
一般的にゲームプログラマに限らずとも、プログラマは待遇の悪い職業というイメージがついて回っています。
例えば残業時間が長い、収入が低いといったことや、望んだ業務から離されて関係のない業務に取り掛からされたりなど多くの非難の声を見かけます。
ゲームプログラマも同じ様な意見が多く見られ、ブラックな企業が多いのではないかという懸念は確かに多くあります。
しかしゲームプログラマと言ってもコンシューマゲーム開発のような高度で大規模な開発分野やソーシャルゲーム開発のように比較的小規模で少人数で開発していくものなど同じゲームプログラマといっても一概に一括りにして考えることは不十分です。
今回はゲームプログラマは今オススメのできない職業と言えるのかどうか、コンシューマーゲーム開発やソーシャルゲーム開発といった開発分野の差や、不満のある業務につかないためにはどうするべきかを中心に紹介していきたいと思います。
ゲームプログラマはブラックな職業?
コンシューマゲーム開発とソーシャルゲーム開発の差
コンシューマーゲーム開発

コンシューマゲーム開発はソーシャルゲーム開発と比べてコストが高くなることが多く、需要も下がってきている業界です。
専用のゲーム機やその周辺機器が必要であること、代わりに誰でも持っているデバイスでプレイが出来るソーシャルゲームに人が流れてしまっていることが大きな原因として挙げられます。
コンシューマゲームではソーシャルゲームに比べて専用のゲーム機や周辺機器を用意する必要があります。
そのため片手間や手軽さよりもしっかりとゲームをプレイしたい層が多くなるので、高い完成度や技術力が求められてきます。
またソーシャルゲームのほうが年収や待遇が良い傾向にあることで、ソーシャルゲーム業界に転職するプログラマーも多くいます。
人手不足ながら高品質を求められてくるので残業が必要になりやすい業界です。
ソーシャルゲーム(モバイルゲーム)開発

対してソーシャルゲーム業界はプレイに必要なデバイスの普及率、開発コストの安さに加えてそれほど高品質が求められないゲーム開発の傾向になります。
あまり長期間、開発したゲームを運用していくことは少なく早いスパンで多数のゲームを開発していく業界です。
そのため納期等のスケジュール調節が比較的に容易で個々人の都合が効く企業もあります。
基本的には小規模な開発になり、よりチーム内での間柄が近くなるので企業毎や職場ごとでの差が大きく出てきます。
ソーシャルゲーム業界への就職を考えるにあたっては企業全体の情報に加えてより現場に近い情報を得ることが重要です。
ブラックな職場を避けるためには
自社開発を行っている企業

二次請けや三次請けといった下請け企業だと社員ごとの都合やスケジュールの調節が困難で無理な行程や残業を引き起こすことになります。
特にゲームプログラマはプロデューサーやマネージャーの作成する仕様書に従ってプログラムを組んでいく業務になるので、スケジュール調節のしわ寄せとして残業になることもあります。
下請け企業の見分け方

下請け企業を見分ける際まず見るべきは主要取引先の情報です。
主要取引先に他のIT企業があればその企業の下請けとなっている場合が多いでしょう。
また、沿革と資本関係からも会社がどのように発展してきたのか、どの企業と関連を持っているのか判別がつくので確認しておくべきです。
特に親会社にIT企業があればまず間違いなく下請けの多い企業と考えられます。
その他では企業の口コミなどで社員が内情についての情報提供をしてくれている場合もあり、個人の情報なので信憑性に関しては自己判断になりますが、表からはなかなか知ることの出来ない詳しい実情についての情報源となるでしょう。
求人情報をよく読み込む

求人情報からは最低限残業の有無や福利厚生はしっかりとしているか、雇用形態と雇用期間についてなど基本情報はまず確認するようにします。
特に雇用形態は同じ正社員であっても期間に定めのあるもの、またIT系の職業では正社員であっても派遣社員のように他企業に出向いて業務に当たる場合もあり、詳しく確認しておく要項です。
面接から知る企業方針

面接の際に応対する人事は企業の傾向を判断するのに大きな判断材料となります。
人事が欲している人物像に無理がないか、また人事の面接にあたっての態度や身なりは適切かどうかは重要なところです。
人事がしっかりとしていなければ社内で働く人間にも懸念が残ります。
また、逆質問の際には福利厚生と残業の有無についてや特にゲームプログラマとしてゲーム開発に携わることが出来るのかどうかは改めて確認してきます。
ゲームプログラマを希望して入社したにも関わらず、実際ゲームとは関係のない業務やプログラムを組むことが出来ないといったことはよく耳にします。
企業の評判を調べる

企業の求人情報や面接だけでは本当に良い企業なのかどうか伺い知るには不十分と言えます。
そのためなるべく第三者による外部の情報という面からも企業の評価をするべきです。
転職系の口コミサイトなどで直接企業についての情報を得ることができれば重要な判断材料になります。
業務の不満を減らすには
キャリアアップ

ゲームプログラマを含めてプログラマは持つスキルによって年収や関われる業務が大きく変わってきます。
そのため業務に必要なことだけではなく今後のキャリアを考えたスキルを身に着けていくことで年収と待遇の改善を図ることが出来ます。
他企業への転職

ゲームプログラマの転職率は高く、特にコンシューマーゲーム開発に携わっていたプログラマがソーシャルゲーム業界に転職して年収と待遇をよく出来たという話はよくあります。
実際に現場に入ってみないと判断がつかない不満や問題点というものはどうしても起こり得るものです。
プログラマは転職の比較的に多い職種になるのでどうしても自分に合わない職場の場合には転職を考えるのは良い選択肢の一つでしょう。
完全に避けるのは難しいブラック企業

最近では明らかなブラック企業というものは以前よりも減ってきました。
それでも現在でも極端に社員への待遇の悪い企業は多く存在し、なかなか表からは判断がつかないものです。
そのなかでもゲームプログラマに限らずプログラマやシステムエンジニアといった職業は残業が多く待遇も悪いといったイメージがついて回ります。
しかしながらソーシャルゲームの発達によって、高コスト化し続けていたゲーム業界から小規模で回転の早いゲーム開発が勢力を伸ばし、昔と比べてゲーム開発のあり方もずいぶんと変わりました。
中でも小規模開発においてはゲームプログラマーの待遇や機材設備の品質が高いところも多くあり、現代では必ずしもゲームプログラマーはブラックとは言えない職業でしょう。