
テスターはプログラミングの知識や経験を必要としないため、未経験者でも採用している企業があります。
テスターという仕事は、未経験の人にとって、IT企業への良い入り口です。
この記事を書いている私は40代前半で、全くの未経験からテスターとしてIT企業に入社し、その後、プログラマーに転向しました。私自身のステップアップの経験を交えて書いていきます。
テスターとは


テスターのお仕事
どんな製品も、実際のユーザーが使う前に念入りにテストを行います。テストせずに使い始めると、想定通りに動かなかったり、重大なエラーが起きたりしてしまいます。
テスターの仕事は製品の動作を確認したり、エラーが起きないかをチェックすることです。
システムエンジニアが製品の仕様を決め、プログラマーがそれをもとに製品を作ります。作られた製品が仕様通りに動くかどうかのテストのため、テストエンジニアがテスト計画書・テスト仕様書を作成します。テスターは実際のテスト作業を実施する人です。
ただ、中小企業などでは、テストエンジニアという立場の人がいない場合もあります。私が働いていた会社ではプログラマーやシステムエンジニアからテストの作業指示がありました。
テスターのメリット
では、テスターのメリットとはなんでしょうか。
未経験・初心者でも受け入れてくれる会社がある
未経験者を受け入れてくれるIT企業はなかなかありません。特に、30代、40代になってからIT企業に転職しようとすると、未経験でいきなりプログラマーになるのは難しいのが現実です。
その点、テスターは基本的なパソコンスキルがあれば採用してくれる会社があります。
私も40代前半で、それまでITとは違う仕事をしていましたが、ワード、エクセルなどの基本的なスキルのみでテスターとして採用されました。
IT業界がどのようなものか見てみたい、という人にも、テスターという仕事は良い入り口になると思います。
プログラマーへのステップになる
同じ会社でテスターとして働きながら、プログラミングに興味があることをアピールしておけば、プログラマーに転向させてくれる場合もあります。
テストの作業を通じてその会社の製品に詳しくなっておくと、どんな製品を作っているのかの基礎知識ができるので、同じ社内でプログラマーに転向した時に有利です。
テスターのデメリット

テスターになるのは敷居が低く、その後のステップアップものぞめます。
ですが、その反面、デメリットもあります。
単価が安い
テスターは、作業が簡単なだけあって、アルバイトやパートが多く、時給は安いです。
時給で言うとコンビニのバイトや、他の事務とたいして変わらない場合もあります。
作業が単調
画面での入力の繰り返し、同じ作業を何度も行うなど、作業が単調でつまらなく感じることがあります。
人から言われたことだけをやる、というのが好きな人には向いていますが、クリエイティブなことをやりたい!という人には向いていないかもしれません。
テスターからプログラマーにステップアップする2つの方法

はい。私もテスターとして入社し、プログラマーに転向しました。
とはいえ、ただテスターとしてぼーっと仕事をしているだけではステップアップはできません。私が実践した方法をお教えします。
対象のプログラミング言語を学ぶ
私がいた会社はウェブアプリを作っていました。プログラミングの基本をオンラインスクールなどで学び、テスト作業の合間にもソースコードを見たりしました。
テストでエラーが出た時は、プログラマーの人にソースコードのどの部分がエラーを起こしているのかを説明してもらったりして、プログラマーになりたいという意思を伝えていました。
コミュニケーションスキルを磨く

テスト作業をする上で、プログラマーやシステムエンジニアの人とうまくコミュニケーションを取ることはとても重要です。
プログラマーの人や、また、その会社の経営者にも、将来的にプログラミングをやりたい!という気持ちを常にアピールしていました。
そのおかげで、新入社員のプログラミングの研修を始めるタイミングで一緒に研修に参加させてもらうことができ、今はOJTの仕事をしつつ、プログラマーとしての一歩を踏み出しています。
テスターの将来性

事務職としても魅力的
IT業界に興味があるのであれば、入り口として入りやすく、また、その業界を垣間見ることができるので、テスターとして入社するのはオススメです。
また、単純な事務作業とはいえ、周りにITに詳しい人も多く、PC全般やエクセルなどのスキルも身につくので、事務職としても魅力的です。
将来的にITエンジニアとしてやっていくのであれば、自分で目標を立てて実行していくべき
ずっとテスターとして働くのか、プログラマーやエンジニアに転向するのか、まずは自分で目標を決めると良いでしょう。
もしITエンジニアに転向したいのであれば、ただ与えられたテスト作業を行うだけではなく、対象のプログラム言語を学んだり、開発をしたいという気持ちをアピールするのも重要です。
ぜひ、テスターとしてIT業界での仕事の第一歩をふみ出し、そこからどんどんステップアップして、ITエンジニアを目指しましょう!