
今回はこのような疑問にお答えしたいと思います。
VBとは、マイクロソフト社が開発したプログラミング言語で、Visual Basicの略語です。
現在は「VB.NET」という名前で使われています。
主に、Windowsを使う企業での業務支援システムでの開発に使われることが多いです。
よく似た名前のVBA(Visual Basic for Applications)との違い・初心者スタートからの将来性について検証していきたいと思います。
VBはどのようなものに使われる!? 学習のメリットとデメリットを比較

VBではどのようなものが開発できる?「完成のイメージがしやすい」のがメリット

VBではマウスを使って画面のデザインをしなから、開発を進めていくのが特徴です。
具体的には、まず「フォーム」と呼ばれる完成画面のエリアに、ボタンやテキストボックスなどの画面を構成する部品を配置します。
その後、ボタン・テキスト入力があった時の操作を指示するためのプログラムを書いていきます。
他のプログラミング言語と比べると、文法として知っておかないといけないルールが少なく、完成のイメージがしやすいので、短期間でWindowsシステムの開発ができます。

上記のような入力画面がある業務システムの場合、画面そのもののデザイン・入力した時の動作のプログラム作成をVBで実現することができます。
動作としては、意図しない入力があった時にエラーメッセージを表示する・入力内容をシステム内のデータベースに登録する、などができます。
開発事例としては以下のようなものがあり、幅広い業界で業務の効率化に役立っています。
・生産管理システム(製造業)
・旅客船向け予約決済システム(旅行業)
・放送データ入力システム(サービス業)
・コールセンターシステム(金融業界)

複雑なシステムには対応できない。修正の時に手間がかかるのがデメリット

画面に部品を配置する方法で作成するので、配置する部品が多いものは画面に入りきらないこともあり、VBでは作成しにくいです。
また、画面のレイアウト修正の場合には、他の言語であればコードの修正だけで済みますが、VBの場合には部品を取り換える作業が発生するので手間がかかります。
大規模な業務システム開発の場合には、Androidアプリの開発でも使えるプログラミング「Java」が採用されることが多いです。
プログラマーが不足しているという現状、VBの案件がゼロになることは心配しなくてもよいです。
しかし、VBで実現できることには限界があるので、VBをマスターしたら次はJavaの勉強をするなど他の言語にチャレンジした方がよさそうです。

よく似た名前のVBAとは!? VBについて知るならVBAも知っておくと便利

VBAとは何? VBとは何が違う?


VBをベースに、ExcelやWord、Accessのマイクロソフトのアプリケーションで操作の自動化を実現するために独自に使われるプログラミング言語です。
VBやVBAはプログラムの完成イメージが掴みやすいこともあり、大規模システムで使われるJavaなどに比べると簡単に習得できるところは1つの魅力です。
VB = プログラムを動かすのにマイクロソフトのアプリケーションが不要
VBA = プログラムを動かすのにマイクロソフトのアプリケーションが必要
操作を自動化して制御する機能そのものを「マクロ」と呼びます。
マクロの作成方法として、
1. 通常の操作をしながら自動記録したマクロを実行する方法
2. VBAと呼ばれるプログラミング言語でコードを書いてマクロを作成し、実行する方法
の2通りがあります。
簡単な条件抽出や書式設定のレベルであれば、一度操作を自動記録させて登録すれば、後はマクロの実行を行うだけで操作が完了します。
VBAまで使えると、「ファイルやフォルダの作成や削除」や「インターネットからの情報自動取得」まで対応できて活用の幅が広がります。
学習の第一歩として、自動記録で作成したマクロのコードを参照することができるので、コードを見ながら理解を深めるのも良いでしょう。

VBAを知っておくメリット。こんな時に知識があると重宝される!

VBAを活用すると、手作業でやっている時間のかかることを自動化することが可能になります。
一番使用されている「Excel VBA」を例に挙げてみます。
初心者レベルでは、
・エクセルでのデータ集計
・エクセルでの請求書・報告書の作成
中級者レベルでは、
・エクセルでのグラフ作成
・エクセルファイルの一括作成
・エクセルでのアンケート集計画面の作成
上級者レベルでは、
・エクセルの情報をもとに、ワード・パワーポイントの資料を作成
・エクセルの情報をもとに、アウトルックのメール送信
・インターネットから情報収集し、エクセル資料に反映
挙げたのは一例ですが、他のマイクロソフトアプリケーションとの相性もよく、知っておくと社内の業務効率化に貢献できます。
VBAはIT業界に限らず、他の業界でも知っておくと役に立つスキルなので、他のプログラミングで挫折した方はVBAから始めるのもよいかもしれません。

VBのプログラマーに将来性はある!? VB・VBAを選択した後のキャリアプランを予想

VBを選択した場合のキャリアプランの予想

VBでよく使われる業務システムでは企業内のコスト削減化目的で導入することが多いです。
そのため古くからVBを採用したシステムを導入している企業であれば、開発実績を重視して、バージョンアップの時にもVBが使われるのが自然の流れとなります。
ただ、VBの案件は、他のJavaなどのプログラミング言語の案件よりは少ないのが実状です。
VBの開発スキルのみでVBの開発を行っている会社に入社できればよいですが、組込系やアプリ開発をメインで行っている会社に就職・転職するのは厳しいでしょう。
キャリアプランの方向性をしっかりと定めてから、VBを選択するかどうか判断しましょう。

VBAを選択した場合のキャリアプランの予想

最近では、RPAという「定型化された業務を自動化する技術」が世の中に普及し始めています。
ロボットのような自動化ソフトを動かしながら、定型化された業務を覚えさせる技術でマクロに似たようなものです。
VBAがマイクロソフトのアプリケーション操作に特化しているとすれば、RPAはアプリケーションを問わずに自動化できる技術と言えます。
RPAはよくプログラミングの知識不要でもできるという話も聞きますが、それは間違いです。
プログラムを書く工程が不要となるだけで、基礎となるプログラミングの考え方がないとRPAの対応はできないからです。
VBAとRPAはどちらも共通して「処理の効率化・自動化」を目的としていますので、ベースの知識としてVBAの知識は持っておくに越したことはありません。
RPAで使われる開発ツールは高額なものが多く、一般市民が自費で導入するのには難しいところがあります。
VBAであれば、WindowsのPCにエクセルやワードがインストールされていれば、すぐに学習できます。
将来、今後ますます普及することが見込まれる「RPAエンジニア」を目指すのであれば、VBAは習得しておくと役に立つでしょう。

初心者には学習しやすい言語だが、目指すものがあれば他の言語の選択を

VB・VBAは、完成イメージがわきやすいので、開発実績の多いC言語・Javaよりは初心者目線では学習しやすいため、独学でも挫折しにくいでしょう。
ただ、挫折しにくいからという理由で、時間に制約がある場合に学習言語として選択してしまうとかえって遠回りになることもあります。
その時間があれば、完璧でなくても他のプログラミング言語を学び、理解を深められるからです。
求人で、VB・VBAの案件を調べてみて、「こんな案件にチャレンジしてみたい」という明確な目的がない限り、選択しない方が無難です。
どの言語でも言えることですが、「〇〇をやりたい」という明確なゴールから、実現できるプログラミング言語を選択するのがプログラマーになる近道です。
他の記事も参考にしながら、あなたの目指すゴールを見つけてください。