
IT業界に就職または転職しようとした場合、
大きく分けて、「自社開発」、「SES」、「受託開発」の3つの分類されるかと思います。
今回はその中から「自社開発」と「SES」について、
私の経験を元にそれぞれどちらがおすすめなのかをお伝えします。

ちなみに、
私は新卒から3年ほど自社開発で働き、その後1年半ほどSESで働きました。
自社開発、SES共にフレームワークはStruts、言語はJavaを主に取得し使用していました。
給料は自社開発では年収300万程度、SESでは240万程度でした。
自社開発とは

自社開発とは、その会社の商品やシステムを、企画、設計、製造などすべての工程を自社内で行い販売することです。
要は、他の企業が関わらない開発を行うのが大きな特徴です。
メリット

その1:給料、待遇が良い
給与面、待遇面共にSESに比べればかなり良く、SESから自社開発に転職するだけで給料は1.5~2倍になる可能性もあります。
また、福利厚生もしっかり整っている企業が多いです。
その2:しっかりとスキルが身に付く
常に勉強しないといけない業界ではありますが、その分教育にも力を入れている場合が多く、また周りにも優秀なエンジニアが多い環境に身を置くことができるので、
意欲さえあればしっかりと必要なスキルを身に付けることができます。
技術力を上げたい場合には、絶対に自社開発のほうが良いです。<
その3:納期が緩い
自社開発だと、比較的余裕をもったスケジュールで開発をすることが多いです。
SES等では、厳しい納期に追われることも少なくは無いので気持ちにも余裕を持って仕事をすることができます。
デメリット

その1:入社しづらい
自社開発を行っている企業はなかなか新卒以外の未経験者を採用しません。
そのため、未経験者が就職、転職するにはかなり難しい部分があります。
その2:使う技術や言語が変わらない
自社開発では基本、使う技術や言語が一定です。
要は身に付くスキルに偏りが出てきます。
そのため、業務では使わない幅広いスキルを身に付けようとすると、それなりの努力が必要になってきます。
SESとは

SESとは、クライアントに対して労働力を提供する契約形態のことです。
基本的に所属している会社ではなく、契約している会社に勤務することになります。
メリット

その1:入社しやすい
SES企業からすれば、とりあえず労働力が欲しいということから、未経験でもビックリするくらい簡単に採用されます。
なんでも良いからひとまずIT業界で働いてみたい!という方にとっては1つの選択肢なのかもしれません。
その2:幅広いスキルが身に付く
案件によって使う技術や言語がそれぞれ違うので、その分多くのスキルを身に付けることができます。
しかし、その案件特有の技術やツールを使うこともあり、他の案件で使い物にならないといったこともあるので注意が必要です。
その3:大きな案件に参画できることがある
誰もが知るような大企業の下請けとして働くことも少なくないので、かなり大規模なプロジェクトに参画して仕事をすることができます。
他社の方との人脈を広げることもできるので、場合によってはヘッドハンティング等も期待できます。
デメリット

その1:単価が不透明
案件に参画する際、自分に対する単価が決定されます。(1か月あたりいくら支払われるか等)
しかし、その単価が働いているエンジニアには公表されずに参画されます。
つまり、自分に対していくら支払われていて自社からその内のいくらが給料として支払われているのか不透明のまま働くことになります。
客観的に見て自分がどれくらいのスキルを持っているのか分からないまま働くというのは、かなり不信感が沸きますよね。
これはあくまで私が勤めていた企業の話なので、単価などをしっかりと公表している企業もあります。
その2:環境によるストレスが大きい
案件の移り変わりで頻繁に環境が変わることが多く、また炎上中(炎上しかけ)の案件に突然参画されるなんてことも多々あります。
もちろん自社の営業へ案件の変更の打診も可能ですが、打診した上でも基本的にそう簡単に案件を変更することはできません。
また、私の勤めていた企業では多重請けなども平気であり(最高5次請けなどもありました)、
自分がどの会社の人間として働いているのか混乱することもありました。
その3:次に繋がるスキルが身に付かない
雑用レベルのことをさせられる案件も少なくはなく、なかなかスキルが身に付きません。
大きな案件であっても案件独自の技術を使っていたりした場合、他で使えるスキルが身に付かず…ということもあります。
また、周りに自社の社員がいないため分からないことがあっても気軽に質問ができる環境がなく、
そういった場合も成長のスピードが周りのサポートがある場合に比べて劣ります。
その他体験談

メリット、デメリット以前に自社に対して不信感を抱くことが自社開発に比べてSESのほうが圧倒的に多かったです。
当然のように行われる多重請負、クライアントからの直接業務指示、スキルシートの改ざん等。
結論

これらを踏まえて、やはり私はSESより自社開発をおすすめします。
自社開発に努めるというのは、簡単なことではありませんがこれからIT業界で働きたいという方の参考になればと思います。