
ゲーム開発する機会が急にきたので、思い切ってゲーム業界に行ってみました!
ガラケーのソーシャルゲームもあった頃からの話しをしていきます。
ソーシャルゲーム業界が気になっている方のお役に立てば嬉しいです。

PHP、javaScriptで開発することが多いです。
ソーシャルゲーム業界に入ったときはなにをしていたの?

ガラケーのゲームもまだある頃で、ソーシャルゲームはリリースすれば儲かる時代でした。
ソーシャルゲーム会社にSESで入場していました。
SESは、簡単に言ってしまうとソーシャルゲーム会社へ自社から出向して開発をするという労働スタイルです。
なので、その会社に就職したわけではなく出向していました。
まず入場後に加入したプロジェクトは、その会社で1~2番に儲かっているゲームでした。
そんなゲームに急に加入するとは思いませんでした。
TVCMしている有名なゲームのプロジェクトに加入!

あとから理由がわかるのですが、儲かってるゲームは開発者の数も多く、新人の面倒を見る余裕が多少あるからでした。なので、そのプロジェクトにまず加入するというのがこの会社では普通のようでした。
まず仕事としてやったのは、イベント開発でした。定期開催しているイベントなので、仕様変更もなく比較的簡単なところからスタートしました。
最初はそのイベント開発の仕様を覚えるだけで精一杯だったのと、知らない業界や好きなゲームで仕事できることが嬉しかったのでその時は気づきませんでした。
この開発の仕事を続けたことを後々になって後悔することになります。
ソーシャルゲーム業界での仕事はどんな内容?2つのポイント

定期開催のイベント開発とは、どんな仕事かというと、古いデータを新しいデータで上書きして、新しいイベントとして作り上げます。
そうすることで、なるべく少ない作業日数で新しいイベントを開発することができます。
と、いうことはプログラマといってもプログラムをガンガン書くのではなく、データベースのイベント情報を新しく追加して、その内容を書き換えると思って頂いた方がイメージとして近いかと思います。
データだけでなくバナーのような画像も新しい画像で上書きすれば見た目も新しくなり、新しいイベントとして完成していきます。
プログラミング能力の他に必要なもの
- データベースのテーブルにどういうデータが入っているか?
- そのデータをプログラムでどう扱っているか?
といった、既存のプログラムやデーターベースからどのように作られているか理解できることが大切でした。
使用していた言語や技術は?

PHPやjavaScript、MYSQL
このような組み合わせが多かったです。
新規に立ち上がるプロジェクトだと、ゲームエンジンを今までと違うものを採用して開発言語も変わっていたので最近のプロジェクトだと、この組み合わせではない可能性が高いです。
ソーシャルゲームの仕事は辛いの?簡単なの?

データの上書きするだけなら楽勝!!と思いますか?
実はゲームのデータは複雑です。
- キャラクターのパラメータ
- アイテムの効果でパワーアップやダウン
- 特定の条件下でアイテム獲得率がアップ
このような条件で変わってくるので、ゲームを遊んでいる人にはよくある設定だと思われるかもしれませんが、どこにその条件のデータがあるのか?プログラムでどう作られているのか?は調べるのが大変でした。
この仕事に潜む罠

大変な理由それは、設計などのドキュメントとしてまとまっていないことが多いからです!
設計の元になる仕様書もないです!
もしくは、リリース当時のまま更新されず古いままのどちらかです。
プロジェクトや社内の他のプロジェクトにそのプログラムを書いた人がいたら聞くことができます。
が、いないことの方が多いです。
自力で調べることが大前提になります。
リリース日最優先の罠

イベントやガチャなどを定期的にリリースしないと会社の収入がなくなります。
リリースの頻度も高いので、調べる時間を多くとれません。
調べることができて問題なければよいのですが、間に合わない場合はどうなるかというと、
- その仕様をあきらめてもらう
- 深夜までやれば間に合うのであれば、実装をする
- 最悪、リリース延期
リリースをすることを重要視するため、リリースの延期は滅多にないです。
調査した結果、作業時間が足りなさすぎて対応ができなくて仕様を考え直してもらったり、
深夜対応で終わるなら対応するしかないです。
実は調べると複雑な作りになっていて対応が大変なものの担当になってしまった時が、辛いです。
ただ、いつも通りのデータを差し替えるだけの仕事をしていてもスキルアップもできません。
ソーシャルゲームの仕事はお給料はよいの?悪いの?

残業の多さと給料形態
ヒットすると大儲けのイメージが強い業界ですが、深夜までの制作や障害対応などで遅い時間に対応など、拘束される時間が長いです。
残業代がみなし残業としてあらかじめ40~50時間前後含まれていたり、裁量労働制でいくら残業しても月給が変わらないような制度を採用していることが多いです。
残業が多いわりには月々のお給料はほとんど変わらないことが多いです。
裁量労働制を悪用する会社

悪質な会社は、法律と違ったルールで運用していて、支払う金額を少なくしようとすることにこの制度を使おうとします。
残業代込みなのでどんなに働いても額面より多く支払われない制度なのに、理由をつけては働いていないことにして減給させてきます。
この制度は簡単にいうと、1分でも働いたら1日分の給料がもらえる制度です。
実際は、半日以下の労働だと欠勤扱いや半日分の給料しか出さないなど、給料の支払いになるとなぜか裁量労働制ではなくなる会社がありました。
もちろん法律違反です。
なので求人や社内の資料にも書かれていないので、入社後でもしばらくわかりません。
会社側はいくら働かせても額面以上を支払うことはなく、理由をつけては減給にできる夢のような制度ですね。
インセンティブ制度

インセンティブを支払う会社もありましたが、儲かっているプロジェクトに加入できれば貰えました。儲かっていないプロジェクトだと貰えません。
自分の実力というより、どのプロジェクトに加入できるかという運でしかないです。
企画職のような売り上げに直接反映されるようなポジションならやりがいにつながると思いますが、プログラマは貰えればラッキーぐらいな制度でした。
それでも働きたい人が働く業界

SESや正社員で複数社を経験して思うのが、「ゲーム好き」な人が働く業界であって、お給料が欲しいのであれば、他の業界の方がよいということです。
残業50~100時間以上してお給料がほとんど変わらないのは辛いですが、それだけ毎月働き続けていると精神的にもまいってきます。
ソーシャルゲームの仕事は技術でスキルアップできるの?

身につくスキル
調査する力やトラブル対応の力は身につくでしょう。
- すでにあるシステムの把握
- そのシステムをカスタマイズして新しい仕様に対応させる
- ユーザがどういったケースで苦情を言うか
- 24時間稼働する性質上、トラブルが起きた時の対応
- 負荷対策やパフォーマンス
- コミュニケーション能力
この力や経験は積めたと思います。
足りなくなるスキル

運用中心になってくると、
- なにもない状態からシステム設計をすること
- プログラムを書く力
- いつもリリース日までに終わればいいので工数見積もりが甘くなる
この力を発揮する力が滅多になかった為、いざ新規で開発の時が大変でした。
運用もユーザの生の声を聞けることが多く、ゲームが好きであればやりがいはあると思います。
しかし、こういった仕事ばかりが続くと開発する力が衰えることに後になって気づき、ゲーム業界に長くいない方がよかったなと後悔しています。
気がついたら5~6年たっていたので、せめて3~4年ぐらいまでと期間を区切っていれば…。
最後に
リリース日が最優先になるので、作る日数に対してもらえる工数が少なかったり、
深夜残業やタクシー帰りと辛いことも多かったです。
ただ、珍しい技術に触れることや、好きなゲームの裏側もよくわかったり、
楽しいことも多かったです。
しかし、長期的にみてこのスキルや経験が後々役に立つかというと疑問がわいてきて、
この業界をいったん辞めることにしました。
もちろん、ここに書いたような仕事ばかりではないので、入社タイミングやプロジェクトによって仕事の内容は様々です。
残業の多さは覚悟しておくぐらいがちょうどよいと思います。
よい職場に巡り合えますように!