
パソコンを選ぶ時は、何に使いたいのかをよく考えて買わないと本当に必要な機能が搭載されていなかったり、必要なスペックが足りなかったりします。
特にプログラミングとなると、パソコンが忙しく動くので、しっかりと適切なものを選ばないと動作してくれません。
今回は、初めてパソコンを買う人でWindowsを選んだ時のおすすめのパソコンの選び方を紹介します。
Windowsを選んだ前提の記事になりますので、WindowsとMacどちらがいいかは、下記の関連記事を参考にしてください。
パソコンを選ぶ時のポイント

動画を見たり、ネットショッピング程度ならそれほど負荷のかかることではないので、ある程度サクサク動いてくれるパソコンを選ぶだけでいいです。
しかし、プログラミングとなるとWindowsかMacでしか使えないプログラミング言語があったりと、何を行うのかをしっかりと決めて選ばないとやりたいことができません。
また、Windowsでしか使えないプログラミング言語を使いたくてwindows搭載のパソコンを買ったとしても、スペックが足りない場合は、しっかりと動作せずフリーズしたり、プログラムの実行に時間がかかったりと、そこで諦めてしまうか、パソコン自体使わなくなってしまいます。
ここで、しっかりと情報を確かめて、やりたいプログラミングに適したパソコンを決めてください。
ノートPCかデスクトップPCか

デスクトップPC ノートPC
まず悩むのは、ノートかデスクトップか、ではないでしょうか。
基本的にノートPCの方が安く高性能なものが多いです。
Webサイトの構築や簡単なアプリを作る場合は、ノートPCの方がいいでしょう。
一番最近発売のWindows10搭載の物だと、Webカメラやマイクの内臓が標準化されてるものもあり、Skypeなどを使う場合にも必要なものが最初から揃っているので、使いやすさが上がります。
セミナーや講習会に参加したり、仕事のため場所を変えて作業をする時などノートPCだと持ち運びに困ることはありません。
家で作業をする場合にも、場所を取らず置くことができるので基本的にノートPCをおすすめします。
では、ノートPCをおすすめしない場合とは何なのか。
それは、ゲーム開発や3Dイラストなどの作成の場合には、より高スペックのPCが必要となります。
ゲーミング専用PCや3D制作向けに作られたものなど、分野向けのPCなど高スペックのものはデスクトップがほとんどです。
高スペックが必要な場合は、必ずその分野専門のPCを選ぶようにしましょう。

パソコンの中身について
ノートPCかデスクトップPCかが決まれば、PCの中身を見て決めていきましょう。
OSで見る(Windows)

Windowsを選んだ人向けに、Windowsの良い部分を簡単に説明しましょう。
現在、日本企業の多くはWindowsです。
IT系以外の業種も主流が、Windowsとなっています。
なので、仕事以外で使う場合でも、基本的に相互性のあるWindowsを選ぶ方がいいです。
多く普及しているパソコンがWindowsなので、有料ソフトやフリーソフトなどもWindowsに対応していることが多く、サポートもWindowsしか行っていない場合もあります。
なので、特にプログラミングしたい分野が決まっていない場合は、Windowsの方が使いやすくなっています。
メモリ(RAM)で見る

メモリとは、プログラムを実行するときに、処理に必要な情報を一時的に記録しておく部分のことを言います。
人間で言えば、短期記憶能力のことです。
メモリは基本的に数字とGB(ギガバイト)で表され、4GBや8GBなどと表記されています。
数字が多いとどうなのかと言うと、同時に多くのことを平行処理することができます。
メモリを机に例えましょう。
机が広ければ広いほど、机の上がごちゃごちゃしていても作業するスペースに余裕があり、他の作業をそのままにしながら、さらに別の作業をすることができます。
この場合、数字が机の広さのことで、数字が多いほど机が広くなります。
ネットショッピングやブログの閲覧など簡単なネットサーフィンを行うだけなら、メモリの数字を気にしなくても大丈夫ですが、プログラミングを行うとなると同時にいくつもの画面を開いたり、いくつもの処理を同時に実行する必要があるため、数字の多いメモリが必要になります。
プログラマー向けのメモリ容量は
以上を踏まえプログラマーに必要なメモリ容量は、最低でも8GB、もう少しお金が出せるなら16GBにしましょう。
プログラミングは、多くの処理を実行するため、多くのメモリ容量が必要となります。
4GBだと安くはなりますが、動画を複数開いたりするとすぐにフリーズしたり、動作が重くなってしまうため、プログラミングには向いていません。
簡単なプログラミングを行う場合は、8GBで十分足りるため、初めての人は8GBでも十分です。
動画編集やより、本格的なことを行いたい場合は、16GBは必ず必要となります。
ノートPCでも、スロット数に余裕があれば後からメモリを増やすことができるため、最初は8GBにして、後から16GBにするのも良いでしょう。
メモリについてもう一つ
メモリの表記に8GBとなっている場合がありますが、その場合の8GBが”8GBメモリ1つで8GB”なのか”4GBメモリが2つで8GB”なのか、によって意味が変わってきます。
組み合わせの一例として、
- 4GB×1枚の場合:シングルチャンネル
- 8GB(4GB×2枚)の場合:デュアルチャンネル
- 12GB(4GB×3枚)の場合:トリプルチャンネル
- 16GB(4GB×4枚)の場合:クアッドチャンネル
などいろいろな組み合わせがあります。
なぜ、このような組み合わせがあるかと言うと、メモリのチャンネル(組み合わせ)が多いとデータ転送が同時に多く行えるようになります。
車をデータに例えると下の絵のようになります。


トラックをデータ量の多いものとし、普通車をデータ量の少ないものとして、見てください。
1車線の道で複数の車を走らせるのと、複数の車線で複数の車を走らせる場合だと、どちらの方が道に余裕があるでしょう。
1車線の道に複数の車を走らせると、それだけ多くの車が1本の道を走り、トラックのように速度の遅い車が走っていると後続車が後ろに列を作ってしまいます。
しかし、トラックが別の車線を走っていることで、渋滞が発生することを防ぐことがでるのです。
データのやり取りも同じ考えで、重いデータと軽いデータを同時に転送する場合や軽いデータを複数同時に転送する場合、チャンネル数が増えるとデータ転送に使える場所が増えるので、同時に転送していても別々の場所で同時に実行することができます。
(ただし、転送速度が向上するわけではないので、軽作業のみの作業の場合は、あまり効果を感じないでしょう。)
メモリのチャンネルに関してはパソコン工房の公式サイトに載っています。
CPUで見る

CPUは日本語で中央処理装置と呼ばれ、人間だと頭脳(脳みそ)にあたる部分です。
パソコンのCPUメーカーは、IntelとAMDの2社がシェアの大半を占めていて、パソコンCPU市場の7割がIntel社製のCPUとなっています。
AMD社製のCPUは基本的にそこまで高性能の物はなく、市場の大半もIntel社製のCPUを搭載したパソコンなのでCPUはIntelを選ぶようにしましょう。
Intel社製のCPUは主に下記の種類となっています。(下に行くほど高性能です。)
CPU名 |
特徴 |
Atom | 低価格・低消費電力・低発熱を目的に開発されたCPU。低価格PCに搭載されていて、それ以外だとタブレットPCやスマートフォン、セットトップボックスなどに使用されています。 |
Celeron | Atomの上位モデルです。目的もほぼ同じで、低価格で販売されています。低価格ですが、性能的には上位となり、メールや文章作成などの軽作業ならこのCPUでも十分に行うことができます。 |
Prentium | 昔は高級CPUの代名詞でしたが、現在は廉価版として安価なPCに搭載されています。安くてもCeleronの上位モデルなので、軽作業や動画の視聴などは行えます。 |
Core i2 Duo | 少し前までは主流だったCPUです。事務作業やネットサーフィンだけで、価格の安いPCでしたらこちらで十分作業が行えます。ビジネスパソコンとしては使用できますが、動画編集などは行わない方がいいです。 |
Core i3 | 現在の低価格PCの主流CPUです。上位モデルで培った技術を応用し、低価格で標準的な作業をスムーズに行うことができます。簡単なネットゲームなら行えますが、動画編集などを行うのでしたら、上位モデルを使わないと厳しくなります。 |
Core i5 | 現在の高機能PCの主流となっているCPUです。一般向けに販売されて高機能モデルで、動画編集やイラスト、ホームページの作成など幅広いことが行えます。PCゲームなども普通に行え、動画編集の仕事でも使用できます。 |
Core i7 | 現在の一般向け高機能PCの最上位モデルです。高機能、高価格で販売されていて、3DCGや動画エンコードなどを日常的に行う人向けのCPUです。高価なため、仕事や本格的なことを個人で行う人以外では、高スペックを持て余してしまうでしょう。 |
以上が、現在のIntel社製の主流CPUです。
CPUの世代について

CPUの種類は分かったところで、上の画像をもとに世代について見てみましょう。
CPUもスマートフォンと同じで様々なモデルの改良型が販売され、後になればなるほど性能が向上しています。
CPUの世代の表し方として、例えば画像の場合Core i9-9900Kなどで表されています。
この場合、9900の先頭の数字、9が第9世代を表しており、900など千番台以下の数字が増えるほど、その世代の中でより高性能のものとなっています。
数字が増えるほど後に出されたものとなり、数字の少ないものよりも、より高性能のものとなっています。
CPUのタイプについて
先ほどの数字の後にアルファベットが付いていましたね。
先ほどの場合だと、Kとなっています。
このアルファベットが表すものは、CPUの中でどのような仕様で作られたかを表しています。
Kの場合だとオーバーロック機能付きと言う意味で、オーバーロックをすることによって通常よりも高い処理能力を得ることができます。
デスクトップPCとモバイルPCなどで様々な記号が使われています。
ここでは説明を割愛させてもらいますが、気になるパソコンのCPUの末尾に記号が付いていたらぜひ調べて決めてください。
性能と値段にも影響してくるので、気にした方がいいことです。
CPUのGHzについて
CPUを選んでいる時に一緒に表示される文字、GHz(ギガヘルツ)。
CPUの周波数を表しています。
GHzの前に数字が付いており、数字が多いとそれだけ、処理速度が速いことを表しています。
メモリが多くて、CPUが最新型でも、この数字が小さい場合は処理速度も遅くなってしまうので、出来るだけ数字の大きいものを選びましょう。
ただし、数字が増えるとそれだけ値段も増えていくので、予算と目的に合ったものを選びましょう。
プログラマー向けのCPUは
以上のことを踏まえプログラマー向けのCPUは、
種類 | Core i5かそれ以上 |
世代 | 第7世代かそれ以上 |
GHz | 最低2.7GHz、推奨は3GHz以上 |
を参考に選んでください。
自分のパソコンを調べる場合
現在自分が使っているパソコンのことが気になりますよね。
簡単に確認する方法を紹介しましょう。
Window7までの場合
デスクトップ上にあるコンピューターと書いてあるアイコンを右クリックします。
アイコンをクリックすると、メニューが表示されプロパティと書いてある部分があるので、そこをクリックします。

プロパティクリック後に表示されるコンピューターの基本的な情報と書いてある部分が、現在使っているパソコンのスペックになります。

Windows8の場合
左下のWindowsアイコンを右クリックし、メニューが表示されたらシステムと書いてある部分をクリック。
コンピューターの基本的な情報と書いてある部分が、現在使っているパソコンのスペックになります。
(画面の見方は上の画像と同じです。)
ストレージで見る

ストレージはパソコンのデータを長期保存する補助記憶装置のことで、ハードディスクと言う名前は聞いたことがあるのではないですか。
短期記憶がメモリであるのに対し、長期記憶はこのストレージで行います。
パソコンのストレージには、SSDとHDDの2種類があります。
SSDとは

SSDとはソリッドステートドライブと言い、フラッシュメモリーを使用したストレージとなっています。
HDDと比べるとアクセス性が良く、パソコンを起動してからの立ち上がりが早くなり、作業中のデータの保存、アプリなどを起動し途中だったデータの続きを行う時などの読み込みも、高速で行うことができます。
また、物理的な作業を行っているわけではないので、作業中に多少の衝撃が加わってもデータが損傷せず、軽量で使用中の電力も少ないです。
SSDの長所
- 小型
- 軽量
- 高速で読み書き可能
- 衝撃に強い
- 比較的発熱量が少ない
- 消費電力が少ない
- ノートPC向け
SSDの短所
- 容量が少ない
- 値段が高い
- 故障や動作不良を起こした場合、データの取り出しが困難
HDDとは

HDDとは、ハードディスクドライブと言い、ディスクを磁気ヘッドと呼ばれるもので読み書き行うものです。
ディスクはフロッピーディスクと同じで、磁気ヘッドと呼ばれる針の様なもので直接触れ、高速回転を行いながら保存などを行います。
物理的にディスクに触れるため、使用中に衝撃が加わるとデータが破損したり、ディスクが傷つくとデータそのものが消失します。
また、消費電力が多く、物理的な作業のため発熱量が多くなり、動作音も大きくなります。
ただし、容量としてはHDDの方が圧倒的に大きく、動画編集など大きな容量が必要な作業はHDDの方が適していると言えます。
HDDの長所
- 容量が大きい
- 値段が安い
- デスクトップPC向け
HDDの短所
- 衝撃に弱く、壊れやすい
- 動作音が大きい
- 読み込みが遅い
- サイズが大きい
- 消費電力が多い
プログラマー向けのストレージと容量は

基本的にはSSDを選びましょう。
プログラミングを行う場合、処理速度を重視する必要があり、読み書きが高速で行える必要があります。プログラミングを快適に行うためにも、保存したい、保存した場所に素早くアクセスすることのできるSSDを選びましょう。
ストレージの容量に関しては、最低でも256GBを選ぶようにしましょう。
プログラミングを行うために、アプリをダウンロードする必要があり、アプリだけでも1GB以上必要となったりします。
最初は足りていても、データ容量が増えていったり、別のプログラミング言語を行う場合は256GB以下だとすぐに不足してしまします。
なので、最初は256GBを選び、足らなくなってきたらオンラインストレージや外付けHDDなどを使いましょう。
画面のサイズ

テレビを見る時は、大きい画面の方が見やすいですよね。
パソコンも同じで、画面が大きい方が見やすくなります。
プログラマー向けの画面サイズは

プログラミングは、たくさんのコード(文字列)を常に見続けながら作業をし、1つの画面にプログラミング言語だけがたくさん表示されるわけだはなく、1つの画面を分割して作業を行うため、画面は大きい方が見やすくなります。
ノートPCであれば最低でも13インチは欲しいですね。
このサイズなら、仕事でも使うため持ち運ぶ人でも使いやすく、セミナー参加したりする時でもちょうどいいサイズです。

家など移動しない場所で作業を行い、画面が小さく感じてきたら外付けディスプレイを使いましょう。
外付けディスプレイは、デスクトップPCのモニター以外にも、HDMIケーブルを使えばテレビを外付け画面として使うこともできるので、画面が足りないと感じたらこちらも検討しましょう。
プログラマー向けのWindowsPCとは
以上がPCを選ぶ時の選考基準となります。
- ノートPC
- windows10
- メモリ8GB
- Core i5 7000以降 3.00GHz以上
- SSD256GB
- 13インチ画面
を参考に選んでください。
まとめ

プログラミングを始める人向けのパソコンを紹介しましたが、どのようなプログラミングを行いたいのかをしっかりと決めて、パソコンも決めてください。
せっかく高価なパソコンを買っても、やりたいプログラミングを選んだパソコンが行えなかったら意味がありません。
しかし、必要以上のスペックを求めて、最初から高価なパソコンを買うのも、スペックを十分に使うことができない可能性があります。
長い間使うものなので、何をしたいのかをしっかりと決め、プログラミングに適したパソコンを購入してください。