非IT企業にお勤めでプログラマーを目指したいけど自信が無いと言うあなたに、私の実体験をご紹介いたします。
結論から言うと、ツールレベルのプログラムなら誰でも出来ますし、あなたの置かれている環境を利用しないのは、もったいないです。
また、一つの選択肢として、転職せず今までの会社で、プログラマーを目指すのはどうでしょうか。
リスクが少ないうえ、あなたの付加価値が高まりますので、会社から見て価値が高いと見られる事が多いです。
この記事では、プログラマーと書いていますが、今まで経験した中小企業では、SEとプログラマーの区別はあまり無いように思えます。
食品企業でプログラマーを目指した実体験
今の職場で、プログラマーの技術を磨く事をお勧めします
理由1 業務の課題に絡ませると、プログラミングの習得が格段と早く上達します
あなたの今の職場で課題の一つや二つあると思います。プログラムのネタが尽きることはありません。
もしオフィスであれば、日報や帳票の出力や入力、製造現場であれば作業日報を記入してますね。
今、人の手で行っている事を、プログラムで行う事でコストメリットを出して見るのも良いでしょう。（人件費を表すのが、最もポピュラーですね）
プログラムを絡めた業務改善提案（カイゼン）を発表したり、実行したりすることで、あなたの評価も上がりますし、あなた自身の技の引き出しが豊富になります。
プログラムを完璧に覚えようとして、なかなか実戦での仕事に結びつかない読者さんも居られるようです。でしたら、いっそ実戦から入って、プログラムを覚えていく方が、はるかに効率が良いと思います。
理由2 気の知れた同僚なら、「相手の要望を聞き取るコミュニケーション能力」を磨きやすい
最初のお客様はあなた自身です。自分の便利ツールを作ってみてください。そうすることで、自分の業務処理能力が上がれば励みになります。
ただ、毎回あなた自身がお客様だと、自分が出来る範囲にとどまる恐れがあります。そしたら、次は気の知れた同僚をお客様にしましょう。
無理難題を吹っ掛けられる事もありますが、それが技術を高める促進剤になります。
しかし、ここは気心のしれた同僚、多少の妥協もしていただけるでしょう。
私が思うに、今の環境で同僚相手に”相手の要望を聞き取るコミュニケーション能力”を高めるのが良いかなあと思います。
普通の社員からプログラムの出来る社員へのステップアップ
普通の社員から、プログラムの出来る社員になると、非IT企業であればあるほどモテます。（残念ながらパソコンの出来ないおじさん達からですが）
私の体験から、ステップアップを見ていきたいと思います。
ちなみに私の場合は、ほとんど押しかけプログラマーですので、会社はスキル習得にお金は出してません。つまり会社として、1円もかけずに、プログラマーを一人雇えたことになります。（見ず知らずの人を雇うよりは、遥かにリスクが少ないです。）
もちろんほとんどの会社に申請すれば、スキルアップの費用は出してもらえると思います。私の場合は、時代がそういう時代であったので、上司に言って反対されるのがイヤで、最初は自費でスキル習得しました。
ステップ1 自分のルーチンワークを自動化
上でも書かせていただいていますが、自分の便利ツールを作り、ルーチンワークを自動化しました。
この時に使用した言語は、Delphiです。
最初に作成したツールは、日報のひな型をコピーしてその日に必要な内容を今日の日付に名前を変更して保存を掛けるものでした。
バッチファイルでも組めそうな内容でしたが、練習ということでDelphiで書いてます。
次に、食品の表示ラベルを編集するプログラムを書いて、人手が掛かる工程を少しずつプログラムに置き換えました。
当時、表示が製造日から賞味期限表示に変更になったことで、賞味期限の計算を、アイテム毎で自動計算をさせました。
ラベル発行ソフトというメーカーが用意してくれたソフトに、表示データを読み込ませるのですが、そのデータはテキストで書かなければなりませんでした。編集がメンドーだったのと、新婚旅行で長期不在になることで、他の社員でも編集できるようにと思い作りました。
こんな感じで、自分の仕事を時短化していくと、それに気が付いた同僚が、「なにしてんの」と寄ってきました。
ステップ2 同僚の為にツールを作成
私のプログラムに興味を持った同僚に話して、一つ作ってほしいと言ってきました。
私のスキルが無いのに無理難題を要求する鬼のような同僚。あなたのおかげで立派なプログラマーに育ちました。ありがとう。
そうこうしている内に、「あいつはプログラムが作れるぞ。」と言う評判が社内に広がり、兼務という形ですが、社内公認のプログラマーになった訳です。
ステップ3 現場装置を操作するプログラムを作成
そんな中、食品表示用の業務用プリンターが数機あり、これをコントロールする課題が与えられました。
これは、当時の私から見て非常にレベルの高いテーマでした。
結果として、何とか完成させて運用まで漕ぎつけました。
そうすると、全国の工場から仕事の依頼が寄せられるようになりました。
私が得意としているプログラムは、ここを見ている多くの皆さんとはなじみの少ないと思われます「製造ラインに特化したプログラム」です。
求人サイトやCWの案件を見ても、このような案件はほとんど見当たりませんが、実はこのような小さい規模のプログラムは企業では依頼するのが、難しいんだと思います。（今ではCW等で依頼する手段がありますが、ほとんどの企業はCWの存在を知らないか、頼み方を知らないと思います。）
なので社内プログラマーの需要は、潜在的に非常に多いのではと感じます。（IoTも普及し始めたしね）
今の職場で技術を磨く方法
今の職場にいる間に、技術を磨く方法について、書きたいと思います。
今、このページを見ておられる皆さんが未経験でプログラマーになりたいと思われている前提ですが、言語は何が良いかとか、どのような学習方法が良いかとかは、あえて外しております。それ以上に重要なことがあるからです。
ポイント1 問題意識を持つ事
ズバリ、ネタ拾いです。
問題点・改善点をより多く拾い出す能力を、今の職場で育てます。
そうすれば、あなたがプログラマーとして転職した時に多くの引き出しを持っていて、お客様に多くの提案が出来るようになります。
ポイント2 小さなプログラムを沢山作る事
ポイント３にも繋がることですが、短い時間でも毎日プログラムを作るには、ツールのような小さいプログラムを作るのが、自分の経験から良いような気がします。
テストプログラムみたいなものを、たくさん書いてみて、使いまわすようなことをしてました。
ポイント3 短い時間でも毎日プログラムを作ること
筋肉と同じで、毎日やっていれば、プログラムを書くことに苦痛を感じなくなります。
以前は、東京－大阪間の新幹線の中で、プログラムを1本書き上げました。
要は、書き慣れる事です。
あたしが振り返ってやっておけばよかったと思う事
振り返ると、あの時これをやっておけばと思うことがあります。
いくつかを紹介します。
後悔1 自分の業種について深く知っておけば良かった
○○分野に強いプログラマーとして、売り出すのは賢いやり方だと思いますが、知識が中途半端すぎたため、転職先で苦労しました。自分の持ち場以外も興味を持って知るべきだと痛感しました。
後悔2 現状調査のスキルを身に付けておけばよかった
実を言うと、現状分析の方法について教えてもらったのはつい最近です。
プログラムを作る前に「要件仕様書」というものを作るのですが、現状分析をしっかりやっておかないと、課題解決には程遠い仕様書になりかねません。
後悔3 人気のある言語を習得しておけば良かった
以前Delphiと言う開発環境・言語を使用していました。
実際良く出来た言語でしたが、今はマイナーな言語で、仕事依頼の案件がほとんどありません。
習得するなら、情報が豊富で仕事の案件も多い言語にした方が良いと思います。
今なら、C#,Pythonといったところでしょうか。
結論 今の環境を生かして、プログラムの技を磨きましょう
上に書いた記事で、特に重要と思う事をまとめさせていただきます。
非IT系企業でプログラムのキャリアパスを構築するには、
・まず、自分の仕事、同僚の仕事でプログラムのネタを見つけ、率先して作成する。そして、周りに「プログラマー、ここにあり！」と周知させる。
・徐々に、その範囲を広げて、社内で重要な案件を任されるように動く。
製造業であれば、業務改善や新規設備導入の際に、「こうしたらどうでしょうか。」と提案して、社内プロジェクトとして組み込ませる。
・日頃より、何事にも興味をもって知る事。自分の分野以外でも相談が相次ぐ事が良くあります。
いずれ、IT企業に転職するか独立してフリーランスになるかを考えている方も、自分の職場を練習台として技術をしっかり身に付けておきましょう。
BASIC,Cとプログラムの知識は学生の時からありましたが、プログラムのネタが見つからず、大きなプログラムの作成はありませんでした。
私は、20年前に会社でVisual dBASEというデータベースを導入したのを切っ掛けに、旧Borland社のDelphiという言語に出会いました。
その後会社のプログラムは、Delphiで作りました。
現在は、Delphiと同じ設計者が作ったC#をメインに、プログラム作成しています。