受託開発SEと社内SEってどっちがいいの? ~両方経験した私から言えること~

自己紹介

受託開発SE
あー・・・今回も納期がギリギリだっていうのに先方のシステム部は簡単に機能追加とか仕様変更とか依頼してくるし!
社内SEって羨ましいなぁ・・・自分たちに丸投げしとけばいいんだから・・・
受託開発のSEをされている方は、上のようなことを考えることって結構あるんじゃないでしょうか?

今はとある会社で社内SEをしている私ですが、受託開発を請け負ってる時は社内SEって本当に羨ましい!と考えながら仕事してました・・・

社内SEとなってから数年、今だから思う受託開発SEとしてのメリットだったり、やっぱり社内SEの方が有利だと思える点だったりを赤裸々に語っていこうと思います!

まずは、簡単に自己紹介から

専門学校卒業後、20人程度の小さなシステム開発会社に就職した私、入った会社は小規模の会社としては珍しくエンドユーザからの直受け案件を多く抱える会社でした。

結果として私はSESで出向などという事はほとんど経験せず、まずは先輩がお客様のもとに訪問し、決めてきた仕様を元に開発を進め
慣れてくると自分自身もお客様のもとに向かい、基本設計や詳細設計を行い、チームで開発を進めるなど、上流工程から下流行程までをしっかりと経験することが出来ました。

そんな働き方を10年続け、今は社内SEとして社内システムの管理や、簡単なシステムを内製で作成するという業務に従事しています。

受託開発SEから社内SEに転職した理由も含めて書いていますので、転職を考えておられる方はぜひ参考にしてくださいね

受託開発SEと社内SEの違いって?

受託開発SEの良いところ、悪いところ


受託開発SEでは、システム開発の醍醐味である要件定義・基本設計・詳細設計・開発すべてにおいて行うことができます。

社内SEだと、どうしても基本設計以降は外部ベンダーに任せることが多く、開発をするのは我々の仕事ではないという事になりがちです。
プログラムを作るのが好きな人は、社内SEになってしまうとやりたいことが出来ないという事になってしまうと思われます。

ただ、やはり顧客からの無茶ぶりなどで残業が多くなってしまうことが多いというのがあります。
何よりシステム開発は、発注側がシステム開発の事をよく分かっていないことが多いです。

今更そんなこと言われてもどうしようもない!という事を、全く悪気なく言われることがあります。

この悪気がないというところが問題で、大変なことを分かっていてそれでも行ってくるお客さんの場合、きちんと説明して意見交換することが可能なのですが
全然わかっていない場合は

エンジニア
その仕様変更は、今からだとどうしても間に合いません!
お客さん
え?でもここをちょっとこんな感じに変えるだけだよ?
なんで間に合わないの?
エンジニア
この部分はすでに開発が終わっておりまして、しかもここを変えると後続のシステム全てに影響が~
お客さん
なんか難しいこと色々並べてるけど、結局やりたくないだけでしょ?
ちょっと変えるだけなんだからそれくらいやってよ!
みたいな堂々巡りになってしまいます・・・
ただ、やはり作成したシステムに対して”自分が作ったんだ”という意識が強くなりますので、出来上がった仕組みがお客さんに喜んで使っていただいた時の喜びはめちゃくちゃ大きいです。
これは社内SEだと中々感じにくいところですね。

受託開発SEで身につくスキル


単純に言えばシステム開発における全般的な知識が身につくことになります。

社内でどこまでの仕事を任せてもらえるかにもよりますが、一人である程度のシステムが身につくようになるのではないでしょうか

私はオープン系のチームにいましたので
VB.NET、C#.NETを始めとしたプログラミング技術
また要件定義・基本設計・詳細設計・テストの進め方や管理手法などを身に着けました。

特に要件定義等の上流工程で得たスキルは社内SEに転職した後でも非常に役に立っています。

社内SEの良いところ、悪いところ


社内SEだと基本的にシステム開発のすべてにかかわることはありません。

他部署からのヒアリングでどのようなシステムが必要なのかを定義する要件定義が中心となります。
その後は外部ベンダーに任せることが多いです。

なので、システムをゴリゴリ作りたい!という人よりは、色んな部署の人と関わって、会社のシステムをより良くする!という企画的な仕事に魅力を感じている方にお勧めできます。

後は、やはり社内同士という事であまり無茶ぶりして残業過多になると問題となるため、残業も比較的少なくなる傾向になります。
ちなみに私は受託開発時、80時間や100時間の残業を経験しましたが、社内SEでは多く残業しても30時間程度です。
どちらが楽という事は無い、と言いたいですが肉体的な負担で言えば、確実に社内SEの方が健全で楽だと言えます。

ただし、精神的にという点では微妙なところです。
社内SEでネックとなってくるのがこの部分で、自分自身がシステムのすべてに干渉できるわけでは無いので、トラブルが起こった時には外部ベンダーに任せざるを得ません。

例えば、今日中に直らないと会社に多大な損害を与えてしまう障害だったしても、外部ベンダーにお願いする事しか出来ないのです。
そんな中、外部ベンダーが頼りにならないような状態になった時、自分では何も手出しできないストレスは非常に大きいです。

また、開発会社であれば自社の人間はすべてシステムについてきちんと知識がある人しかいないのでいいのですが
社内SEだと他部署の人はシステムに対して素人です。

社内調整や、社内政治をうまく渡り合っていく必要がありますので
とにかく自分はひたすら開発をしていたいんだ・・・
という人には地獄のような環境なんじゃないかなと思います。

社内SEで身につくスキル


受託開発SEでも身に付きますが、上流工程の技術は習得できます。

ただ、社内SEだと中途採用が多いので、習得を待ってもらえるというよりは
元々そういったスキルを持っておく必要があるかな?とは感じますね

社内SEとして身につくスキルで独特なものとしては
システムをうまく乗せるための社内調整や根回しの技術とかですね。

後はプレゼンテーション能力は受託開発SE以上に必要となります。
PCの電源の付け方もわからないような人に説明することも多いですから・・・

結局どっちがいいの?


これは正直、自分はどのように働きたいかという事に尽きると思っています。

隣の芝は青いという言葉もありますが、それ以前に受託開発SEと社内SEは仕事のあり方が根本的に異なります。

受託開発SEだと開発しているシステム自体が商品で、開発そのものの利益で会社に貢献するのが目的となりますが
社内SEだと導入したシステムを社員や顧客に利用してもらう事で、経費削減・売上向上につなげるのが目的で、システム自体は手段でしかありません。

自分自身は受託開発SE時代、本当は顧客にこういったシステムを導入すればより良くなるのに!と思いつつも自社の利益向上のため提案を控えざるを得ないこともあり
もう少し顧客側に寄り添って働きたい!という希望があったため、社内SEに転職しました。

結果的には自分に合っていたと思っていますが、一緒に働いていた技術者の人たちすべてが社内SEになれば幸せになれるのに・・・とは思えないです。

また、社内SEは新卒でなるのは中々難しい職種です。

受託開発SEをやりながら、ゆっくりと自分が行きたい道を探していくのも良いんじゃないでしょうか。

大事なのは流されて働くことではなく、自分がどういった働き方をしたいのか、常に考えながら今を働くという事ですね!

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