

2020年から小学校でプログラミングの授業が必修になるということで、プログラミングに対する関心は高まってきているのではないでしょうか。
また、最近は人工知能などのAI技術も発達してきており、人間のやってきた仕事が機械の仕事へと変わっていくと言われています。
そんなプログラミングに興味はあるけれど、なんだか難しそうで手が出せない……。という中高生は多いと思います。
そこで、高等専門学校でプログラムを学んでいる筆者が、大学や専門学校との違いを中心に高等専門学校とは何かをお伝えしていきたいと思います。
プログラミングを学ぶ手段
それでは、中学校・高校を卒業してからプログラミングを本格的に学ぶ手段を見ていきましょう。
中学校卒業後

工業高校
普通高校と比べて専門的な内容を学ぶことができるのが特徴です。
しかし、学校によってはプログラミングの授業が選択のところもあるので注意が必要です。
高等専門学校
5年間かけて専門的な内容を広く学びます。
プログラミングを本格的に学びたいのであれば情報系学科に入る必要があります。
高校卒業後

大学
高校を卒業後、理工学部や情報学部に入り、プログラミングを学びます。
プログラミングに関する知識を得ることができますが、低学年のうちは教養科目と呼ばれるプログラミングとは直接関係のない科目を学ぶ必要があります。
専門学校
高校を卒業後、専門的な内容を学びます。
自分の関心がある分野を深く学ぶことができますが、逆に言ってしまえば知識が特定の分野に限られてしまうことがあります。
高等専門学校(編入)
工業系の高校を卒業していれば、高等専門学校に4年次から編入することができます。
高等専門学校では低学年でも専門的な分野を扱っている場合が多いので、編入する場合はかなり努力をしないと授業についていけなくなる可能性があります。
高等専門学校の特徴
中学校・高校を卒業後の進路について、いくつか例を挙げてきました。次に、高等専門学校の特徴を見ていきましょう。
卒業すると短大卒と同じ扱いになる
高等専門学校は5年制の学校なので、卒業すると短大卒と同じ扱いになります。
また、高等専門学校を卒業すると、専攻科への進学が可能になります。専攻科では2年間かけてより高度で、幅広い技術について学びます。専攻科を卒業すると、大学卒と同様の扱いになります。
独自のカリキュラムがある
高等専門学校は理数系の科目を中心とした独自のカリキュラムがあります。
物理、数学に関する科目は1,2年のうちに基本的な内容が終わり、3年生以降はより専門的な分野について扱います。理数系の科目が得意な人であれば、とても興味をひかれると思います。
逆に、国語などの文系科目は基本的なところしか扱いません。音楽や美術の科目がない高等専門学校もあり、あっても半期(1年の半分)授業なところが多いです。
じっくりと時間をかけてプログラミングを学べる
高等専門学校がプログラミングを学ぶ上で最もよいと考える理由がこれです。
高等専門学校は5年制の学校なので、大学や専門学校と比べると時間をかけてプログラミングを学ぶことができます。
私は中学校の授業でプログラミングを少しやったぐらいのプログラミング初心者でした。しかし、プログラミングを基礎から学んだことで、自信をもって得意だといえるような言語ができました。
様々なプログラミング言語について学べる
高等専門学校のカリキュラムでは、様々な言語に触れる機会があります。
私の通っていた高等専門学校では、基本的に毎週90分×2のプログラミング演習がありました。
低学年のプログラミング演習では、C言語という言語を基礎から丁寧に学びます。その後、授業で学んだ内容をもとに、実際にプログラムを作ります。そのため、授業の内容をしっかりと理解することができました。
3年生では、SQLと呼ばれるデータを扱うための言語を学び、大量のデータを有効活用する方法について考えました。また、Androidのアプリなど、様々な現場で使われているJavaという言語も学びました。
プログラミング演習で扱う内容だけではなく、もっと多くの言語を学びたい。という人は、選択の授業を受講することもできます。そこでは、RubyやJavaScriptといったWebアプリケーションを作るために必要な言語を学ぶことができます。
このように、高等専門学校では多種多様なプログラミング言語に触れることができます。
専門的な技術・知識を持った先生が多い
高等専門学校の先生(教員)はその分野のエキスパートである場合が多いです。そのため、分からないことを質問すれば教科書以上に分かりやすく教えてくれます。また、より専門的な内容を知りたい場合、研究室をたずねれば喜んで教えてくれます。
余談ですが、先生たちは高等専門学校を卒業していることが多いです。そのため、私たち学生のことをよくわかっていて、親身に接してくれます。
高等専門学校のデメリット
ここまで高等専門学校のメリットを挙げてきましたが、デメリットについても知る必要があると思います。高等専門学校を選ぶデメリットは以下の通りです。
独自のカリキュラムが合わない可能性がある

入学当時はプログラミングに興味があっても、実際にやってみたら自分に合わなかった。という人が私の周りに一定数います。そうなってしまうと、5年間の在学期間はとても苦痛なものになってしまいます。
自分に合わないな。と感じたら専攻する科を変更すること(転科)もできますが、科によっては全く違う内容を扱うので、転科後の授業について行くのは簡単ではありません。
また、カリキュラムはそれぞれの学校によって異なります。
同じ名前の科でも、プログラミングなどのソフトウェア関係を中心に扱うところもあれば、マイクロコンピューターと呼ばれる小型のコンピューター等のハードウェア関係を中心に扱うところもあります。
入学したら思っていたのと違った。ということがありえますので、自分の学びたいことが本当に学べるかどうかを事前に確かめる必要があります。
まとめ
高等専門学校に通っている筆者が、実際の経験をもとに高等専門学校のメリットやデメリットをお伝えしてきました。
高等専門学校はプログラミングを学ぶには絶好の場所であると思います。しかし、特殊なカリキュラムに沿ってプログラミングを学んでいくので、自分が本当にプログラミングを学びたいのかを見極める必要があると思います。
進路選びを失敗しないという意味も込めて、プログラミングに興味があり、本格的にプログラミングを学びたいと考えている人は本やwebサイトを参考に簡単なプログラムを作ってみるといいかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。