SESはやめとけ?SESに一年半いる僕の結論

未経験者
実務未経験でエンジニアになりたいのですが、SES企業に就職しても大丈夫でしょうか?
 
実務経験のない方がエンジニア転職しようとする時、
どの会社に入れば良いのか、どの会社が未経験者でも受け入れてくれるのか、疑問に思うことでしょう。

IT業界について色々調べているうちに、「SES」という業態の会社なら実務未経験者を積極採用していることを知り、SES企業に興味を持っているかもしれません。
また一方で、「SESはやめとけ」というネットの評判を見て、SES企業に就職しても良いのか不安に思っている方もいると思います。

この記事では、「未経験からエンジニア転職したいけど、どんな会社へ入ったら良いのか分からないよ」といった人へ、SES企業で実際に働いている僕の実体験を交えつつ僕なりの結論を述べていきたいと思います。

僕は未経験からSES企業に就職して1年半になるシステムエンジニアです。
SIerと言う、システム開発を企画から運用まで全て受け持つ会社に派遣され、現場では
・システムのテスト
・システムの開発
・その他資料作成業務
を行ってきました。
 

SESはやめとけ?僕の結論は…

SES企業に就職するのはやめといた方が良いのか?」という疑問に対する僕の結論はずばり、

やめておいた方が良いけど、例外として入っても良い場合もある
 
です。
 理由を説明する前に、SES企業というのはどういった会社なのかを簡単に説明しておきます。

そもそもSESってどんな会社?


SESは System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)の頭文字を取った言葉で、「お客様の会社にエンジニアを派遣しシステム開発業務を代行しますよ」というサービスを提供している会社のことです。

SES企業に正社員として所属していますが働き方としては派遣社員と同じです。

SESに1年半。どんな仕事をしていた?

私がSESに入社した経緯


私は大学を中退後、3ヶ月ぐらいアルバイトをして生活していました。
その後ハローワークで、「未経験可能なIT企業」という非常にざっくりした希望を担当の方に伝えて、求人を探してもらいました。
いくつか求人票をもらった中で、
 ・未経験可
 ・学歴不問
で募集していた会社の面接に行き、採用されました。

SESの研修の内容とは


出社初日、自己紹介と使用するPCのセットアップや環境構築を終えると、Javaの入門書を一冊渡され、「明日までに全部覚えて。本にある練習問題は全部やって提出して。」と言われました。

500ページ程ある分厚い本なのですが、なんとか2日で読了しました。
早くこの本で覚えた知識を仕事で使いたい、という思いで頑張って内容を覚えました。

こんな調子で、研修は本ベースで3ヶ月間行われました。

SIerに派遣されて1年。業務内容は?


研修後、一部上場SIerに派遣され働きはじめました。

金融系のシステムを開発している会社で、
 ・上流工程(お客様の要望をヒアリングしてシステムの仕様を決める工程)を派遣先の社員さんが行う
 ・下流工程(上流工程で決まった仕様に基づいてシステムを作り完成形にもっていく工程)を僕たち派遣が行う
と言う役割分担がありました。

下流工程は主に
 ・開発
 ・テスト
の2つの工程があるのですが、新人である僕は最初の7ヶ月の間テストを任されました。

テストというのは、製品が上流工程で決めた仕様や品質をきちんと満たしているかを確認する工程です。
実際にどんなことをやるのかというと、
 ①確認項目を洗い出し、エクセルにまとめる。
 ②その確認項目を一つ一つ確認していく
 ③確認しましたよという証拠(エビデンス)をエクセルで作成する
といったことをやります。

7ヶ月間毎日ひたすら①→②→③のサイクルを行っていました。
 

SESはやめといた方がいい理由

実は、このテスト作業こそ、僕が「SESはやめておいた方が良い」という理由です。
 
テスト作業は基本的に単純作業であり、最低限のPC操作ができてITの知識があれば誰でもできる仕事です。
誰でもできる仕事だから、未経験で入ってきた派遣社員の新人に任せるのです。
 
派遣先の会社は派遣社員を教育する義務がないし、派遣社員の「こういう仕事がしたい」という希望を聞く必要もありません。
与えた仕事をきちんとスケジュール通りになってくれること、それがすべてです。

自社で受託開発や自社開発を行っている会社であれば新人を早く戦力にするため早期から開発経験を積ませようとすると思いますが、派遣会社から派遣されてきた社員には、自社の社員がやりたくない仕事を回すことが多いです。

 「上流工程の仕事がしたい!」
 「開発がしたい!」
という人はたくさんいますが、
 「テストがしたい!」
という人はほとんどおらず、誰もやりたくないテスト作業が新人派遣社員に回ってきます。

エンジニアになりたいという人は、
 「すごいサイトやアプリを作ってみたい」
 「手に職をつけたい」
などの理由でエンジニアを目指している場合が多いと思いますが、すごいサイトやアプリを作るため・手に職をつけるためにはとにかく「開発経験」が必要です。

仕事でたくさんプログラムを書いてプログラミングスキルを身につけていくこと。
エンジニアとして職業人生を過ごしていくためにはひたすらプログラムを書かなくてはいけません。
 
未経験でSES企業に入社して派遣された場合、最初はほとんどの場合テスト作業を任されると思います。
開発を任せても大丈夫かなと判断されれば開発業務に携わることができますが、最初のテスト作業の期間が長すぎるのが問題です。

エンジニアとしてプログラムを組む仕事をしたいなら、SES企業に入社するのではなく、自社開発・受託開発の企業に入社するべきだと思います。

早期から開発経験を積ませてくれる自社開発企業・受託開発企業に入社するのがベストだと思います。
ただ、それらの企業に入社できなかった場合はSES企業に入ってIT企業の文化を肌で感じつつ自宅でプログラミング学習をしながらポートフォリオを作り、前者の企業に転職するのもありかなと僕は思います。

さいごに

SES企業に入社しない方が良い理由について説明しました。

就職する会社によってどんな仕事ができるのか大きく変わってきます。
僕は派遣されてから7ヶ月間テスト作業をしていましたが、その後開発に携わることができました。
しかし、開発が終わったらまたテスト作業が始まり、開発→テスト→開発→テストのループなんだなと気付きました。
同じ会社から派遣されているベテランエンジニアの方も開発が終わったらテスト作業に入っていたので、この会社にいる限りは必ずテスト作業をしなければいけないんだ…と思いました。

未経験からエンジニア転職を目指している方は、情報収集と企業研究を怠らず、この会社に転職しても大丈夫かしっかり見極めてください。

転職活動頑張ってください!
 

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