
プログラミングを行う場合は、Macがおすすめされていることが多いですが、Windowsでしか使用できない言語もあります。
また、Macでしか使用できないプログラミング言語を使いたくてMacを選んだとしても、スペックが足りない場合は、フリーズなどを起こしてしまいます。
そこで今回は、初めてパソコンを買う人でMacPCを選ぶ時のおすすめの選び方を紹介します。
しっかりと作業が行えるように、適切なパソコンの選ぶ時の参考にしてください。
Macを選んだ前提の記事になるので、WindowsとMacどちらがいいかは、下記の関連記事を参考にしてください。
Macではなく、Windowsを考えている人は、こちらを参考にしてください。
パソコンを選ぶ時のポイント

パソコンを選ぶ時に必要なことは、パソコンのスペックが行いたいことを十分に行えなえるだけのスペックがあるかを確認しましょう。
動画を見たり、軽作業を行う場合は、ある程度動いてくれるパソコンで十分ですが、プログラミングはパソコンに負荷がかかる作業なので、しっかりとした物を選び、なるべく余計な買い物をしないようにしましょう。
また、WindowsとMacそれぞれでしか扱えないプログラミング言語があるので注意してください。
ノートPCか、デスクトップPCか

Macは主に、ノートPCがMacBook、デスクトップPCがiMacとして、主流になっています。
Macの場合は、Windows搭載のパソコンと仕様が違うので、そこを踏まえてそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
ノートPC(MacBook・MacBook Air・MacBook Pro)のメリット

MacBook
- 場所を選ばずに作業ができる(持ち運べる)
- 専用のスペースを用意する必要がない
- 本体一つで完結する
ノートPCの最大のメリットは、携行性です。
持ち運びができるため、専用のスペースを用意しなくても,その都度場所を確保して作業を行えるので、作業場所が固定されません。
また、持ち運ぶ時にマウスなども持って行かなくても作業ができるため、携行性に優れています。
プログラミングスクールやセミナーなどに通う場合でも、普段使っているパソコンが使えるので、作業を覚えやすくなります。
仕事で使う場合でも、自宅で作業した内容をそのまま持ち運ぶことができます。
また、ノートPCはキーボードなどが一体になっているので、極力最小限の買い物で済み、画面が小さいと感じたら外付けディスプレイを使用することで、画面を多く使えたり、デスクトップの様に使用することができます。
ノートPC(MacBook・MacBook Air・MacBook Pro)のデメリット
- 画面が小さい
- ポートの種類が少ない
- 修理に出している間は、作業ができない
- 高性能のパソコンだと、値段が高い(Mac製品のみ)
ノートPC全般的なことですが、画面が小さくなります。
プログラミングを行う場合は、画面全体を使用して作業をするので、外付けディスプレイを購入する必要もあります。
また、MacBookにだけ言えることですが、2016に発売されたMacBook ProはUSB-TypeCしか搭載されていません。
そのため、USBメモリーやSDカードを使用する場合は、別売りされているハブポートを購入する必要があります。
今後、発売される他のモデルに関しては分かりませんが、Mac製品を購入する場合は注意しましょう。
Mac製品自体の値段が高く設定されていますが、ノートPCで高性能の物だとWindowsやデスクトップPCと違い値段が高くなってしまうので、予算と十分に相談しましょう。
また、持ち運びができる分、突然のアクシデントなどで画面かキーボートどちらか一つでも故障した場合、本体ごと修理に出す必要があり、その間の作業が止まってしまうので注意しましょう。
デスクトップPC(iMac,iMac Pro・Mac mini・Mac Pro)のメリット

IMac
- 画面が大きい
- ポートの種類が多い
- 高性能の割に値段が安い(Mac製品のみ)
プログラミングはなるべく大きい画面が必要なため、デスクトップPCだと1つの画面でも十分に作業が行えます。
また、MacBookと違いポートの種類も多くあるので、追加でハブポートを購入する必要がありません。
Mac製品は値段が割高になっていますが、デスクトップPCの方がMacBookよりも手ごろな値段の高性能パソコンがあるので、決まった場所でしか作業を行わない人は、デスクトップPCの方がお財布的に優しくなっています。
デスクトップPC(iMac・iMac Pro・Mac mini・Mac Pro)のデメリット
- 作業場所が固定される(持ち運びができない)
- 専用の作業スペースが必要
- 画面の高さが制限されている(iMac)
- 他の機器の画像が表示できない(iMac)
デスクトップPCは、構造上の理由で作業場所が固定されてしまいます。
セミナーなどに参加する人は、持ち運びができないので、使い慣れるまで時間がかかるかもしれません。
また、専用のスペースが必要となるので、その分、他の作業を行うスペースが制限されます。
iMacはデスクトップ一体型で、初めから画面の高さが固定されているので、調整できません。
また、これもiMacだけですが、デスクトップ一体型の物だとMacのデータしか表示できないので、iMac以外のディスプレイとして使用することはできません。
ノートPCかデスクトップPCか
以上を踏まえた上で、おすすめのパソコンは、ノートPCをおすすめします。
値段的には割高ですが、持ち運びができ、セミナーなどに参加する場合もそのまま使用できるので、その分覚えが早くなります。
外付けディスプレイを購入すれば、モニターも拡張でき、作業場所を選ばないのでノートPCを選びましょう。
パソコンの中身について
本体の選び方が分かったところで、パソコンの中身について見ていきましょう。
なお、関連記事に紹介されている『プログラマー入門者向け、おすすめのPCの選び方(Windows編)』で、メモリなどは詳しく紹介されているので、そちらを参照してください。
この記事では、CPUやメモリなどは簡単に説明します。
OSについて

Macを選んだ選んだ人向けに、Macについて少し見ていきましょう。
iOSアプリを開発する場合は、Swiftと呼ばれるプログラミング言語を使用して作業しますが、このプログラム言語はMacでしか使えないため、iOSアプリを開発したい場合は、Mac一択になります。
また、PHPなどのプログラム言語もMacだと使用しやすいです。
Webプログラマーの世界では、LAMPで開発することが多いのですが、最初の頭文字のLはLinuxと呼ばれるOSのことです。
Macはunixと呼ばれるOSで作られていて、unixはLinuxを元に作られているので、Linuxをインストールしなくても開発ができ、使いやすく、手順が複雑なインストールをする必要もありません。
そのため、特にWeb系のエンジニアとプログラマーに好まれています。
しかし、IT系以外の企業や一般人などはWindowsを使用していることが多いため、企業向けのソフトやフリーソフトなどはWindowsのみに対応している場合が多いです。
特に、プログラムと関係のないソフトだとその傾向が強くなっています。
使用したいプログラム言語に対応しているか、したい作業が行えるかなどをしっかりと確かめて選んでください。
メモリ(RAM)で見る

メモリ(RAM)とは、人間で言うと短期記憶をつかさどっている部分にあたります。
メモリは数字とGBで表され、4GBなどと表記されています。
メモリの数字が多いと、同時に多くの平行処理を行えます。
例えば、youtubeで音楽を聴きながらExcelなどで作業を行う場合、この数字が少ないとyoutubeの読み込みマークが頻繁に出てきたり、同時に作業ができたとしてもExcelのデータを保存する時に、フリーズしてしまい大切なデータが保存されず破棄されてしまいます。
特に、プログラミングは、同時にいくつもの処理を行うので、この数字が少ないと作業自体が行えなくなってしまいます。
プログラマー向けのメモリ容量は
最低でも8GBにし、予算に余裕がある場合は16GBにしましょう。
プライベートで、ネットサーフィンや動画を見るだけなら4GBで足りますが、オフィスワークや簡単なプログラミングを行う場合は8GB欲しくなります。
なので、最初は8GBにしましょう。
より本格的なことを行う場合は、8GBでは足りなくなってしまうので、必要に応じて16GBに切り替えていきましょう。
メモリは、スロット数に余裕があれば、後からより容量の大きいものに変更することができるので、後からカスタマイズすることも考えてみてはいかがでしょうか。
CPUで見る

CPUとは中央処理装置と呼ばれ、人間で言うと頭脳(脳みそ)にあたる部分になります。
パソコンのCPUメーカーは、Intel社とAMD社がシェアの大半を占めており、市場の7割はIntel製のCPUです。
また、CPUの性能的にIntel製の方が優秀なため、MacのCPUはIntel製の物だけになっています。
例えばCPUは、Core i7-8550 などで表記されています。
アルファベットのiの部分がCPUのシリーズを表していて、その後の7が種類、8500などの数字が種類の中の世代を表しています。
アルファベットの後の数字が大きくなるほど、より高性能になっていき、世代の数字が大きいほどさらに高性能になっていきます。
Macに搭載されているCPUは、Core iシリーズとCore mシリーズと呼ばれるものが搭載されていています。
Core mは、Core iシリーズの性能をある程度維持しつつ消費電力を抑えたもので、消費電力が少ない分熱量が少なく、冷却ファンなどを搭載する必要がなくなります。
Core iの方が高性能ですが、熱量が少ないので、ノートタイプのMacBookに搭載されています。
では、Macに搭載されているIntel製CPUについて簡単に見てみましょう。
(下に行くほど高性能です。)
名前 | 特徴 |
Core m 3 |
低価格PC向けに開発されたCore i3を改良し、消費電力を抑え、モバイル向けに開発されたCPUです。消費電力を抑えたためバッテリーの持ちがよく、熱量も少ないですが、その分、Core i3より性能が落ちています。Wordなどのオフィスソフトを標準的に行え、オフィスワークを行う分には十分です。簡単なネットゲームを行うこともできますが、プログラミングを行うことは難しいでしょう。 搭載モデル:MacBook |
Core i3 |
低価格PCの主流CPUです。Core m3よりも性能がよく、オフィスワークや簡単なネットゲームが行えます。プログラミングを行うにはあまり向いていないので、Core i3よりも上位モデルを選びましょう 搭載モデル:iMac、Mac mini |
Core i5 |
高機能PCの標準CPUです。Mac製品の多くに搭載されており、オフィスワークはもちろん、動画編集やプログラミングを行うこともできます。ただ、第4世代以降でないとサクサク作業を行うことは難しいでしょう。 搭載モデル:MacBook、MacBook Air、MacBook Pro、iMac、Mac mini |
Core i7 |
現在の一般向けPCの上位モデルです。オフィスワークやゲームはもちろん、動画編集や本格的なプログラミングも十分に行うことができます。高機能、高価格なので、日常的に負荷の高い作業を行わない場合は、高スペックを持て余してしまうのでしょう。 搭載モデル:MacBook Pro |
Core i9 |
Intel製の一般向けで買えるCPUの中では最上位モデルです。ハイエンド版としての側面が強いので、オフィスワークなどでは当然スペックを持て余してしまい、プログラミングを行う場合でも、ここまでの高性能CPUは必要ないでしょう。 搭載モデル:iMac、Mac Book Pro |
Xeon |
サーバー/ワークステーションを作業向けの高機能CPUです。基本的に、企業向けのパソコンに搭載されています。容量の大きい動画や音楽などを編集する作業や、大規模なシュミレーションなどデータが失われては困る作業など、大切な仕事をするためのコンピューターに搭載されています。 搭載モデル:iMac Pro、Mac Pro |
以上が主にMacに搭載されているCPUです。
CPUの処理速度
CPUの処理速度は、GHz(ギガヘルツ)と表記され、CPUの周波数を表しています。
数字が大きければ大きいほど、処理速度が速いので、サクサク使うことができます。
メモリ数が多く、最新型のパソコンでも、この数値が少ないと快適な作業は行えないので、なるべく数字の大きいものを選びましょう。
プログラマー向けのCPUは
以上のことを踏まえ、プログラマー向けのCPUは
種類 | Core i5かそれ以上 |
世代 | 第4世代かそれ以上 |
GHz | 最低でも2.3GHz |
を基準に選びましょう。
自分が使っているパソコンのCPUを確認する方法(Macの場合)
現在、自分が使っているパソコンのCPUが気になりますよね。
簡単に調べる方法を紹介しましょう。
左上にあるリンゴマークをクリックし、出てきたメニューの一番上にある『このMacについて』を選択しましょう。

選択して、下の画像の様なものが出てきますが、赤丸で囲われている部分がCPUを表しています。

ストレージで見る

ストレージとは補助記憶装置と呼ばれ、人間で言うと長期記憶を行う部分です。
主にHDDとSSDの2種類がありますが、Macではその他に、PCIeベースSSDとFusion Driveがあります。
SSDとは

SSDとは、ソリッドステートドライブと言い、フラッシュメモリーを使用した物です。
電子的な動作で読み書きを行い、パソコンの立ち上げやデータの読み込みなどを高速で行うことができます。
また、Macに搭載されているストレージは、主にSSDが搭載されています。
Macに搭載されているSSDは、低用量になっていて、その代わりにスペックの高性能化を実現させています。
HDDとは

HDDとは、ハードディスクドライブと言い、高速回転するディスクに直接データの読み書きを行います。
物理的な動作であるので、回転中に衝撃などが加わるとディスクが損傷したりして、データが破損する可能性があります。
読み書きの速度は遅いですが、SSDに比べ、大容量で、価格が安くなっています。
Macには、あまりHDDは搭載されておらず、ほとんどSSDなので、外付けHDDを購入する場合は見かけることになるでしょう。
PCIeベースSSD
PCIeとは、Peripheral Component Interconnect Express(周辺機器コンポーネント相互接続エクスプレス)と呼ばれ、マザーボードに直接接続することができます。
一般的なSSDはSATAと呼ばれる規格が搭載されていますが、PCIeを搭載すると、より高速でデータの転送を行えるようになります。
SSD自体が、HDDと比べると高価ですが、PCIeはSATAと比べるとさらに高価になっています。
Fusion Drive
Fusion Driveとは、SSDのパフォーマンスとHDDの大容量と言う特徴を併せ持ったストレージです。
頻繁に使用するデータは、フラッシュストレージに保存し、使用頻度の少ないデータはハードディスクに保存をするなどを自動で振り分けてくれるストレージです。
値段も高価ですが、SSDの容量が少なく、その代わりHDDの容量が大きくなっています。
iMacの場合は、SSDが32GBに対し、HDDが1TBとなっていて、SSDはすぐにデータがあふれてしまうので注意してください。
プログラマー向けのストレージは

基本的に、SSDを選びましょう。
そしてメモリ容量は、最低でも256GBを選びましょう。
しかし、それだけだと、すぐに足りなくなってしまいます。
ただ、Macの場合、基本的にSSDの容量は少なく、容量の大きいものを選ぼうとすると値段が高くなってしまうので、予算とよく相談してください。
もしくは、外付けSSDなどを購入するか、使用頻度の低いものはオンラインストレージに保存するなどを行いましょう。
画面のサイズは

プログラミングと言えば、黒いに画面一面がコードで埋め尽くされている様子をテレビなどで見たことがあるのではないですか。
実際のプログラミングも画面いっぱいに仮想マシンと呼ばれるものを表示して作業を行います。
画面が大きければ大きいほど作業がしやすく、また、モニターが多いほどさらに作業効率が上がります。
プログラマー向けの画面サイズは

実際は、画面にコードだけが表示されるのではなく、入力する部分と他のカテゴリーなどが表示されている部分を分割して表示するため、画面が大きい方が全体を見ることができます。
なので、ノートPCの場合は、最低でも13インチを選びましょう。

モニターが多い方が作業がしやすいと書きましたが、HDMIケーブルと呼ばれるものを接続することで、ノートPCでもデスクトップPCの様に使用することができます。
専用のモニターだけではなく、テレビに接続すればテレビも外付けモニターとして使用できるので、あらかじめテレビのスロットルにHDMI用の部分があるかを確認しておきましょう。
プログラマー向けのMacPCは
以上がMacPCを選ぶ時の基準になります。
- ノートPC
- メモリ8GB
- Core i5 4000以降 2.3GHz以上
- SSD256GB
- 13インチ画面
まとめ

プログラマー向けのMacPCの選び方を紹介しましたが、Macは高価なのでしっかりと情報を確かめて選んでください。
せっかく購入したとしても、スペック不足でフリーズなどを起こしたりしては、十分に作業が行えなくなってしまいます。
また、あまり高価なものを購入しても、性能を持て余してしまっては意味がありません。
予算と十分に相談し、新品だけではなく中古品なども検討して、目的に合ったものを選んでください。