計算が得意な言語環境MATLABとは?何ができるの?


一言でいうと、

MATLABは行列などの数値計算や画像処理、機械学習など、本当に幅広い計算処理を簡単に書けるプログラミング言語です。
またその言語を実行するツールの事も合わせてMATLABと呼びます。
筆者は大学卒業後15年ほどシステムエンジニアリングの会社に勤めてきました。C言語やHTMLなどのWeb系の言語と共に、MATLABを使った開発をしてきました。
MATLABは機能が多すぎるために、逆に何ができるか分かりづらいところがあります。
今回は経験をもとに簡単に理解できるように記事を書いていきます。
MATLABができること、得意なこと

もう少し具体的にできることを書いていきます。
・行列の演算
・数値の解析
・2次元、3次元の関数やデータの可視化
・GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)
これらはごく一部でもっとたくさんの事ができます。
こんなこともできます


他にも、以下のような高度な処理ができます。
・グラフの作成(エクセルで書けるグラフのもっと高機能なもの)
・画像・映像の解析
・機械学習
その気になればゲームなんかも作れてしまいます。実際にMATLABで作られたゲームも存在します。
こんな分野で使われています

MATLABは次のような分野の最先端で利用されています。
・自動車分野
・航空宇宙分野
・金融分野
・ロボット工学
・人工知能
MATLABを使う3つのメリット
メリット1 簡単にやりたい事が書ける

MATLABでは、C言語等の従来のプログラミング言語よりも短時間で簡単に計算する処理をプログラミングする事ができます。
MATLABはインタプリタ形式と呼ばれる言語なので、1行でも入力すれば、すぐに実行結果を見ることができます。
そのため、自分で考えた計算式等の結果をすぐに見ることができます。
メリット2 グラフや図が簡単に作れる

MATLABではプログラミングした結果のデータを自由に簡単にグラフ化することができます。
他の言語やエクセル等を利用しても数値結果をグラフで表示する事ができますが、
MATLABでは2次元や3次元、また複数のグラフを重ね合わせたり、表示範囲を狭くしたり広くしたり、
一部だけを切り取ったりと、色々な表示の仕方に変えることが簡単にできます。
メリット3 追加のオプションでやれることをもっと増やせる

MATLABには凄い機能をもった追加オプションがたくさんあります。
これらを追加する事で他の言語ではプログラミングが大変な計算処理なども
すくない手間でできるようになります。
C言語や他のスクリプト言語になれている方は、数週間から1カ月もあればおおよそ使いこなせると思います。
以降はチュートリアル等を見て自分で学習する事でより多くのMATLABの機能を使いこなせるでしょう。
MATLABを学習するための3ステップ

具体的には次のようなステップでMATLABを学習する事が良いです。
ステップ1 MATLABを購入、パソコンにインストール

まずはパソコンにMATLABをインストールしましょう。
以下のページから購入する事ができます。
MATLABを手に入れましょう(Mathworks)
https://jp.mathworks.com/products/get-matlab.html
なお、MATLABには無料の評価版があります。
いきなり製品版を購入しても良いですが、少し試したいだけなら評価版を入れると良いでしょう。
ステップ2 チュートリアルで学習

制作元(Mathworks)のサイトには豊富なチュートリアルがあります。
ツールを手に入れたらチュートリアルを見ながらまずは基本的な使い方を覚えましょう。
ある程度わかったら、実際にやりたいことをチュートリアルページの検索窓に入れてみると良いです。
だいたいの事はわかると思います。
ステップ3 YouTubeなどのオンラインでより詳しい使い方を学習

YouTubeにはMATLABのチャンネルがあります。
https://www.youtube.com/user/MATLAB
優秀なエンジニアが動画で具体的な使い方を、教えてくれます。
MATLABの画面を実際に動かしながら説明してくれるので凄くわかり易いです。
英語の動画が多いですが、日本語で説明しているページもたくさんあるので大丈夫です。
MATLABの需要



MATLABは非常に多くの分野で利用されており、需要はまだまだ増加しています。
エンジニアの中でもMATLABを使いこなしている人は少なく、技術力をつけておくと重宝されますので、
C言語などより高い給料に繋がる可能性があります。
今後の為にも積極的に学習されることをお勧めします。
MATLABを使うデメリット
何でもできる夢のようなツールに思われがちですが、良い事ばかりではありません。
デメリット1 法人で購入する場合は高い

個人の場合と法人で購入する場合では価格が大きく違います。
会社で買う場合は、利用人数などをよく考えて、ライセンス(利用できる数)を
購入する必要があります。
逆に個人では凄く安く買えるので、自宅での学習環境は
安く揃えることができます。
デメリット2 やりたい事によっては使い方が難しい

追加のオプションでもっとできることが増やせるMATLABですが、
これらの追加オプションのツールは少し使い方が難しいです。
例えば画面上でブロックを線で繋ぐだけで特定の処理をプログラミングせずに
実行する機能もありますが、どのブロックがどんな処理ができるのか、
どう繋げば効率よく実行できるか、など、複雑な設定の理解が必要なものもあります。
ただし、これらはチュートリアルなどで詳しく解説してくれていますので、
学習する事でうまく使えるようになります。
結論 MATLABは幅広い計算処理を簡単に書けるプログラミング言語

MATLABとは結局何なのか、

また

これまで紹介した通り、本当に多くの事ができてしまうので、
何に使うのか?と言うと
何をしたいか次第、という事になります。
筆者自身も会社の業務で、様々な使われ方をしているのを見てきました。
自動運転の研究や、画像処理、昨今流行りのAIの研究など。
この記事を読まれた方も、何かやりたい事があって興味を持たれたのだと思います。
従来のプログラミング言語でやっていたことは殆どできますし、
きっとMATLABならより簡単に実現する事ができると思います。
こんな便利な事ができたらなぁ、と思うことがあれば
是非利用してもらえればと思います。