
今回はこのような疑問に答えていきます。
実際に、ゲーム業界未経験だった僕も、システムエンジニアからソーシャルゲーム業界のテストエンジニアとなりました。
業界未経験からどうやったらゲームプランナーになれるのか経験を元に紹介している記事があるので、こちらも参照してみてください。
テストエンジニアとは
ソーシャルゲーム業界において、テストエンジニアはQAと呼ばれることが多いです。
QA(テストエンジニア)とは、品質を管理する人たちのことです。
品質管理とは何をする部隊なのでしょうか。
簡単に説明すると、機能がちゃんと動いているかチェックしたり、キャラクターに設定されているパラメータが仕様通りのものとなっているかチェックしたり、仕様通りではあるが違和感がないかチェックしたりとゲームの隅々までチェックし気になることがあればプランナーへ報告を行います。
IT業界と同じで、未経験からゲーム業界に参入しようと思ったら、まずはテスト・検証から始めるのが一般的です。
最初からプランナー・エンジニア・デザイナーで参入しようと思うと、かなり高い壁になるのですが、QAであれば未経験でも入りやすいです。
実際にどんなことを主な業務として行っているのか、体験を元に紹介していきます。
主な業務内容
テスト項目書に沿ったデバッグ
基本的に、テスト項目書に書かれているチェック項目を元に検証を行っていきます。
以下のようなものが挙げられます。
- ボタンをタップしたときに正常な動作をするか
- 演出は仕様通りになっているか
- 報酬の宝箱には、正しいアイテムが正しい確率で排出されるようになっているか
- ガチャ排出アイテムが確率通りになっており、表記に問題がないか
などなど、各画面や各機能ごとにチェックする項目があります。
例えば、「ボタンを押したらちゃんと画面遷移する」という項目があったらどのようなチェックが必要でしょうか。
項目に書いてあるものをまずチェックしますが、僕ならこの項目に対して以下のチェックを行います。
- ボタン押下後、画面遷移するか
- 画面の遷移先が正しいか
- ボタン押下時のSEは他のボタンと同じものになっているか
- 又は、正しいSEが設定されているか
- ボタン押下のアニメーションは他のボタンと同じものなっているか
- 又は、正しいアニメーションが設定されているか
- ボタンの色は、他のボタンと同じものになっているか
- 又は、正しい色が設定されているか
- ボタンの大きさは、他のボタンと同じものになっているか
- 又は、正しい大きさが設定されているか
- 変な操作をした時にどんな反応を起こすのか
- 画面暗転前にボタンが押せるのか
- 別のボタンタップ後すぐにボタンを押下したら遷移できるのか
- ボタンをタップしたまま、ボタンの範囲外に指をスライドしてらどうなるのか
などなど、いろんなケースを踏まえてチェックを行います。
大事なことは、項目に書いてあることもチェックするが、書いてないことを拾いきれるのかどうかです。
経験上項目に書いてないけど、バグが見つかったことはたくさんあります。
項目と関連するチェックを行いバグを見つけられるようになると、より品質が担保されるQAとして評価されます。
フリーデバッグ

フリーデバッグとは、その名の通り自由にプレイしてみて、バグを見つけたり違和感がないかチェックをします。
テスト項目書に沿ったチェックは「バグを見つける」ということにフォーカスを当てています。
一方フリーデバッグでは、他の機能や他のゲームと比べてみて違和感がないかを探したり、ユーザー目線でゲームをプレイすることにフォーカスしています。
自分の担当外のところや他のゲームをどれだけプレイしているか、経験から違和感に気付くことができるので、テスターの募集要項でゲーム好きを募集している背景には、このような意図があります。
バグ報告

バグや違和感を発見したら、機能を担当しているプランナーへ報告を行います。
最近では、バグ発見者が直接プランナーへ報告するケースは少なく、QAをまとめている責任者に報告して、その方からプランナーへバグの共有が行われることが多いです。
※緊急性の高いものは、バグ発見者が直接プランナーへ報告することもありますが、基本的にはQAをまとめている責任者へ報告します。
ソーシャルゲーム業界では、「レッドマイン」というものを使って、バグを管理することが多い印象です。
バグの報告内容は、ただ「バグ見つけました!」というだけではありません。
報告内容としては、
- バグ発見者だ誰か
- いつ見つけたのか
- 端末の時間設定はどのタイミングで見つけたのか
- バグの内容は何か
- 何を条件に発生するバグなのか
- 再現性があるのか、又は高いのか
- 端末の詳細
などが挙げられます。
バグを見つけるだけでなく、発生原因を追求するところまでがQAの仕事になります。
テスト項目書作成・修正
テスト項目書に沿ってチェックをしますが、そもそもそのテスト項目書を作ってる人がいます。
テスターからのキャリアップを狙う場合、次のステップがこちらの「テスト項目書作成・修正」ができる必要があります。
プランナーが作成した仕様書を元にテスト項目書を作成していきます。
この工程はテストリーダーに任されることが多く、昇給やキャリアアップを目指す場合は、まずテストリーダーになりましょう。
テストエンジニアに求められるスキル

ゲーム業界でテストエンジニアに求められるスキルは何でしょうか。
一番大事なのは、ゲームがめちゃくちゃ大好きであることです。
ゲームが大好きだからこその視点というものがあります。
まずは、ゲームが大好きでいろんなゲームをプレイして、ゲームそのものに対してのアンテナを張れるようになりましょう。
最近では、必要な要素はこれだけで、ゲームに対する熱い想いがあればアルバイトや契約社員として就職ができる印象です。
プラス要素として、エンジニアもしくはデザイナーとしての知識があるとより良いです。
バグ報告の際、「どこのDBのどの値がおかしいからここはバグが出ています」という報告があると、対応がかなりスムーズになります。
実際に僕も、テスターで仕事をしていた時、SQL文を打ってDBの値を取得していました。
なので、経験があるに越したことはありません。
ゲーム業界のテストエンジニアはつまらない?
これに関しては必ずしもつまらないと断言できるものではありません。
自分の好きなゲームに配属できれば、配信前にプレイができるし、テストプレイも苦ではなくむしろ楽しいです。
ですが、ゲーム業界だからと華やかな世界を想像して参入すると、そのギャップでつまらないとなるパターンもあるかと思います。
例えば、とにかく経験を積みたいからといろんなことに挑戦するパターンです。
前向きな行動なので良いことなのですが、自分が今までに一度もやったことのないジャンルのテストを担当した場合どうでしょうか。
アクションゲームをたくさんプレイしてきたのに、女性向けのノベルゲームのテストをお願いされたらどう思いますか?
想像していた世界とは全く別の仕事内容で挫折した人をたくさんみてきました。
その上仕事内容は単調なものばかりなので、一般的にはつまらないと判断されることもあるかと思います。
ですが、その中でもしっかりと結果を出して、キャリアアップしている人たちもたくさんいます。
つまらなくても、業界に参入しているのでプロジェクトの全体の流れなどを見ることなどできます。
つまらなくても、将来を考えて行動できる人は必ず上に上がってきています。
まとめ
ゲームエンジニアとしての仕事内容などを紹介してきましたが、結局はゲームが好きであることにつきます。
自分の好きなジャンルじゃないからといって、せっかく業界に参入できたのに辞めた人をたくさんみてきました。
その中でも、自分の苦手なジャンルでも積極的に挑戦し、三年後にはディレクターに昇進した人もいます。
テスターとしてでも業界に参入できればそれは大きなチャンスです。
業界をもっと盛り上げていきましょう。