
今回はこういう疑問に答えていたいきたいと思います。ブログやyoutube上にはフリーランスエージェントの絶賛情報が山ほどあります。しかし、ほとんどの場合、アフィリエイトの紹介料目的に使ってもいないエージェントの絶賛情報を発信しています。
この記事を書いている僕は、実際にネットで絶賛されている数社のエージェントに登録して使ってみました。そして、半数のエージェントがネット上の絶賛情報とは正反対でした。この時の体験をもとに記事を書いていたいと思います。

フリーランスエージェントの闇
そもそもクライアントの発注金額はいくらか

言語にもよりますが、webプログラマーの場合は東京の平均単価は月80万円+消費税10%=月88万円です。これは実務3年程度の平凡なプログラマーの単価です。スーパープログラマーやリーダーなどは単価は100万を超えていきます。
web業界の平均単価(東京編)
PM 120万
リードPG 100万
平凡PG 80万
未経験PG 拒否
デザイナー、コーダー 60万
テスター 50万
常駐で働いてて月収が上記と大きく乖離していたら抜かれすぎです。
正社員で終身雇用が確約されているなら安くても構いませんが。
— ごま塩シンジ@30代後半、完全未経験からプログラマーに転職しました (@YSinzi) January 9, 2020
エージェントを通すと月88万円が月50万〜65万円になる

平凡なプログラマーの単価が88万ですが、エージェントを通すと単価が50〜65万程度に減額されます。その減った部分がマージンです。つまり88万の単価から毎月38万円抜かれ続けるということもザラです。
もちろん、エージェント経由で月単価88万円の案件もありますが、その場合は発注金額が100万円を超えていることが多いです。当然、クライアントは月単価100万円以上の働きをする、スーパープログラマーを期待します。
マージン率10〜15%の嘘

ほとんどのエージェントは

とうたっています。しかし、それ以上マージンを抜くことはザラです。僕が知っているもっともマージンを抜かれている人は37.5%でした。クライアントには88万円請求し、エンジニアはそれを知らず50万円で働いていました。
派遣は法律でマージン率の公開が義務付けられています。しかし、フリーランスは法律の保護がありません。相手を見てマージンを抜けるだけ抜くのがエージェントの仕事です。
ちなみに派遣はHPにマージン率が公開されていますが、平均30〜40%と非常に高いです。
消費税を抜かれる

また、フリーランスエージェントは発注企業から消費税を支払われる事を知らない人が結構います。
そのため、無知につけこんで消費税を抜くのはザラです
マージン率10〜15%を謳っているエージェントも、実際はマージン10〜15%+消費税10%をとっていたりします
初心者ほどカモられる

エージェントは相手を見てマージンを決めます。そのため、初心者ほどカモにされます。一般的にエージェントに登録するときはこんな会話がなされます。





だいたい、こんな会話をします。なんども言いますが、東京のIT企業が平凡なプログラマーに支払う平均単価は月88万円です。88万円で受注して、50〜60万でプログラマーを働かせれば、それだけエージェントは儲かります。
エージェントのいいなりになっていると、相場よりも安い単価で働くことになります。
友人がギー○スに単価幅を載せろと言ったら、単価付きで案件情報が送られてきた。
【単金】
スキル見合い(税込50万~65万程度)
スキル見合い(税込50万~70万程度)
スキル見合い(税込50万~75万程度)
スキル見合い(税込50万~80万程度)・・・以下延々
意地でも50万で働かせたいみたい・・・ https://t.co/dmeW5E9eak
— ごま塩シンジ@30代後半、完全未経験からプログラマーに転職しました (@YSinzi) January 27, 2020
同じエージェント経由で同じ案件に入っても単価が違う

以前にこんな事もありました。同じエージェント経由で同じ仕事をしているA氏がいました。仲良くなってから単価を聞いてみたら僕よりも10万円安く働いていました。
年齢は僕の方が上ですが、実務経験、スキルセットはA氏の方が上です。そして全く同じ仕事をしています。どうやら彼はフリーランスなりたてで勝手がわからず、エージェントに安く買い叩かれたようです。
多重下請け構造
低マージンやマージン率公開をうたっていても安心ではない

それならば低マージンやマージン率公開をうたっているエージェントなら安心かというとそんな単純ではありません。IT業界では多重下請けというのがあります。
例えば、

と魅惑的な言葉が踊るエージェントを使ったことがあります。そのエージェントに紹介された案件にこんな感じでした。
クライアント(発注者。ここの会社で勤務)
↓
元請け会社(1次請け)
↓
SES会社(2次請け)
↓
フリーランスエージェント(3次請け)
↓
僕(4次請け)
なんと4次請けでした。そして、商談当日まで4次請けであることは隠されました。僕がエージェントに


と返事が来たきり、商談当日まで回答はありませんでした。そして商談当日はこんな感じでした。
フリーランスエージェント(3次請け)からSES会社(2次請け)に引き渡される
↓
SES会社(2次請け)から元請け会社(1次請け)に引き渡される
↓
元請け会社(1次請け)と一緒にクライアント(発注者)と面談
というわけのわからない面談でした。このように間に会社が入れば入るほど。マージンを抜かれています。
クライアント(88万円で発注)
↓
元請け会社(マージン10万円)
↓
SES会社(マージン10万円)
↓
フリーランスエージェント(マージン10万円)
↓
プログラマー(手取り58万円)
とどんどんマージンを抜かれていきます。このように多重下請け状態になっている案件の場合、エージェントに降りてくる前にごっそりマージンを抜かれています。そのため、いくらエージェントが低マージンやマージン公開を謳っていても全く無意味なことがわかります。
ちなみにこの時のエージェントは今だにブログやyoutubeで絶賛されています。
SES会社の下請け状態のフリラーンスエージェント

先ほどの多重下請け構造の案件は、SES会社を通して案件を紹介されました。SES会社といえば自社の正社員を客先に派遣するのが一般的です。しかし、最近はフリーランスと契約して客先に派遣するケースも増えています。
そして、中小の案件を持っていないエージェントの中には、SES会社にフリーランスプログラマーをつなぐだけのエージェントも存在します。その場合はこういう流れになります
プログラマーがエージェントに登録
↓
エージェントがプログラマーとSES会社を引き合わせる
↓
SES会社から客先に派遣される(さらに1〜3社挟む場合もあり)
もし、SES会社経由で働きたいなら直接SES会社に登録しましょう。ほとんどのSES会社はリクルートページで、正社員とフリーランスプログラマーを同時に募集しています。
エージェントにカモられない方法

それでは実際にエージェントにカモられない方法をまとめていきます。エージェントを使ったことのない人は特に参考にしてください。
マージンはクライアントの発注金額の1割が適正

ほとんどのエージェントがクライアントの発注金額、マージン、商流を隠してマージンを抜けるだけ抜きます。商流が深いと3〜4割抜かれることもザラです。そのため、以下の二つを重視しましょう
1、エンド直請け
2、マージン率
ただし、マージン公開をしているエージェントは少なく、公開しているエージェントに限って商流が深い案件しか持っていなかったりするので、まずはエンド直請けの案件を探しましょう
そのため、案件を受ける際は必ず商流を確認しましょう。ただし、ひどいところだと、

と嘘をついてSES会社に引き渡すだけの案件をもってきたエージェントもありました。
友達がミッ○ワークスに直請け案件を要求
↓
書類突破
↓
商談当日、SES会社に引き渡される
↓
SES会社の営業と常駐先へ商談あそこは直請けの概念が違うのかな?
SES会社に引き渡すだけで、永続20%の手数料はやりすぎ。
— ごま塩シンジ@30代後半、完全未経験からプログラマーに転職しました (@YSinzi) December 26, 2019
ただ例外的に、一部の超大手企業は審査に通過した企業としか取引しない、という場合もあります。その場合は
超大手企業A(取引できる会社が少ない)
↓
Aと取引のある企業B(1次請け)
↓
エージェント(2次請け)
と2次請けまでは止むを得ない場合もあります。しかし、3次請け以上やSES会社に引き渡すだけの案件を利用するメリットはありません。そのため基本的にはエンド直請けを希望しましょう。
2〜3社登録して単価を比較する

残念ながら今のところ直請け案件が豊富でマージンを公開しているエージェントは見つかっていません。
そのため、2〜3社登録して単価や案件を比較しながら使っていきましょう。
実際に複数エージェントに登録すると、同じ案件が複数エージェントに渡って異なる単価で募集されていることに気づきます。一番条件の良いエージェント経由で案件に応募しましょう。
希望単価と希望稼働時間をはっきり告げる

単価と稼働時間の希望をはっきり告げましょう。例えばこんな感じです
単価 77万円(消費税込み)
時間 140〜180時間
単価は税抜きと税込があります。税抜きだと70万円+消費税が振り込まれます。少しでも単価を高く見せたいエージェントは税込価格で表示してあるので注意してください。
稼働時間は140〜180時間が平均です。この場合は140〜180時間働けば70万円+消費税が振り込まれるという意味です。そして、180時間を超過した場合は、超過勤務分がでます。
しかし、少しでも安く使おうと、140〜200時間、150〜190時間と稼働時間を長めに設定している案件もあります。上記の時間の場合は10〜20時間余分に働くので、その分高い単価を要求しましょう。
専属契約は絶対にしない

エージェントの中にはこういうことを持ちかけてくる所もありました。

まあ、短期間ならいいかと思って専属契約したところ、紹介してきた案件が前述の多重請負案件でした。エージェント側は自分だけを使ってもらおうと、あの手この手でしかけてきますが、専属契約はプログラマーに全くメリットがありません。絶対にやめましょう。
フリーランスエージェントは初心者向け

ちなみに、ある程度現場をこなすとエージェントは使わなくなっていきます。なぜなら現場で一緒になったプログラマーと横のつながりができてくると


とこんな感じで仕事が決まっていきます。このようにエージェントを使わないで仕事を受けられるようになるとマージンが発生しないので、発注金額の月80万円がまるまるもらえます。
ゆくゆくは仕事をもらえる可能性があるので、現場で仲良くなったプログラマーとは連絡先を交換しておくことをオススメします。
ただし、仕事の紹介されるようになるのは、現場でそれなりに活躍できるようになってからです。駆け出しの間は仕事の紹介はされないのでエージェントを使って現場に入るやり方がメインになります。
まとめ

以上になります。今回はあまりにブログやyoutube上でエージェントを絶賛する情報が多かったので記事を書きました。エージェントは営業を代行してくれので初心者には大変便利なサービスです。しかし、使い方を間違えると永続的に高いマージンを取られ続けます。
この記事を参考に賢くエージェントを活用してください。