
はじめに

この記事を書いているのは、27歳のときに転職エージェントに登録し、28歳でSES企業に就職してエンジニアになれなかった人が書いています。
みなさんは未経験からエンジニアになるために会社に入社してしまえばエンジニアになれるんでしょ?と思われますよね。SES企業によってはそんなに簡単にエンジニアにさせてくれないんです。
今回は私がSES企業に未経験から入社して、エンジニアになれなかった体験談を書いています。
未経験からSES企業に入社した経緯

まず、私がIT、プログラミングに興味を持った経緯を説明します。私は27歳のときに広告代理店でアルバイトとしてwebライターを経験したことから、ITの仕事に興味を持ちました。
ITについて何もわからなかったので、ワークポートという転職エージェントに登録しました。
無料プログラミングスクール「みんスク」体験談

ワークポートで20代限定で行われていた無料のみんスクというプログラミングスクールに登録しました。
みんスクでは、プログラミング言語であるPHP、HTML、CSSを学びました。みんスクは基本的にテキストを見ながら自分で独学していく授業スタイルです。
わからない点があれば、メンターに質問することができます。みんスクには約5カ月通いました。
みんスクに通い始めたのが、2018年10月です。PHPの学習方法は、スクールにあるテキストに沿ってPHPで必要な知識全般のプログラミングについて知っていくことから始めました。
当時はPHPのプログラミングを理解することが難しく、完全に覚えることはできず、テキストを読み進めるだけになっていました。そこから主にPHPの理解を深めてある程度全般知識を学習し終わった頃、2018年12月ごろからIT企業への就職活動を始めました。
書類選考に落ちまくる

就職活動は、転職エージェントが勝手に私の履歴書や職務経歴書を企業へ送付してくれるので、書類選考の結果を待っているだけで書類選考は終わりました。私の経歴がよくなかったので、書類選考にはたくさん落ちました。
10社応募して2社しか書類選考に受かりませんでした。そんな2社でも、面接で容赦なく落とされるのです。面接に加えて性格診断を筆記やwebで行う企業もありました。何社も面接にいってやっと受かったのはSES企業1社のみでした。
案件面談に受かったら内定。SESの通称「待機」は許さず

SES企業は最初に1回面接し、約2週間後に案件面談(派遣されるお客様先への案件面談)に行きました。案件面談の結果は、翌週に合格の回答をもらい、SES企業からは案件面談に受かったので内定をもらいました。
内定が出たのが2019年2月です。私が予想していたよりも内定が出るのが遅く、私はよく検討せずにそのSES企業の内定を承諾したのでした。
未経験エンジニアの雇用条件

私が内定をもらったSES企業の雇用条件は以下です。
勤務時間 | 9:00~18:00(うち休憩時間60分)※ただしお客様先による |
月給 | 185000円(20時間分の残業代込み) |
休日 | 年間休日120日。土日祝日。※お客様先による |
残業 | 月に20時間を超えた残業が発生した場合のみ残業代を支給 |
休日出勤 | 基本的になし。ただしお客様先によっては休日出勤がある。休日出勤した場合、代休をとれる |
賞与 | 4月入社した場合、12月分から支給開始。金額は査定による。 |
福利厚生 | ベネフィットに加入。プログラミング動画見放題サービスを利用可。退職金制度あり(勤続3年以上)。 |
保険 | 雇用保険、社会保険、健康保険、厚生年金 |
交通費 | 月額5万円まで実費支給 |
出張 | 手当なし。交通費のみ支給。 |
実質時給は1000円

給料は、月の見込み残業代を引けば実質時給1000円でした。基本給が全然上がらないのがモチベーションを下げる原因でした。また、月残業見込みが20時間あるので21時間残業したら残業代が出る仕組みでした。
SES企業の採用情報をいくつか見てみましたところ、どこの企業でも月の残業見込み代を月給に含めているところが多かったです。もちろん、探せば残業見込みがないSES企業もあります。
案件面談に合格したら内定、というSES企業が多かった

私が面接に行ったSES企業は、面接1回した後にお客様先へ案件面談に行き、合格したら内定、という企業が多かったです。
未経験エンジニアには「案件面談とは何だ?」と思われた方もいるでしょう。案件面談とは、お客様先(自分が派遣される会社)へ仕事内容を説明してもらい、自分のスキルで仕事ができるかの確認をしに行く面談のことです。
案件面談では、募集人数1人の仕事に10人ほどの応募者(色んなSES企業からやってくる)が群がっています。たまに応募者がSES企業から派遣されてくるエンジニアではなくて、一般事務派遣の人であることもあります。
SES企業に入社してから

私の場合は、SES企業に2019年4月に入社し、入社した当日からお客様先(派遣先企業)へ一人で出勤しました。
お客様先での仕事内容は、SIer(エスアイアー)企業が売り上げを上げるために自社開発を始めるので、企画営業の担当者のアシスタント事務でした。PowerPointでアプリの説明資料を作成したり、Excelでイベント来客者の情報をまとめて集計したり、といったプログラミングとは全く関係のない内容を6カ月も続けました。
徐々にPHPの経験が積めるという約束だったが・・・・

私の最初のSESでの契約期間は、4~6月で次は7~9月でした。一般事務派遣と派遣期間は変わりません。
案件面談の際に、自社開発するための仕事を獲得できたらPHPでプログラミングを任せてもらえるという話でした。しかし、9月末で契約終了となりました。自社開発するために仕事を獲得できなかったわけではありません。
なんとSIer企業が、自社開発するスマホアプリの仕事を、自社の子会社であるIT派遣会社に仕事を任せることにしたのです。
私はPHPで徐々にプログラミングを積めるという話でこちらの案件に派遣されたのですが、結局契約終了になってプログラミング経験ではなく事務経験が積めました。
以上の私の体験談から、未経験エンジニアの人は自分が成長できそうなSES企業なのか、IT事務作業しかさせてくれないSES企業なのかを調べてから入社してほしいです。
プログラマーになるつもりが一般事務作業員に

ここまでの記事を読んでいただければ理解していただけたと思いますが、求人で「未経験者歓迎!」や「お客様先での勤務」と書いてあるSES企業は注意しなければなりません。
未経験者歓迎!のSES企業に入社してしまうと、高い確率であなたは「IT作業員」か「一般事務作業員」としての経歴を積むだけになるでしょう。もちろん、プログラミングスキルは全く身につきません。
SES企業からすれば、「こっちは未経験でも雇ってあげてるんだからプログラミングスキルは自分で勉強しなさい」というスタンスですので、自分で勉強をしないとプログラミングスキルが身につくような現場に投入されることはありません。「自分で勉強する」といっても、未経験者にとってはハードルが高いです。なぜなら、未経験者にはわからない現場ツールを使って仕事をすることが多いからです。
まとめ

もちろん、SES企業に入社したらプログラミングスキルは身に着かないという意見は私個人の意見です。例外として、プログラミングスキルが身に着く現場に参画させてくれる優良なSES企業も存在します。しかし、多くのSES企業が未経験者を「IT作業員」として現場に送り込んでいるということは知ってほしいです。