
IT系の仕事が人気ですが、IT系の仕事となるとプログラミングとCADを扱う仕事がありますね。
どちらも、パソコンの前に向かっている時間が多く、また、女性も活躍している業種の一つです。
IT系の需要が高まっているところですが、どちらの方が将来性があるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
プログラミングとCADを扱う仕事

プログラミングとCADの違いとは何でしょう。
両方の職種とも、1日中パソコンを使用して仕事をする、デスクワークの仕事です。
しかし、両者の間には決定的な違いがあるので、それぞれの仕事内容と役割と、それぞれの分野の需要について見ていきましょう。
プログラミングの仕事とは

プログラミングをする仕事が、プログラマーです。
プログラミングとは、エンジニアが作成した仕様書を元にプログラマーがプログラミング言語を組み込んで行くことを言います。
仕様書が雑誌などに付けるトレンドのあるタイトルと考え、プログラミング言語が雑誌の中身と考えてください。
エンジニアが付けたタイトルに沿って、プログラマーが雑誌を作っていくことになります。
普段使っているiPhoneのアプリなどを作っているのが、プログラマーのお仕事です。
iPhoneアプリ以外にも、Webサイトの構築や家電などを動かすリモコンなどを作るのにも携わります。
プログラマーに必要な資格とスキルは

プログラマーの世界にも資格があります。
例えば、PHP技術者認定試験や基本情報技術者試験など、国家試験から民間試験まで幅広い資格・試験があります。
しかし、プログラマーとして仕事をしていくうえで必要なことは、資格などより実務経験の方が必要になります。
資格自体は、就職する時にアピールをすることができますが、プログラマーの会社や仕事を始めるのに資格は必要ないので、実務経験が多い方がそれだけ就職や実務にも有利になります。
資格以外で必要なスキルがあります。
それは、
- コミュニケーション能力
- ライティング能力
- マネージメント能力
- 学習意欲
- 英語の語学能力
- 継続していく意欲
です。
社会人として必要な能力も入っていますが、プログラマーの世界でも必要なスキルです。
少し見てみましょう。
コミュニケーション能力

プログラマーの仕事は、基本的にチーム単位で動いていくことが多く、それは、フリーランスで活躍する人にも共通することです。
対外的なコミュニケーション能力として、クライアントから必要な情報を正確に聞き出したり、こちらの要望を出したりする必要は必ず発生します。
そして、内向的としては、チームとして動いていくことになるので、クライアントからの要望を正確に伝えたり、自分の進捗具合などを連絡したりする必要があります。
手戻り作業などが発生しないようにするためにも、コミュニケーション能力が必要になります。
ライティング能力

先ほどの、コミュニケーション能力にも関わってきますが、ライティング能力も必要なスキルです。
クライアントからの要望などを正確に聞き出し、メンバーに必要な情報を伝えたり、フリーランスの人だと、相手の都合に合わせ、少ない会話の回数で必要な情報を聞き出したりする必要があります。
なので、ライティング能力も必要なスキルになります。
チャットアプリが広まっていますが、チャットだからこそ、短い文面と少ない会話回数で必要な情報を聞き出す能力が求められます。
マネージメント能力

チームで動いている場合、必要な能力がマネージメント能力です。
個々で動いている人の進捗状況などを正確に把握して、修正などを指示したり、プロジェクト全体を把握し、仕事をスムーズに進めていくために必要な能力です。
また、プログラマーの世界は離職率が高く、実務経験が長い人が求められ、そのような人はプロジェクトマネージャなどの役割をすることが多いです。
なので、実務経験があり、マネージメント能力がある人は企業が求めている人材です。
学習意欲

プログラマーの世界は、常に技術が出てきます。
この場合の技術は、プログラミング言語のことです。
流行り廃りが早く、iPhoneが出始めてすぐにSwiftと呼ばれる言語も流行り始めました。
iPhoneなどで動作するアプリを開発するためには、Swiftでしか作成することができず、そのため、Swiftを覚えていないとiOSアプリを作ることはできません。
それまで、フィーチャーフォン向けのアプリを作成していた企業は、いち早くこの言語を覚えないと業種転換が必要になったりしました。
企業に所属している人は、その企業が新たなサービスに参入する場合、そのサービスに合った新しい言語を学んでいく必要があり、このことができない人は取り残されてしまいます。
なので、常に新しいことを覚えて行くことが必要になります。
また、プログラミング言語を多く使える人は、それだけ自分自身に付加価値を付けることができます。
英語の語学能力

プログラミングは、英語の頭文字などを取ったショートコードと呼ばれるものを使ったり、英単語をコードとして使ったりします。
なので、英語が出来る方が単語の意味が分かるので、コードの組み込みをしやすくなります。
また、英語ができると、海外のソーシャルサイトを使い仕事を受注することもできるので、英語を使える方が、仕事をもらえる範囲も広がっていきます。
必須ではないですが、時間があれば一緒に覚えていきましょう。
継続していく能力

プログラマーの世界は、ひたすら確認と修正を行っていく世界です。
スマートフォンの普及で、パソコンだけではなくスマートフォンにも対応していることが求められます。
パソコンで確認をし、スマートフォンでも正しく表示されているか確認したり、サイトの更新のため、ロゴの一部だけを書き換えたりと地味な作業の連続と言えるでしょう。
例えば、ロゴに10%Offなどとひたすら追加していくこともあり、この作業だけで1日かかる場合もあります。
1日の積み重ねで、一つの物を作っていくので地味な作業を継続していく能力が必要です。
CADとは

CADを使う仕事には、CAD設計士(技術者)とCADオペレーターがあります。
不動産屋さんなどで、家の間取り図や注文住宅などのイメージ図を見たことがあるのではないでしょうか。
CAD設計士の仕事は、その、間取り図や完成イメージ図を作るのも仕事です。
例えば家を作るとしましょう。
家を作るための図面が必ず必要になりますよね。
家の図面を作るためには、その用地の広さ、形、使用する材料や法律など様々な要素が関わってきます。
そのような様々な要素を組み合わせて図面を作っていき、お願いされた要望に沿うような形の家の図面を作り、図面の中に材料や材用の長さ、道路から家の壁までの距離など必要な情報を全て書き込んでいきます。
CAD設計士の世界は、CADだけを操作できればいいのではなく、家なら家の法律や材料の強度など、その物を作るために必要な要素全てを知っている必要があります。
なので、一つの仕事を行うためにいくつものことを覚えて行く必要があります。
また、単純にCADだけを使う仕事もありますが、それが、CADオペレーターです。
CADオペレーターは、女性が多く活躍しています。
CADだけを使う仕事の場合、業種に関係なく仕事を行えますが、その場合、アルバイトや派遣などと限られていて、単純なCADオペレーターの正社員はほぼありません。
また、その業種に深くかかわることもなく、元の物が既にできていて、修正の発生に応じて指示された通りに修正していくだけになります。
どちらかと言うと、単純作業の傾向が強く、年収も低くなっています。
また、事務作業などの雑務も伴ってきます。
この記事では、CAD設計士に関して紹介していきます。
CAD設計士に必要なスキルと資格

CAD設計士の世界にも資格はあります。
資格は、CADオペレーターと共通の資格です。
例えば、建築CAD検定試験やCAD利用技術者試験など様々な資格があります。
ただし、これらの資格は民間のだけで、新卒採用の試験などではCADの基礎を知っていることをアピールすることはできますが、採用自体に影響することは少ないです。
また、CAD設計士自体は、資格がなくてもできるのでCADの資格よりも、その業種で必要な資格を取得している方が採用と仕事をもらえることに繋がっていきます。
例えば、建築系のCAD設計士の場合は、建築系なので1級、2級建築士など、その業種に関わる資格が求められます。
では、CAD設計士に必要な資格以外のスキルとは何でしょう。
それは、
- 学習意欲
- マネージメント能力
- 継続していく能力
です。
プログラマー同様、社会人として必要な能力もありますが、CAD設計士の世界でも必要な能力です。
少し見ていきましょう。
学習意欲

CADオペレーターの世界は、CAD自体の流行り廃りはありませんが、その代わりに、設計するものに応じた知識が必要になります。
道路を設計する場合は、道路の法律や道路勾配など、家を建てる場合は、建築基準法や材料に関することなど、目的のものに応じた知識が必要になります。
なので、初めてやるものや、分からないものを積極的に調べて行く必要があります。
また、派遣で仕事をする場合、派遣先の企業や役所などによって使用しているCADが異なるので、派遣先で使用しているCADを扱える必要もあります。
マネージメント能力

設計は、行う期間が決まっていて、期間内でクライアントから必要な情報を聞き出したり、設計に必要な現地調査や材料などの情報を集めたりするので、全体的な管理を行うことが必要になってきます。
また、作るモノの規模にもよりますが、どの業種の設計でも基本的に少人数か1人で行う場合が多いので、組織的なマネージメント能力よりも、1人あたりの仕事を自己管理する能力が求められます。
また、必要に応じて、設計期間の延長などの交渉も行うので、自分で予定を組んで仕事を管理しながら進めていく能力が必要になります。
集中力

CAD設計士の世界は、クライアントからの要望に応じて、大幅な変更や細かい修正などが頻繁に発生する仕事です。
また、ミスが発生しないように図面の隅から隅まで確認したり、現場で作業している人たちの状況に合わせて、その状況に合わせた情報を反映させたりします。
細かな修正が多くあるので集中して作業をし、一つ一つ丁寧に作業をしていく人が求められます。
プログラマーとCAD設計士の将来性

プログラマーの世界も、CAD設計士の世界も高齢化が進んでいます。
なので、若い人材が求められ、一度入社すれば続けていくことができる業種です。
また、それぞれの業種でも技術的に新しい技術が出てきています。
プログラマーの世界はAI開発や自動車の自動運転化技術など、CAD設計士の世界は、3Dプリンターやドローンを使用した情報採取など様々な分野に分かれて、需要は拡大して行きます。
では、どの分野の需要が拡大していくのか少し見ていきましょう。
プログラマーの需要のある分野

プログラマーの世界で、需要がある分野は、
- 機械学習
- AI開発
- IOT
- クラウドサービス
- アプリケーション開発・導入
です。
人とモノをつなげていくことが、これからはますます活発になっていきます。
機械学習は、自動車の自動運転技術や防犯システムなど、より多くの業種に関わっていき、AI開発は、アメリカだと金融システムにAIを導入していますが、他の分野でも活用することが増えていくでしょう。
また、IOTはモノとインターネットと呼ばれ、その名の通り、モノ同士をインターネット上で繋げる技術のことで、クラウドサービスやアプリケーション開発とも繋がっていきます。
どれの分野も今後、需要が高まっていく分野です。
詳しくは、他の記事で書いてあるのでそちらを参照してください。
CAD設計士の需要のある分野

CAD設計士の需要のある分野は
- 3DCAD
- 3Dプリンター
です。
少し見ていきましょう。
3DCAD

現在の主流のCADはAutoCADですが、3Dではなく、2DCADを使用しているところが多いのが現状です。
最近のAutoCADには、標準で3DCADも入ってはいるのですが、多くの分野で未だに2DCADの方が主流になっています。
しかし、建設業界を例に出すと、国土交通省が主導で進めているi-Construction/CIMと言うプロジェクトがあります。
建設業の生産性を改革するプロジェクトの一つで、3DCADを使用して図面を作成し、ドローンなどから採取した情報を図面に書き込んでいき、より立体的で分かりやすい図面と現場状況を作っていく技術です。
国土交通省は、i-Construction/CIMの導入を推進しているので、3DCADを扱える技術者の需要は今後も伸びていくでしょう。
また、3DCADは建設業以外にも、機械設備や航空業界など幅広い分野で取り扱われているので、2DCADだけではなく、3DCADを扱えるだけでも仕事の幅は広がっていきます。
3Dプリンター

年号を令和に変更する時に、テレビで3Dプリンターを使った令和グッズを作っている報道がありましたね。
3Dプリンターはその名の通り、2D印刷するのではなく、3Dでモノを作り出す機械です。
3Dプリンターの中に、インクの代わりに3Dで作りたいモノの材料をセットし、3DCADなどで作られた図面をもとに3Dプリンターがその場で、3次元のモノを作ってくれる機械です。
小さなもので言えばフィギュアや家の模型などを作ることができ、大きいプリンターを使用すれば、より大きなモノも作ることができます。
3Dプリンターの技術特許が切れ、3Dプリンターの低価格化が始まっていて、今後規模の小さな会社でも3Dプリンターを使用したモノ作りが行えるので、今後の需要が高まっていくでしょう。
そして、3Dプリンターでモノを作るためには、3DCADは欠かせない存在なので、3DCADを使えるCAD設計士(技術者)の需要も今後も高まっていくでしょう。
プログラマーとCAD技術者(設計士・オペレーター)の収入は

プログラマーとCAD技術者(技術者とオペレーター両方紹介します)、どちらの方が収入がいいのでしょう。
どちらの業種も正社員から派遣、アルバイトや契約社員などの就業体系があり、年収もそれぞれで違ってきます。
では、それぞれどれくらいの年収があるのか簡単にまとめると、
プログラマー | CAD設計士 | CADオペレーター | |
正社員 | 300万~700万円 | 300万~800万円 | 200万~400万円 |
派遣 | 300万~700万円 | 300万~600万円 | 300万~400万円 |
アルバイト・パート | 150万~400万円 | – | 150万~300万円 |
契約社員 | 300万~700万円 | 300万~600万円 | 150万~400万円 |
フリーランス | 300万~700万円 | 200万~800万円 | 150万~400万円 |
です。
少し見ていきましょう。
プログラマーの年収について

まず、プログラマーについてですが、使用するプログラミング言語で年収が大きく変わっていて、プログラミング言語を多く使えれば使えるほど年収アップも行えます。
それは、アルバイトでも、正社員でも、派遣社員でも変わらないことです。
なので、自分に付加価値を付けていくことが必要です。
また、企業が自社でアプリなどを作っていたり、大規模インフラシステムに関わっていたりすれば、それだけ年収アップと収入の安定が図ることができます。
それ以外の会社では、技術力がないと年収が頭打ちになっていく傾向が強く、年収をさらに上げるためには、プロジェクトマネージャーなどの役職を目指して行かないと上がることはできません。
ただ、技術力があれば、ある程度自力で仕事を請け負うこともできます。
なので、人との交流を活発に行うことで、新しい仕事をもらえる機会が増えていきます。
フリーランスで活動し、継続的に仕事がもらえれば、年収1000万円も不可能ではないです。
CAD技術者(設計士・オペレーター)の年収

CADの世界は、建設、機械、電気設備、航空業界の会社など、その業種によって多少年収が異なっています。
基本的に年収が多いのが、CAD設計士です。
CADだけではなく、モノを作ることに一から関わっていく仕事で、CAD以外も使える必要があるので年収が高い傾向にあります。
また、建築系の設計士なら建築士の資格など、資格次第でもらえる仕事の量も変わっってくるので、ぜひ、その業種の資格も取りましょう。
また、基本的に、資格を持っていれば、年収も上がっていきます。
しかし、年収1000万円を目指すのであれば、部長クラスやプロジェクトマネージャなどの役職を目指す必要があります。
次に、CADオペレーターですが、設計士ほど深く関わっていく仕事ではないので、年収は低い傾向にあります。
女性の社員や主婦のアルバイトなどの人が多く、単価的が安めに設定がされているので、年収を気にするのでしたら、設計士を目指しましょう。
ただ、就業時間にこだわるのなら、CADオペレーターもありだと思います。
繁忙期になると、多少の残業が出てきますが、比較的に残業が少なく定時退社も可能になります。
プログラミングとCADの将来性は?

結論を言うと、プログラミングとCADどちらも将来性はあります。
分野ごと関わってくる部分で、常に新しい技術が出て来ているので、どちらも将来性のある仕事です。
しかし、どちらの仕事も、ただ単にプログラミングが行えたり、CADが使えたりするだけではなく、それぞれに関わってくる分野の知識と技術がなければ仕事をすることは難しいです。
なので、常に新しいことを覚えたり、知らないことが出てきた場合は、それを調べて行くことが必要となります。
また、どちらの仕事もやることを分かっていて、ある程度の技術力さえあれば、独立したり、フリーランスとして活動してくこともできるので、選択の自由度が高い業種と言えるでしょう。