「楽しさ」に着眼したWebアプリケーション向けのプログラミング言語 Ruby

フレームワーク

初心者
プログラミング初心者なのですが、RubyはWebアプリケーションに適した言語なのですか?

はい、RubyはWebアプリケーション開発に特化した、純国産のプログラミング言語です。
Webアプリケーション向けの言語としては現在でもトップクラスに人気のある言語で、プログラミングの手間が少なく、グループでの開発にも優れています。

 

今回はRubyの強み、Webサービスとの関わりについて詳しく触れていきます。

 

純国産のプログラミング言語!Ruby

Rubyの特徴

Rubyは日本人によって作られたプログラミング言語

Rubyはそのまま「るびー」と読み、1993年に「まつもとゆきひろ」という日本人によって開発され、1995年に公開されたWebアプリケーション開発用の言語です。

 

現在主流の言語の中では唯一といってもよい日本人開発の言語で、日本語のマニュアルの豊富さや日本人コミュニティの活発さなど、日本人が学習するのに最も適した言語と言っても過言ではないでしょう。

 

 

Rubyのコンセプト

Rubyのコンセプトはプログラミング言語らしからぬユニークなもので、「楽しさ」です。

 

それまでWebアプリケーション開発の分野で一般的に使われていたプログラミング言語「Perl」や「Python」といった言語に対して、「楽しさ」という点に着目して作られており、使う人だけでなく、学ぶ人、作る人も楽しめることを目的としています。

 

そのためRubyのプログラミングはストレスなく簡単に組めることを前提としていて、初心者にもお勧めです。

 

 

Rubyで作られたWebサービス

Rubyで開発されているWebサービスは国内外問わず有名なものもたくさんあります。

「Ruby on Rails」というフレームワークによってRubyでは少人数でも大規模なサービスを開発できます。

例えば国内で有名なレシピサイト、「クックパッド」や価格比較機能を中心とした商品情報の比較サービス、「価格.com」などはRubyによって作られています。

Rubyはこのように幅広いWebサービスの開発が可能です。

 

Rubyの4つの強み

1,プログラミングの手間が少ない

Rubyは先述のように、楽しむことを重点に置いた言語です。
数ある言語の中でも、コードを書くのに必要な文字数が少なく、コーディングに慣れていない初心者でも比較的簡単にコードを書いて行くことができます。

 

オブジェクト指向言語という分類の言語で、あらかじめ一定の機能を持ったまとまりを作っておいて、それを組み合わせることでプログラムを開発していく言語です。
その中でもRubyはよりオブジェクトという構造を重視していて、まとまりが良く読みやすいコードを書くことが出来ます。

 

 

2,人によって差の生まれづらい言語仕様

多くの言語では人によって、同じ機能の実装であっても様々なコードの書き方があります。
個人個人で自分に合った書き方ができるのは利点ですが、ほかの人から見て、読みづらくなってしまったりすることがあります。

 

Rubyでは書く人によってのコードの書き方の差というものが少なく、他人の書いたコードでも読みやすくなります。
特にRubyではストレスなく読める、ストレスなく書けることが重視されているので、これからプログラミングを学習していく際にも読みやすいコードの書き方を学んでいけるでしょう。

 

 

3,グループでの開発に強い

先述のようにほかの人が書いたプログラムでも読みやすく、複数人で協力しての開発に強いです。
一人では作ることが困難な大規模なアプリケーションの開発や、まだアプリケーションの開発に慣れていない人であっても開発に加わりながら学習していくことが可能です。

 

RubyはWebアプリケーションの中でも、特に複数人でのグループ開発におすすめの言語と言えるでしょう。

 

 

4,強力なフレームワークがある

Rubyには強力な開発環境である「Ruby on Rails」というフレームワークがあります。
フレームワークというのは、アプリケーションを開発するにあたって、必要な機能を提供してくれるもので、これ一つあればプログラミングに困ることはありません。

 

フリーながら多機能で、大規模なWebアプリケーションであっても問題なく開発していくことが出来ます。
Rubyの開発ではほぼ必ずと言って言い程、使用するものになるでしょう。

 

特にフレームワークが一つに絞られるということは、それ以外の環境と悩んだり、学習する必要がないので就職にも強いです。

Rubyの求人なら「Ruby on Rails」を覚えておけば困りません。

 

Rubyを学習する利点

ほかの言語学習の助けになる

RubyはほかのWebアプリケーション開発言語である「Perl」や「Python」といったそれまでの言語を参考にして作られた言語なので、様々な言語の特徴を取り入れています。

 

ソースコードの書きやすさや日本人による情報の量といった利点も相まって、これからプログラミングを学んでいく人に適した言語と言えます。

 

 

Rubyは就職活動に強い!

Webアプリケーションの開発を中心とした求人情報が非常に多いです。

特にIT系、Web関連の企業を目指すならRubyは必須と言っても過言ではありません。

 

少人数でも大規模なWebアプリケーションが開発可能な開発力の高さ、求人に関わらず同じフレームワークが扱える事、初心者でも多人数の開発に参加しやすい事もあって、RubyはWebアプリケーションの分野では就職に特に強い言語の一つでしょう。

 

Rubyの最大の競合言語 PHP

PHPとは

PHPは(PHP:Hypertext Preprocessor)の略で(ピー・エイチ・ピー)と読みます。

Webプログラミング言語の中ではRubyと同じく非常によく使われる言語で、現在でも最大級のシェアを誇り、Rubyよりも多くの求人情報を目にします。

 

特に、世界的なWebサービスの多くがPHPによって開発されており、「facebook」といった巨大なSNSサービスやYahoo!などもPHPで作られています。

PHPは言語の特徴、作れるものもRubyと似ていて最大の競合となっています。

 

PHPとRubyの比較

PHPのメリット

エラーに強く、初心者でも動かしやすい

PHPは自由度の高い言語で、少しの問題では動作が止まりづらくなっています。

そのためあまり気を遣わずとも思ったように動作させることが出来、初心者でも簡単にプログラムを書くことが出来ます。

 

非常に多くのシェアを誇り、求人情報が多い

求人情報ではRubyよりもかなり多く、特にバックエンドでのシェアは最大と言っても良いでしょう。

プログラミングスクールなどでもPHPを教えている所はたくさんあり、ネット上などでの日本語の情報も豊富です。

 

プログラムを書くための環境構築が簡単

PHPは開発のために必要な環境構築が非常に簡単な言語です。

プログラミング初心者では環境構築につまづいて学習が遅れることがありますが、PHPなら比較的容易にプログラミングに入ることが出来るでしょう。

 

PHPのデメリット
自由度が高いため、エラーを見過ごしやすい

PHPは自由度が高い言語で初心者でも自由にプログラムを書くことが出来ますが、その分エラーに気付きづらく、危険なプログラムを書いてしまう事に繋がります。

 

主流のフレームワークが多く、複数のフレームワークを学ぶ必要がある

Rubyでは「Ruby on Rails」という環境が主流ですが、PHPでは「Laravel」「CakePHP」「FuelPHP」といったよく使われるフレームワークがたくさんあります。

それによって求人ごとで覚える必要のあるフレームワークが異なり、それぞれの求人情報や情報は少なくなります。

 

古いサイトなどではフレームワークを使用していないものがある

古いPHPを使ったWebサービスでは上記のようなフレームワークが一般的ではなかったこともあり、非常に分かりづらいコードとなっていることがあります。

プログラミングの業務ではこういった古いサイトの改修作業などもよく見られ、改修作業に多くの時間が掛かります。

 


Rubyのメリット
フレームワークが「Ruby on Rails」一つで済む

Rubyの最大のメリットと言っても過言ではないでしょう。

フレームワークが一つに絞られることで働く現場ごとで、別々のフレームワークを習得する必要がありません。

特にRubyは日本語の情報が多く、フレームワークで情報が分散しない分、PHPよりも多くの情報があるとも言えます。

 

ソースコードの書き方に自由が少なく、読み取りやすい

Rubyは記述量の少ないプログラミング言語で、開発コンセプトでもストレスないようにプログラミングできるように設計されています。

そのためプログラムが読みやすく、少ない手間でプログラミングをしていくことが出来ます。

 

複数人での開発に強い

RubyはPHPに対して少しのバグであっても動作しなくなるので、バグの発見やバグの少ないプログラミングをすることに長けています。

複数人での開発では一つのバグでも開発に大きな負担が掛かるので、複数人での開発では強い言語です。

Rubyのデメリット

PHPと比べて習得が難しい
RubyはPHPと比べると、よりバグやエラーに気を使って書かなければならないので、ある程度のプログラミングへの理解が必要になります。
初心者では実際に動作させるまで時間が掛かることがあり、比較的習得しづらい言語と言えます。

 

求人情報が東京などに集中しており、地域によっては就職しづらい

Rubyの求人情報はムラがあり、地域によっては就職しづらいことがあります。

 

求人の業種の幅が狭い

RubyはPHPと比べて自社開発業務に求人が偏っていて、PHPのような多様な業種に就くことは難しくなっています。

初心者の学習に適しているのは?

RubyはPHPと比べてしっかりとしたコードを書かなければならないので、プログラミングの基本を学ぶことに適しています。

 

またフレームワークが一つということもあって、環境ごとで変わる情報に悩まされることもありません。
Rubyはプログラミングスクールなどで推奨されることも多い言語で、一般的にもプログラミング学習に優れていると言えます。

 

対してPHPでは初心者でも簡単に動作させることが出来、プログラムの開発について学ぶことに適しています。
フレームワークごとでの情報も十分多くあり、自分に合ったフレームワークを使用していくことが出来るでしょう。

 

 

そのほかの言語との比較

Python

基本的にRubyのようなWebアプリケーション言語では、windowsアプリケーションなどは作ることが出来ませんが、pythonではWebアプリケーション以外にもwindowsアプリケーションなどの独立したアプリの開発が可能です。

 

特にpythonは人工知能、機械学習に強いという特徴を持っていて、今後発展していくであろうAI分野などでの求人が望めます。
RubyやPHPとは大きく異なる利点を持っている、プログラミング言語です。

 

JAVA

JAVAはPHPやRubyなどと比べると、導入や学習が難しく、初心者向けとは言えない言語です。
その分圧倒的な求人情報があり、大規模な開発に非常に強いという特徴を持っています。

 

またJAVAの最大の利点は仮想マシン上で動かすため、プラットフォームに依存しないプログラミングが可能ということです。
JAVAのプログラミングではPHPなどと違って細かく制御していく必要があり、プログラムへの理解を深める学習に強い言語になります。
PHPやRubyと同じオブジェクト指向の言語になるので、JAVAを習得できればRubyの習得も簡単でしょう。

 

Rubyの学習方法は?

公式の日本語マニュアル

Rubyには公式が提供している日本語のマニュアルがあります。

 

日本人によるものなので、読みやすくサイトもシンプルな作りです。
まず基本となる学習方法になります。

 

日本人コミュニティ

Rubyは日本人コミュニティが盛んで、英語が出来なくとも積極的に質問などをしながら学習していくことが可能です。

 

プログラミングは分からないことがあってもなかなか検索で引っかからないことや、どう調べてよいかわからないことがあるので、直接人に質問できる環境があることは大きな魅力でしょう。

 

Rubyは日本人に適した言語

ここまででRubyがいかに日本人に適した言語か分かって頂けたかと思います。
ほとんどプログラミング言語は海外で外国人向けに作られたもので、例えば公式で公開しているマニュアルなどは、機械翻訳のような分かりづらいものであることや、質問するにしても日本語だけでは十分な回答が得られないことがあります。

 

プログラミングの学習ではどうしても個人では難しいところ、分かりづらいことがあり、直接人とのコミュニケーションをとって学習できることがRubyの大きな利点です。

プログラムのコードの安定さや強力なフレームワークの存在など、初心者の学習から、実用的な大規模開発まで広く対応できる学んで損のない言語といえます。

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