
今回はこのような疑問に答えていきます。
SESの必要性

そもそも客先常駐(SES)って何のためにするのでしょうか?
この記事を書いている僕も20代前半から現在もSESで様々なプロジェクトで業務を遂行しています。
まだまだ若い会社やそうでない会社も、2019年現在「SES」という業務形態は切り離せない時代です。
自社コンテンツや自社でのプロジェクトが安定していなかったり、この先自社開発を成功させるにあたってSESは大事な収入源になります。
今回は、そのSESという業務形態について経験談を元にお話させていただきます。
SESの目的

結論から言うと、SESの大きな目的はスキルアップにあります。
このスキルアップとは個人もそうですし、会社もそうです。
特に、まだまだ若いベンチャーや中小企業などがSESを主軸としている理由もここにあります。
将来、自社開発をやりたいと思っているIT企業はたくさんありますが、自社開発に手をつけられずSESの業務形態を主としている企業ばかりです。
理由は簡単で、自社開発をやろうと思ったら人件費などのコストがかかるのとノウハウが必要だからです。
何も武器がない企業がいきなり自社開発を立ち上げようとしても失敗してしまうのが見えているからSESをするのです。
それではSESのメリット・デメリットについて紹介していきます。
SESのメリット
様々なプロジェクトでノウハウを習得できる

SESの一番大きなメリットが、様々なプロジェクトのノウハウを習得できることにあります。
例えば、HTMLやCSSを使ったホームページ制作案件やExcel VBAを使ったマクロ開発などプロジェクトは無限にあります。
ホームページ制作のノウハウを持った社員Aとマクロ開発のノウハウを持った社員Bが、その二つを掛け合わせることで、より満足のできるサービスを提供できるようになるわけです。
このように、いろんな社員がいろんなノウハウを社内で提供することで、新たなサービスや顧客が満足できるであろうサービスを作れるようになります。
なので、まずはその下準備としてSESという業務形態でいろんなノウハウを集めているわけです。
業務内容次第では高単価な案件もたくさんある

当然ですが、より高度な技術を持ったり、開発工程で言う所の上流工程に携わると単価が急に上がります。
実際に、僕も上流工程に携わった時は単価約80万円、ゲーム会社でのSESでの場合は契約を延長して欲しいからと100万円の単価になっています。
※月の単価がどう給与に反映されるかは会社次第なので、必ずしも単価の○%はもらえるといった保証はありません。
僕の経験上単価が上がると、年1の給与改定で自身の給料が増えたり、ボーナスにちょっと多めに加算されたりすることがありました。
単価が上がれば会社の売り上げは上がるので、人件費などのランニングコストを支払いつつも利益が増えていきます。
利益が増えれば会社もできることが増えていき、将来的には自社開発も見えてきます。
ただ、高単価になればなるほど、派遣させる社員の責任は膨れ上がってくるので、責任に押しつぶされないよう会社のサポートは必須です。
僕も責任に押しつぶされそうになったことがありますが、その時は会社が様々な提案を現場のプロジェクトにかけてくれて、僕の作業コストが減りました。
会社同士の付き合いにもなってくるので、無理があったら相談すると解決のために動いてくれる会社も最近は多い印象です。
未経験でも就職がしやすい

ここまで、会社側の経営的なメリットをお伝えしてきましたが、個人の大きなメリットとしては、やはり未経験でも就職しやすいことにあります。
SESは未経験でも案件が豊富にあるので、業界知識がまだほとんどなくても、正社員として就職しやすいです。
※とはいえ、案件の良し悪しはあるので、必ずしも自分のやりたいことの案件に挑戦できるわけではありません。ここに関してはデメリットの方で説明させていただきます。
うまく現場に入ることができても、未経験だからとただひたすら業務を遂行することだけでなく、プロジェクトの全体像を把握することが大事です。
どのように指示が降りてきて、誰がどのような業務を行い、その結果自分が行なっている検証業務にどうやって降りてきているのかといったIT業界の工程を学ぶこと。
どのような開発言語を使っていて検証業務を行いながら現場のソースコードが見れるのかといった、常に周りを見渡せるようにしておくと未経験でも早いスピードで成長できます。
SESのデメリット
どんな案件も実際にプロジェクトに配属されてみないとわからない

SESの経験者なら誰もが通る道です。
基本的には、自分のスキルややりたいことなどを営業がヒアリングし、それっぽい案件をいくつか拾ってきてくれます。
ですが、あくまでも書面ベースでの情報がほとんどなので、書面に無いようなことは実際に配属されてみないとわかりません。
例えば、現場の雰囲気はいいのか悪いのか、わからないことがあったら聞きにいける環境なのかそうでないのか、直属の上司となる人物はどんな人なのか、書面にある作業は実際に行うがそれ以外の業務が非常に多い、休日出勤などの稼働が三六協定に引っかかってる・・・などたくさん挙げられます。
現場の雰囲気が悪いのは特に致命的です。
コミュニケーションが取れないので、仕事のやり方に異論があったとしても、今までこうしてきたからそのやり方やってればいいとポジティブに仕事をしようとしても心を折ってきます。
また、このような環境で仕事はできないと自社の営業に話しを通しても、最初は必ず「こちらからも話してみるからもうちょっと頑張ってみないか」と言ってきます。
なぜ営業が結論を遠ざけるかというと、
例えば最初3ヶ月契約で現場に言ったところ2週間で「現場を変えてくれ」と言われても、もう3ヶ月で契約してしまっているので簡単に契約破棄ができないからです。
確かに営業目線で言えばわかるのですが、現場のことは現場に出ている本人にしかわかりません。
結局、営業にうまく言いくるめられ頑張ってみたものの、その現場に耐えられず退職や休職などといった話は少なくありません。
こればっかりは現場に行ってみないとわからず「我慢」をするハメになります。
SESの最大のデメリットとして気になっている方も多いと思いますが、実際に様々なプロジェクトを経験してきてもこればっかりはどうしようもありません。
本当に現場を変えて欲しいと思ったら、営業だけではなく会社の偉い人に話しをしてみるとか、退職を理由に撤退させろと強く出るのもありかと思います。本来会社は社員を守るような仕組みを考えているものです。
自社の出来事に対して雑になる

当然ですが、客先常駐となると自社に行く必要はないので、常にお客様先へ直行直帰になります。
最近では、少しでも帰属意識を持つようにと月に1回社員を集める会社も多いですが、それでも月に1回です。
月に何人自社に新入社員が入ってきて、今総数何人かわからず、顔と名前が一致しないなんてことは日常茶飯事です。
せっかく自社の仲間なので、強制ではありませんが飲み会への参加や社内イベントの参加をすることは帰属意識を高めることにも繋がります。
将来その会社で自社開発したいのであれば、自社メンバーとの交流は持つようにしておくと何かといいことがあります。
業務外での勉強は必須

IT業界は流れがとても早く、やり方や開発言語も様々です。
学校ではないですが、予習復習はめちゃくちゃ大事です。
未経験であればなおさらです。配属先のプロジェクトでやったことは毎日復習するようにしましょう。
日々の業務は繰り返し行われるものです。
「あれ、ここどうやるんだったっけ・・」といったことはなるべく無いようにしましょう。
当然わからなければ聞いて解決するのがいいのですが、何度も同じことを聞くのはお客様先のプロジェクトにとても失礼です。
自社の評判を下げる結果にも繋がるので、その日やったことは必ず復習し、次にやる業務をあらかじめ予習しておくことは必須になります。
僕もまだまだ勉強しているので、業務外での勉強が苦になる人には厳しいでしょう。
まとめ

あくまでも個人的な意見なのですが、SESのメリットは経験を積んでくると見えてくるものが多いです。
この現場はこのような技術ややり方をやっているが、こう活かすことでこんな開発ができるのではないかといった考えは、ある程度経験を積んでいないとできません。
ですが、考える力の成長速度はとても早いです。
未経験だけど、トップスピードで成長していきたいと思っている人には、いい形で仕事ができると思います。
まだまだ人手不足の世の中なので、ぜひ一緒に社会を盛り上げましょう!