





正社員プログラマーになれば、生活は安定

まず、正社員プログラマーとしてIT企業に入社した場合です。
正社員として働いた場合の平均年収ですが、年齢別に見ていくと20代前半は約300万円・後半は約380万円・30代前半では約420万円・後半は約450万円となっています。
ただこれは、正社員としてその会社で何らかの業務をした対価としての給料で、単純にプログラマの仕事としての給料ではないという場合もあります。
つまり、IT企業の社員になるということは、プログラミング(コーディング)以外の業務をすることもありますし、当然勤務年数が増えてくれば後輩の育成など、雑多な業務が増えてくるということでもあるのです。
正社員のメリット

それでも、正社員として働く一番のメリットは、生活の安定です。
月々一定の収入を貰えるため、収入面では確かに安定しています。
福利厚生面で、社会保険や雇用保険・厚生年金をはじめ様々な恩恵を受けることができるのも、正社員ならではのメリットです。
そして、同じ職場で働き続ければ、昇給や昇進もあり収入面でもっと安定します。
また、もうひとつのメリットとしては、正社員は育成してもらえるという点が挙げられます。
このあと説明する、派遣社員・SES・業務委託、こういった働き方では、即戦力以外は門前払いで、相手にもされません。
しかし、正社員として雇った企業としては、その人達に会社をもり立ててもらわなくてはなりません。。
そして会社のためにより貢献してもらうために、社員を育成することにも力を入れます。
そのため正社員として入社すれば、3年後・5年後を見越して研修をさせてもらったり、会社のお金でセミナーに参加できたりするというメリットを享受できるのです。
他業種にいる人がプログラマーを目指そうとして、個人でIT関連のセミナーや研修に参加するとなると、大変な投資資金が必要です。
しかし、最初からIT企業に正社員として就職していれば、それらはすべて会社持ちで自分のスキルアップにつなげることもできるのです。
正社員のデメリット

先ほど述べたように、正社員として働くということは、その会社の社員として必要とされる業務をこなすということです。
ですので、配属される部署によっては、それは当初の目的であるプログラマーという業務ではないかもしれないのです。
また、プログラマーとしての業務に専念できたとしても、その会社独自のシステム設計で一般的ではないものである可能性もあります。
そしてもっと困るのは、時代錯誤のような古いプログラム言語だったり、そして何より自分がやりたい言語ではなくやりがいが起きない場合などもあります。
つまりこの場合のデメリットとは、あなたがプログラマーという職種にこだわるかどうかなのです。
「せっかくプログラマーとして入社したのに、全くスキルアップが出来ない。」と思うかどうか、ということですね。
さらに、一口に正社員といってもその勤め先によって、メガベンチャーから零細ベンチャーまで様々です。
それによっては、高年収をいただけるか、それとも最低賃金に近い年収なのかということにもなります。
そしてそうした零細ベンチャーに限って、サービス残業当たり前・休日出勤も当たり前というようなブラック企業である場合も多いのです。
一概に正社員なら安定というわけでもなく、会社選びを間違えると神経をすり減らして、病気退社ということもありえます。
そして最も厄介なのが、簡単にやめられないということです。
派遣や業務委託は、ハズレの現場を引いても3か月我慢すれば大丈夫です。
しかし正社員は、先ほどメリットのところでも言いました育成コストがかかっています。
しかも、毎月の個人にかかる人件費の中でも、福利厚生の半分は会社持ちですので、会社としての個人に対する投資という側面もあるのです。
そのため、そう簡単にやめてもらっては困るのです。
昨今、世の中で社畜という言葉が流行っていますが、まさしくそうなってしまう危険性もないとは言えません。
アルバイトからの正社員採用

実務経験がない場合は、新卒として入社するのが一般的ですが、学生時代からアルバイトとして働き卒業したら改めて正社員として入社する、というルートもあるのです。
その場合は、実務経験を加味して多少給料が違うかもしれません。
ただ、会社がアルバイトを正社員として雇うかどうかは、ある程度の条件が必要でしょう。
例えば
・コミュニケーション能力が高い
・勤続年数がある程度ある
・高い能力や社内にないスキルを持っている
などがあれば、その可能性も高いでしょう。
派遣プログラマーは、スキルアップのためと割り切ろう

派遣プログラマーの場合は、時給換算するのが普通です。
時給1500円〜3000円が相場です。
実際に何時間働いて月いくらになるかは、その都度計算しなくてはいけません。
派遣プログラマーとは、仕事を紹介する派遣会社に登録して、職場になる派遣先の会社に出勤することです。
派遣社員は、基本派遣会社の管理下にあるので、派遣先の会社でのトラブルや相談は派遣元が対応してくれます。
実際に働く会社内で言いにくいことがあれば、登録先である派遣会社の営業担当が動いてくれるので、正社員として勤めるよりは気が楽ではあります。
そうしてことから、登録会社と相談して自分にあう職場を、ある程度選べることもメリットではあります。
しかし福利厚生に関しては、期待しないほうがいいでしょう。
正社員のような手厚い恩恵はまずありません。
あっても、ほとんど最低限の雇用保険と社会保険程度でしょう。
また派遣契約の場合、1つの案件ごとに現場が変わっていきます。
そのため、現在のスキルで成果物を出せる仕事を次々と受けることになります。
そうしたことにより、キャリアアップやスキルアップが難しくなって、単なる使い捨て状態になってしまう可能性もあります。
SESプログラマー

派遣会社とよく混同される働き方に、SES事業会社というものがあります。
これは、SES(システム・エンジニアリング・サービス)契約プログラマーとして雇用してもらうというものです。
そしてクライアントとの契約方法は、派遣・請負とは違い準委任契約となります。
準委任契約とは、特定の業務を行う企業に対して技術者を派遣してその企業に常駐させて、エンジニアの技術を活かす業務を行うという契約です。
その違いは、
クライアントの指揮命令のもと作業する労働力を雇用して提供する会社。
業務指示(残業・休日出勤等)はクライアントがする。
業務成果に対して、責任はない。
雇用者をクライアントに派遣して、SEの技術を提供する会社。
業務指示はSESがする。
業務成果に対して、責任はない。
クライアントから完成を目的とした依頼を受け、成果物を納品する会社。
業務成果が必須。
事業会社に登録して働いた場合の年収は、およそ370万〜780万くらいで、平均月額給与は25万円〜60万円です。
ただ、こうした会社で働く場合も、使い捨ての危険はあります。
しかし、派遣よりは長く一つの案件に携わるという利点もあります。
そこで、ある程度割り切ってエンジニアとしてステップアップするための修行期間として考える、という手もあります。
SESで働くメリット・デメリット

メリットとしては未経験でも入りやすいのと、企業によっては研修があるという点です。
しかしSESは、正社員と派遣社員の悪いところ取りをしたような働き方です。
まず、会社命令で現場に行くので、現場は選べません。
しかも、テストだけの現場もあり全くスキルアップが出来ません。
そしてSESの正社員となっていますので簡単には辞められません。
むりに辞めようとすると、契約期間を盾に引き止められてしまうのです。
なにより、一般の正社員より給料が低いのです。
SESとは、こういったデメリットもいろいろある働き方なのです。

フリーランス・プログラマーで、ガッチリを目指せ

フリーランス(仕事を引き受ける都度、契約を結ぶという形態をとる請負)として個人で業務を請け負って、プログラマーとして生計を立てるという働き方もあります。
この形態には3つの方法があります。
1.フリーランスエージェント

営業から契約締結までの業務を、すべて代行する会社のことです。
希望案件の紹介・クライアント企業との面談同席・スキルシートや経歴書の添削・新規契約時の契約処理や請求書類作成の代行などを行います。
エージェントを使ったフリーランスは働き方は派遣社員やSESと全く同じです。
毎日同じ時間に会社に出勤する働き方です。
ただし、単価が全く違います。
月60万円~80万円の単価が平均で、3か月毎の更新が普通です。
しかし、給料ではなく売り上げなので、社会保険や交通費などは一切出ません。
フリーランス・エンジニアで検索してみるといろいろありますので、調べてみるのもいいでしょう。
ちなみに私のオススメは、最大大手のレバテックフリーランスです。
2.クラウドソーシング

また、クラウドソーシングサービス(ランサーズ・クラウドワークス等)を利用して実力をつけるという手もあります。
こういったサービスで仕事を受注するフリーランスは、在宅で働くことになります。
一見楽なように見えますが、プログラマーとしては単価が低いです。
ですので、メインで働く場所というよりは副業として捉えたほうがいいでしょう。
3.フル・フリーランス(個人事業主)

最後に一番ハードな、すべて自分一人で始めるフリーランスです。
つまり、企業に自分を売り込んで、個人で仕事を請け負うという働き方です。
この場合は、相当の実績と知名度・信用度がないと、まず門前払いです。
しかしこの場合の給料は、自分の技術力と営業力次第なのです。
そのため、自分に自身がありそれが認められれば、やりがいと収入アップは普通では得られないものです。

フリーランスのメリット

まず、毎日同じ時間拘束されるということから開放されます。
またプログラミングでは、Python(パイソン)などの言語やiOS・Androidなどの領域を選べたり、機械学習やAI(人工知能)などの職種を自由に選ぶことができます。
そのため、タイミングさえ掴むことができれば、トレンドな案件やニーズが高い案件を選び、高報酬を得ることができるのです。
正社員プログラマーの場合は、その会社で決められた言語や環境で開発をすることが多く、積極的にトレンドを追いかけて開発内容を変えていく事はありません。
そのため、フリーランスに比べて新しい言語の知識などのスキルは、なかなか得にくいことがあります。
当然知識が少ないということで、その分プログラマーとしては高収入になりにくいのです。
フリーランスであれば、やる気次第で環境を変えながら常にスキルを上げていくことは、可能なのです。
そして、それによって評価されれば年収1000万円も夢ではありません。
フリーランスのデメリット

フリーランスというと、聞こえはいいですが実際はいわゆる自由業です。
従って、自分でチャレンジした分高収入を狙える半面、福利厚生面での厚生年金やボーナスなどの恩恵は、当然ありません。
そして、会社員と違いクレジットカードなどの審査にも通りにくいのです。
また保険や年金の支払い、そして税金の申告も、すべて自分でしなくてはいけません。
フリーランスは実力の世界です。
クライアントに満足してもらえなければいつでも職を失うなど、生活の安定性などは求めるだけ無駄です。
そして、当然それなりのスキルを求められるわけですから、向上心はいつでも必要になります。
正社員のように、毎日同じ時間に出社して一定時間拘束されることがないということは、毎日のスケジュールや生活パターンも、当然自分自身でコントロールしなくてはならないということです。
「今日はだるいから一日遊んでよう」などと言っていたら、たちまち生活貧困者です。
まあそれは極端な言い方かもしれませんが、フリーランスという立場は、それくらいの気持ちが必要になってくるということです。
まとめ

正社員として新卒で入社して、コツコツ働けば生活の安定はあります。
一方フリーランスは、実力を付けさえすれば高収入を得られますし、やりがいもあるでしょう。
また、途中退職して独立という選択肢もあるでしょう。
要は、あなたが自分の人生において、どこに価値を見出すかですので、どちらがいいとも言えません。
単純に収入面の実績だけで見ると、継続的に案件さえあれば人に使われることのない、自由なフリーランスを目指したくなります。
そして、実績と経験が評価されるようになれば、年収1000万円も目指すことができるのがフリーランスです。
単純にプログラマーとして高収入を目指すのであれば、フリーランス一択です。
しかし、その分それ相応の覚悟も必要ですし、常にクライアントの要望に答えられる知識と技術などの実力が必要です。
そして何より、時代の変化に常にアンテナを張り続けることができる、精神力と向学心を持ち続けることが重要になります。
もしあなたにそうした心意気があれば、IT業界は慢性人手不足と言われるので、チャレンジしてみる価値はあります。
あなたは、どちらの道を選びますか?
それでは。