
今回はこのような疑問に答えていきます。
プランナーとディレクターの決定的な違い

結論から言うと、業務内容はもちろん責任の重さが全く違います。
この記事を書いている僕は20代前半、システムエンジニアから夢だったゲームクリエイターになりました。
様々なプロジェクトで開発・運営をしてきたので、その経験を元に記事を書いていきます。
ゲームプランナーとは
プランナーって何してる人?

その名の通り、「企画」をする人です。
ゲーム内のバランス調整や報酬設計、難易度調整なども行うので、「ゲームデザイナー」とも呼ばれます。
企画と言っても、基本的に「新しいゲームはこんな案でどうでしょう!」と新しくプロジェクトを立ち上げる人ではありません。
新しいプロジェクトの立ち上げは後述するディレクターやプロデューサーが行います。
※とはいえ、会社やプロジェクトによってはプランナーから企画を求めるケースも全くないわけではありません。
プランナーは、プロデューサーやディレクターの意図をくみとり、より詳細に落とし込むことが主な役目です。
プランナーの仕事

プランナーの仕事は非常に多岐にわたります。
新規仕様の企画・立案、要件定義、仕様書作成、各部門へ展開、進捗管理、データ実装、テスト、運用、データ分析などなどやることは非常に多いです。
小規模なプロジェクトだとこれら工程を1人(もしくは小数人)のプランナーが担当しますが、大規模なプロジェクトだとプランナーごとに担当が異なります。
大規模なプロジェクトでは、企画立案・要件定義・仕様書作成を担っているプランナーもいれば、データ実装・テストを担うプランナーもいます。
前述した通り、プランナーの主な役目はプロデューサーやディレクターの意図をくみ取り詳細に落とし込むことです。
「要件定義」について例題を出します。
例えば、ディレクターから

と言われたとします。
ここで重要なのは、「ハロウィンイベント」に対して、何を企画するかです。
まず、なぜハロウィンイベントを打ち出したいとディレクターは言い出したのかを考えます。いわゆる目的です。
基本的には、ディレクターから教えてくれますが、いまいち理解できないようであれば理解できるまで話し合いましょう。
僕だったら、「ハロウィン用の衣装が人気があり、商品価値が高く売上がたつ見込みがあるので、ハロウィンイベントを打ち出したい」と考えます。
しかし、

という考えだけでは、プランナーは必要ありません。
ハロウィン衣装を買ってもらうための工夫を最大限に考えます。これが企画です。
ただある一画面に商品を置くだけでは、ユーザーがその商品に気付かずに機会損失となってしまいます。
商品を買っていただきたいのであれば、まず商品をユーザーに認識してもらう必要があります。
例えば、お知らせページにて情報を公開するのか、ホーム画面にてバナー画像で訴求するのか、試しに期間限定で使わせてみるのか・・・
アイデアは無限にあると思います。
そのアイデアを形にし、目的を達成させることがプランナーの仕事です。
自分のアイデアで目的が達成できた時、とてもやりがいがあり頑張ろう!という気持ちになります。
ゲーム業界未経験からどうやったらなれるのか

冒頭でも書きましたが、実際にどのようにしてゲームクリエイターとしての道を開けたのかを書かせていただきます。
僕は子供のころからゲームを作ることを夢にしていました。
高校卒業後は、ゲームクリエイターとして勉強ができる専門学校へ行きました。
専門学生当時、「卒業したらゲームクリエイターになるんだ!」と思い、必死に勉強しエンジニアとしての国家資格を取りました。
しかし、卒業時ゲーム会社へ就職できた人間はわずか1名だけ。0名の年もあるということです。
なんとなくは知っていましたが、ゲーム業界は狭き門という意味をようやく理解しました。
でも就職しないと食っていけないので、IT企業に就職し、エンジニアとして約3年ほど経験を積んでいました。
当然ゲームクリエイターとしての夢はあきらめていないので、働きながらも求人を探していました。
そんな時、僕はあることに気付きました。

正社員にこだわらず、求人を探していたところ、アルバイトで求人募集している上場企業様がいました。
エンジニアとしての経験もあるので、見事にアルバイトの面接に合格し、正社員を辞めてアルバイトとしてゲーム業界に入りました。
IT業界にも言えることですが、未経験から初めにやる業務はテスト・検証が主になります。
そこで、テストしながらプロジェクトがどのように動いているのかを知り、どんな職種があるのかを知り、ゲーム業界を知ることができました。
そして、経験をある程度積んだので、ようやく正社員としてゲームクリエイターとしてお仕事をしています。
基本的に未経験からいきなりクリエイターとして業務を行うことはほどんどありません。
あるとすれば、時間も資金も教育制度も潤沢にある「新卒」という制度くらいなものです。
常に進化し続けているゲーム業界で、人手不足と言われていますが、単に人手が足りないわけではありません。
「問題無く業務を遂行することのできる人材」が足りないのです。
なので、経験がない場合、書類選考で落とされることがほとんどです。
業界未経験だけどゲーム業界で仕事をしたいと思っている人は、まず経験を積みましょう。
逆に言うと経験がある人であれば引く手あまたです。
ゲームディレクターとは
ディレクターって何してる人?

ディレクターは、企画立案はもちろんのこと、プロジェクトメンバーを取りまとめたり、予算・実績管理などお金周りのマネタイズもやっています。
プロジェクトがうまく回るように、コミュニケーションをとったり、人員調整したりもします。
言わば、プロジェクトの中心です。
業界の全体的な知識を保有している必要があるため、何から何までディレクターに委ねられます。
ディレクターの仕事

ディレクターの仕事もたくさんあるのですが、ざっとまとめると以下のようになります。
・ゲームの企画、立案
・プランナーへ仕様書・企画書の発注
・社外など外部へのイラストの発注
・予実管理
・人員管理
・お問い合わせ対応
・機能検証、フィードバック
・イラストチェック、フィードバック
企画から、現場監督、プロジェクト進行管理、品質管理、進行管理、カスタマーサポートまで、全責任がディレクターに委ねられます
「ゲームの企画、立案」について少し説明します。
企画、立案をする場合「こんなゲームが面白そう」という企画を出すことはもちろんですが、
まず考えるべきは「経営者目線でプロジェクトの責任を負える企画を作ること」です。
もう少しかみ砕いて説明すると、その企画でプロジェクトや事業を回せるほどの資金を調達できるのかどうかです。
・毎月の人件費は回収できるのか
・ランニングコストは回収できるのか
・それら費用を回収したうえで、利益をだすことができるのか
・なぜそのジャンルを選択したのか
・ブルーオーシャンのジャンルであるからか
・様々な論文の結果からなのか
など、ありとあらゆる観点から企画立案をしていきます。
資金周りについては、ディレクター1人というより、プロデューサーと一緒に考えていきます。
これらを考えたうえで、「こんな面白いゲームを作ろう!」と企画を立てていきます。これは基本的にディレクターが考えます。
そしてその企画を元に、プランナー・エンジニア・デザイナーへと展開を行っていきます。
このように自部門はもちろんのこと、プロデューサーや外部との連携も取っていくので、
ディレクターとして、コミュニケーション能力に長けていることは必須の要件です。
ただ仲良く話しをするということではなく、しっかりと要件を伝えられること、相手の要件をくみ取り理解すること、
なにかチーム内で問題が起きた場合、的確に問題を解決すること、などがあげられます。
プランナー、ディレクターにプログラミング知識は必要?

実際にエンジニアからゲームクリエイターになった僕ですが、プランナー・ディレクターとして業務を遂行するにあたり、プログラミング知識は必要ありません。
プランナー・ディレクターは「企画」といわれている職種なので、プログラミングを業務として行うことはありません。それらは「エンジニア」と呼ばれる職種が対応します。
ですが、エンジニアとしての基礎知識は習得しておくべきです。
理由としては、いきなり企画職として業務出来ることは基本的に無く、エンジニアもしくはデザイナーから企画職になることがほとんどだからです。
例えば、企画として重要な仕事である「仕様書作成」。
画面設計やデータベース設計などをエンジニアとしての知識もないのに作れないですよね。
エンジニアとしての経験があるから、エンジニアの気持ちになって仕様書が書け、その仕様書を別のエンジニアが見た時に理解しやすいものになります。
なので、「Java」「C++」「VBA」など、このプログラミング言語を習得しておくべき!というものはありませんが、エンジニアとしての知識・経験は必要です。
一部例外として、アプリ画面内の「お知らせ」や「Webview」を企画が担当することもあります。
この場合は、「HTML」「CSS」といったものを使いますので、習得しておくべきです。
まとめ

さて、簡単に「プランナー」「ディレクター」についてまとめましたが、
大きな違いは、自分の担当している部分を見るか、プロジェクト全体を見るかです。
自分の担当部分に関して責任を持つのがプランナー
プロジェクト全体の責任を持つのがディレクターです。
本当に人材不足な業界ですし、やりがいもあるので、ゲーム業界で仕事したいとおもっている方はチャレンジしてみてください。