用サービスとして提供している
企業によっては、この「プログラマー研修制度」を、他企業の学校として提供している場合があります。
一緒に勉強している仲間でも、実は全く違う企業の社員だった、ということもあります。
他企業にサービスとして、社員の研修機関を提供し、その収入を自社の研修社員の教育資金としています。
こうして資金作りをしているため、勉強をしながら給与をもらうということが実現している企業もあります。
研修制度のメリットとデメリット
研修制度がどのようなもので、どうして成り立っているのか、ということを説明していきました。
それでは、研修制度のメリットとデメリットを上げていきましょう。
メリット1 学んでいるのにお金がもらえる
まず何よりもよいことは、学びながら給与をもらえる、ということです。
普通プログラミングを勉強しようと思った時、独学なら書籍を買い、学校に通うとなると学費が必要です。
独学で書籍を買うだけならさほど出費はありませんが、質問できる人もおらず、とにかく時間と手間がかかります。
学校に通うのは、もちろん、結構な金額のお金がかかり、さらに現場より少し古い技術が出回っている可能性もあります。
さらに、実際に現場で必要なメールの出し方などのビジネスマナーも教えてもらうことが出来ます。
教えて貰っている立場なのにもかかわらず給与をもらえる研修制度は本当に頭が上がりません。
メリット2 現場のリアルを聞ける
企業の研修制度は、実際にプログラマーを抱えている会社が行っています。
先輩プログラマーたちが働いて稼いできてくれたお金で、会社の研修が成り立っているのです。
そのため、講師も含め、現場で働いているプログラマーたちと交流する機会もあります。
中には、講演や研修を開いてくれることもあります。
これから働く自分たちの現場の話を聞けるのは、とても貴重なことです。
デメリット1 とにかく制約が厳しい
実際の業務風景は学校に近いものです。
学校と勘違いしないようにするため、必ず守らなければならない約束事があります。
たとえば、
- 遅刻・欠席はどんな理由であっても2回まで。
- テストの不合格は2回まで。
など、企業によってさまざまだと思いますが、これらを守れなかった場合は即終了になってしまいます。
企業も研修生に先行投資をする、というリスクを背負っています。
そのため、失敗を繰り返すとすぐに失業者になってしまうリスクを抱えてしまします。
デメリット2 常駐プログラマーになれないことが多い
研修をしている企業は、「多くのプログラマーを抱える」企業です。
研修終了後、すぐに正社員としてプログラマーになることは出来ます。
しかし、ほとんどの企業が「無期雇用派遣のプログラマー」となります。
プロジェクトごとに派遣されるプログラマーなので、「正社員の派遣」ということです。これを通称SESと呼びます。
SESについてはこちらをご覧ください。
社内の内部システムの管理をするプログラマーであれば、いつも同じ環境で、いつも同じ仲間と働くことが出来ます。
しかし、SESで働くプログラマーはプロジェクトごとにプログラマーを派遣するため、半年や1年毎に職場が変わります。
私の知人には、プロジェクトが変わるごとに引っ越しをしている人もいます。(よっぽどの例ですが)
もしあなたが、一つの会社の内部システムを管理するプログラマーとして働きたいのであれば、それは難しいかもしれません。
本気でプログラマーを目指すなら
もし、あなたが本当にプログラマーになりたい、勉強したい、と望むのならば、企業の研修制度はとても有効な制度です。
しかし、社員として働く以上は、それなりの覚悟が必要です。
出来ない、向いてないかもしれない…と諦めることは決してできません。
それでも、絶対にプログラマーになりたい!と望むのであれば、現場をよく知る人たちから教えてもらえるプログラマー研修は、是非挑戦してみると良いと思います。