
写経といえば仏教にて行われる、お経を見ながら書き写していくという修行法を思い浮かべる方もいるかと思います。
プログラミング学習の「写経」というのは他の人の書いたプログラムのソースコードを目で見ながら、自分の力で書き写すというプログラミングの学習法です。
ソースコードを一字一句書き写す方法なので、面倒な学習法に思えるかもしれませんが写経はこれからプログラミング言語の構造を理解しようとする初心者に向いた実践的な学習法です。
今回は未経験、初心者向けに写経はどう進めていくべきか、注意するべき点とより効果的に勉強していくための注意点などをまとめていきます。
プログラミングに慣れるための学習法「写経」
写経とは

写経というのは本や入門サイトなどで公開されているサンプルコードなどを自分の力で書き写していくというプログラミング言語の学習法の一つです。
写経はまずプログラミング言語を見ることや実際に書いていくことに慣れることに何より重点をおいた学習法です。
写経の効果は?
経験と自信が得られる

プログラミング言語は初めたばかりのときは、まずソースコードという物自体に慣れておらず、単純にコードを見ていくことにも苦労することがよくあります。
言語の基本的な文法やソースコードがどういった構造になっていくのかを理解するには、入門書などを読むだけでなく、実際に書いていくことが何より理解を助けることに繋がります。
まだプログラミング自体に慣れていない時にはソースコードを書くことにも大きく手間がかかることもあり、コードを書く速度を上げながら言語の一般的な書き方について実感できる方法でしょう。
写経はプログラムの設計やソースコードを自分で考えていくことなく、プログラムを自分で書いて実行させることが出来たという経験と自信を得られるという効果があります。
手を動かすことによる学習効果のアップ

一般的にはただ見たり、聞いたりして学習するよりも、ノートに書き写すなどして手を動かしたほうがより高い学習効果が得られると言われます。
目や耳から情報を得るだけでは理解の漏れがあっても気付きづらく、確かに学習できたかどうか判断しづらいものです。
しかし写経のように入門サイトなどを見るだけではなく実際に自分でソースコードを見ながらキーボードを打ち込んでいくことで、少なくとも情報に抜けなく目を通すことが出来ます。
もし見落としがあったとしてもプログラミングでははっきりとエラーが返ってくるのでどこで間違っているのかどうか確実に判別しながら学習していけます。
写経をしていくときの注意点

写経を行う際、学習しているプログラミング言語の文法や、処理がどうやって実装されているかなどを意識しながら書いていくことが重要です。
ただ何も意識せずに書き写してしまっては写経による十分な学習効果は得られないばかりか、いつまで経っても自分でプログラムを組むことが出来ません。
・深く悩みすぎない
写経をしているとどうしてもよくわからない処理や構文を見かけることがあるかと思います。
そんな場合には、深く悩みすぎずにある程度考えてもわからないようであればそのまま書き写して進めて行ったほうが良いです。
都度調べるよりも写し終わって、実際の動作を確かめた後で調べたほうが理解しやすくなります。
・暗記をしなくても良い
写経をする際、よくサンプルコードを丸暗記するように学習する場合がありますが、写経ではコードを暗記するよりも書き写すことでプログラミング言語に慣れること、理解することに意味があります。
実際に自分でプログラミングをしていく際にも、関数などを完全に覚えて書くことはあまり無く、調べながら書いていくことが一般的です。
プログラミング学習においては基本的な文法以外には暗記の必要性はないと言っても過言ではありません。
写経の進め方
写経は復習してやっていく

写経の目的はプログラミング言語に慣れながら、理解を深めることです。
一回目でいまいち理解が出来なかったことでも、その後に調べてから改めて書いてみることで全く違ったように感じられることがあります。
ソースコードを一回読んだだけで理解することは初心者でなくとも難しいことです。
そのため写経をするときは気がかりなく書けるようになるまで2回3回と繰り返しながら進めていきます。
写経に使うサンプルコードの選び方

写経に使うサンプルコードはなるべく信頼性の高いものを選ぶようにします。
個人的に公開されているコードなどでは独自の書き方や変な癖が見られることがあり、プログラミング言語の理解の妨げになってしまいます。
特に始めのうちは様々な所からサンプルコードを探してくるよりも同じ出典元のコードを使っていくことがおすすめです。
基本的には入門サイトや初心者向けの書籍などから引用すればまず問題はありません。
あまり難しいコードではどれだけ写経をしても分からないままということもあるので、なるべく理解できるレベルから手を付けるようにして急がず徐々にレベルを上げていくようにしましょう。
オープンソースのプログラムを参考にしていくことも良い勉強になりますが、こちらはそれなりにプログラミングに詳しくなっていなければ難しい方法です。
写経は初心者の間までにする
写経はプログラミング初心者が言語の理解を進めることに向いている学習法ですが、写経だけを続けていても自分で考えてプログラムを組めるようにはなりません。
写経はあくまでも学習の始めだけに留めて、ある程度慣れてきたら積極的に自分でプログラムを書く方向に勉強法を変えるようにしましょう。
プログラミング学習はとにかく書くこと!

プログラミング言語の学習に重要なのはとにかく書いて実行してみることです。
頭の中で悩みこんで、入門サイトや書籍などを見るだけではいつまで経っても理解できないこともよくあります。
写経は自分でプログラムを設計しながら書いていくことと違って、悩んで勉強が進まないということがなく、確実に前に進んでいける勉強法です。
まだプログラムを始めたばかりでも実際に自分で書いたプログラムが動くことでやりがいと経験を得ることが出来るので、プログラミングとはどういうものなのか、どのように進めて行くものなのか理解することにも繋がります。
プログラミング学習の基本を学習するとともに実践的な経験も得ることが出来る写経は初心者がプログラミングをやり始める際におすすめの勉強法でしょう。
初心者におすすめの方法ですか?