
ゲームクリエイターとはゲームを作る人です。実は、それ以外に説明しようがないです……。
しかし、実際にゲーム企業の募集要項や、ゲーム関連の記事を見てみると、「プランナー」、「プログラマー」、「サウンド」など様々な職種が……。え?これもゲームクリエイター?
そう、ゲームクリエイターと一口に言っても、様々な種類があります。今回は、「ゲームクリエイター」、その主な11の職種について、最近のゲーム動向と共にお伝えしていきます。
ゲーム作りにおいて大事な9つの職種

まず、ゲームクリエイターとは、大きく二つの職種に分けられます。
一つは技術職。ゲームそのものの制作を担う職種です。
もう一つは、管理職。ゲーム制作そのものというより、ゲーム制作のかじ取りを行う、いわば責任者です。
それぞれ得意な分野があり、それによって役割分担をして、チームを組んで、ゲームを作っています。
【ゲーム開発に直接携わる、技術職】
1.プランナー

ゲームの元になるアイディアを出す人です。
「企画書」と呼ばれるゲームアイディアをまとめたものを元に、プログラマー、グラフィッカー、サウンドなどの他のゲームプログラマーが仕事を始めることができます。プランナーがいないとゲーム制作を始められません。
ただ、完全にオリジナルの自分のゲームを作ることができるのは珍しく、大手の企業になればなるほど、上の人々の意向や計画の元にアイディアを出すことが多いです。
しかし最近では、企業内で、自分の考えたゲームについて上層部にプレゼンをする、というイベントが設けられている会社もあるそうです。
また、プランナーの仕事は、ゲームの難易度調整や、ゲームシナリオの作成など他にもたくさんあります
2.プログラマー

ゲームを動かすためのシステムを作る人です。簡単に言うと、ゲームが動くための全てを作っています。
みなさんが一度は聞いたことがあるかもしれない、Unityなどのゲームエンジンと呼ばれるものを使ってシステムを作っていきます。
大きな会社になると、会社独自のゲームエンジンを持っているそうです。(独自のゲームを持っている、これは本当にすごいことのようです。プログラミングを学んでいくと、そのことがわかるかもしれません……!)
シナリオがいくら感動的なものでも、グラフィックがどれだけ美しくても、このプログラマーがいなければ、ゲームとして成り立ちません。
「プレイヤーがこのボタンを押したら、キャラクターはこんな動きをする」「この攻撃の時はこの効果音を出す」などの、ゲームの根本とも言える部分を作っています。
ゲームが大規模になるほど、多くのシステムが必要になってきます。
しかし、そのシステムを全て素直に作っていくだけではダメ……とは言いませんが、あまり良くないです。
理由は、ロード時間と呼ばれるゲームの読み込み時間が遅くなり、プレイヤーにとって快適なゲームプレイができないからです。
RPGで、洞窟の入り口へ入ったら、真っ黒い画面に「Now Loading…」と表示されたまま、動かない……なんてことはありませんか?
それを防ぐために、工夫して、より短時間で読み込めるようなシステムを作らなければいけません。
3.グラフィッカー

キャラクターの外見や、フィールド上の建物、バトル中の火や雷のエフェクト、ユーザーインターフェースと呼ばれるゲームキャラクターのHPや名前の表示など、ゲームのグラフィックを担当する人です。
平面的な2D、立体的でリアリティのある3Dというようにグラフィック、大まかにこのように分けられます。
最近では3D、しかもかなり綺麗なグラフィックのゲームが増えてきています。グラフィッカーのさらなる活躍が求められるようになったのではないでしょうか。
しかし、グラフィッカーは、ただグラフィックの美しさを追求するだけでなく、ゲームのハードや、さらにはゲームプレイヤーの国や地域、年齢に合わせたグラフィックを考えなくてはいけません。
4.サウンド

ゲームのBGM、効果音を担当する人です。
効果音でバトル中の感情をさらに高めたり、BGMで感動のラストを飾る……。ゲーム内のBGMのみを収めた、サウンドトラックなどが発売されるくらい、プレイヤーの心に知らず知らずのうちに深く入り込んでいくものです。
これらは、DAWと呼ばれるシステムを使って制作されます。
また、3Dゲームが増えてきた中、ただサウンドを作るだけでなく、聞こえ方にも意識しなければならなくなっています。
プレイヤーが操作するキャラクターを中心に、右側から川が流れる音、後ろから人が歩いてくるような足音、などのリアリティが求められています。
他キャラクターとの位置関係や、音の発生する位置を考えたうえで、実際にそこにあるかのように聞こえるようにサウンドを作らなければいけません。
しかし、大手の企業でない限り、サウンドがいることは珍しく、
実際には外部の会社に委託することが多いです。
5.デバッカー
ゲームのバグを見つけます。大体はアルバイトが多いようです。
同じゲームの同じ部分を、様々な方法で繰り返し、ゲームを快適に遊べるようにしてくれます。
同じ部分を何度も繰り返す(または、同じゲームを最初から最後まで)ので、そういった事が苦じゃない人がいいかもしれません。
先程言ったように、アルバイトの求人もあります。中には、そこから企画のお手伝いをさせてもらったりして、内定を貰う方もいらっしゃるそうですよ!
6.シナリオライター
特に、RPGにおいてかなり重要なシナリオライター。シナリオは、サウンドと同じで外注することがほとんどです。そのせいか、シナリオライターのみの募集は少ないようです。
ゲームのメインシナリオから、キャラクターたちの会話まで、「言葉」が絡むものはほとんどシナリオライターが担当しています。
7.広報
ゲームについてあらゆる情報を、雑誌、テレビ、インターネットなど、様々な手段で私たちに伝えてくれます。
この方々のおかげで、発売するゲームの情報をたくさんの方々に知らせることができます。
作って終わり…では、どんなゲームも売れません。
発売されるゲームのことを何も知らなければ、私たちは、買いようも選びようもありません…。
【ゲーム制作におけるトップ、管理職】
8.ディレクター

ゲーム制作における、いわば現場監督です。
制作するゲームの方向性や計画、納期に間に合うかどうか……など、他と比べてさらに責任感が求められる職種です。
常に全体を見ていないといけないため、他の職種の人たちとの関わりが多いのも特徴です。
特にゲーム制作において、計画を立てることは簡単ではありません。
制作に必要な人員、それを割り振るか、必要なコストはどれくらいで、どの分野にどれくらいかけられるか。
さらに、その計画がプロデューサーから指摘を受ければ、また組みなおさなければいけません。
ここが、ディレクターの大変な部分ではないでしょうか。
技術職からの昇進という形でなる方が多いですが、中でもプランナーからの方が多いようです。
9.プロデューサー

ディレクターと違って、経済面での責任を持つ職種です。
どのタイミングでゲームを売り出すのが良いか、どのようなゲームが売れるか、など、利益を上げられるかどうかをしっかり見ていきます。
プロデューサーがいることによって、ゲーム会社は、効率的に利益を上げることができます。
しかし、ゲームの発売時期や、制作費用などを巡って、ディレクターと意見をぶつからせることもあります。
(例えば、しっかり利益を上げないとゲーム制作が続けられない、しかし、それを重視するとゲームのクオリティが落ちてしまうなどの対立ですね。
ディレクターもプロデューサーもゲーム制作に対し、熱意があるからこその対立ではないでしょうか。)
スマホアプリと共に認知度が上がってきた2つの職種
ここまで、ゲームクリエイターの基本の職種をお伝えしてきました。
ここからは、最近メジャーになってきた2つの職種をお伝えしていきます。
どちらも、スマホゲームがより高い人気を見せはじめてから増えてきました。
10.サーバーエンジニア
スマホによる、オンラインゲームが増えてきた中で、重要度がかなり高い職種です。
まず、ゲームが動くためのサーバーを作ります。
それだけではなく、そのサーバーが正しく作動しているかを確認します。
アクセスが集中しすぎて、サーバーがダウンしたり、繋がりにくくなってしまいそうな時はすぐに処置をするのもサーバーエンジニアの仕事です。
11.ゲームデータ解析/ゲームアナリスト
会社にあるデータを始め、プレイヤーの人数、ゲームプレイ、課金の状況などの集めたデータを使って、イベントが成功する確率や、プレイヤーの傾向を割り出します。
より良いゲームを作るのはもちろん、さらなる売り上げのためにも重要な職種です。
最後に

読んでいただくと気づいていただけるのではないかと思いますが、どの職種も、ゲーム制作において、重要な役割を担っています。
しかし、これはあくまで一般名称であり、会社によっては、職種名も、役割分担も異なることがあります。
就職を目指している方は、職種名に捕らわれず、その仕事内容をしっかり確認してから、応募してください。
今回紹介した11の職種は、ゲーム制作との関わり方が違うだけで、全てゲームクリエイターです。それだけを忘れないでください。