プログラミングを小学校の授業で必修化する理由とその取り組みは?

児童の親
将来のために子供にプログラミングを学ばせたいです。小学校での取り組みを教えてください

今回はこういう疑問に答えていきたいと思います。

 

2020年に全国の小学校でプログラミング教育が必修化されます。

理由は、同年に行われる新・学習指導要領の実施によるためです。

 

では、なぜプログラミング教育が必修になったのでしょうか?

また、小学校では現在どのような取り組みがあるのでしょうか?

 

この二点についてご紹介します。

この記事を書いている私は小中学校で先生が行うプログラミング授業のサポートを行っています。

プログラミングが小学校で必修化になった理由

児童の親
小学校でプログラミングが必修化になった理由を教えてください
先生
それは今後の仕事の半分がAIにとって代わるため、ますますプログラミングとの関係が切っても切れない関係になってきたからです

人に代わってAIが仕事をする時代

今までは手作業や力仕事、事務的な仕事は私たち人間が行うことが当然と思われていました。

しかしそんな考えも昔の話で、これからはAIが仕事を代行してくれることが多くなります。

理由としては人間が行う以上、ヒューマンエラーは防ぎきれないということです。

それを防ぐ可能性がある唯一の方法がAIの活用なわけです。

 

例えば、車の安全性能という点について説明します。

現在の車のほとんどには安全性能が搭載されていますよね。

いろいろなセンサーが周りの障害を検知して、危険性がある場合にドライバーへ警告を出してくれます。

その警告を出すということ一つとっても、ほとんどはAIが少なからず関わっています。

 

また、根本的な原因として日本では人手不足という点もあります。

少子高齢化によって、今後働き手の確保はますます難しくなります。

その人手の代わりとなり得るのが、AIなわけです。

 

人間は嫌な仕事や面倒な仕事であれば文句や愚痴を並べます。

しかしAIは指示さえ与えれれば、文句ひとつ言わずに淡々と作業をこなします。

この点を経営者視点で考えると、どちらを使った方が効率的かが明白なわけです。

 

以上が将来AIが仕事をする時代が到来する理由です。

AIを使いこなすにはプログラミングが必須

先に挙げた理由で、今後はAIがますます発展することは明らかです。

政府も第4次産業革命としてAIの利用を推進しています。

そこで必要になるのがプログラミングの経験というわけです。

 

極端な言い方をすれば、素人でもAIをそこそこ使いこなすことは可能です。

先に挙げた車の安全性能を例えると、プログラミングの経験がない素人さんでも車を運転して危険性があれば安全性能は自動で働いてくれますよね。

事実、プログラミングの経験がないから安全性能は働きませんとはならないはずです。

 

ですが、より高度な使い方や応用を利かせるためにはプログラミングの経験がなければ話になりません。

その高度化・応用という点を補うために行われるのが、小学校でのプログラミング必修化というわけです。

 

ではなぜ小学校なのか?というと、別に中学校や高校でも遅くはありません。

しかし、学年が上がるにつれて苦手意識というのが付きまといます

その苦手意識があまりない小学校のうちに、プログラミングを植え付けようというのが本音のようです。

プログラミングの小学校での取り組み

児童の親
理由はわかりました。そこで小学校では、どのようなプログラミング教育を行っているのか具体的な取り組みを知りたいです
先生
小学校では主にプログラミング的思考というものを行っています

新・学習指導要領に明記されているプログラミング的思考


プログラミングと聞くと、なんだか難しいイメージがありますよね。

それを小学校ではどのように取り組んでいるのでしょうか?

 

実は、小学校で行われているのはプログラミングではなく、各教科にプログラミング的思考を取り入れるという取り組みです。

新・学習指導要領にもプログラミングを行うとは記載されておらずに、プログラミング的思考を取り入れるという記載になっています。

そこでこのプログラミング的思考は、プログラミングと一体何が違うのでしょうか?

 

プログラミングとは、英文のようなコマンドをパソコンの黒い画面に入力していくイメージがあると思います。

ですがプログラミング的思考とはパソコンを使わずともできます。

 

実は、プログラミング的思考は名前にもあるように『思考、つまり考え方』ということです。

簡単に挙げますと、プログラムが処理していく流れに則って、課題を解決できるようにするということです。

言葉では分かりづらいのですが、要は「ある課題が与えられたら、プログラムが処理されるようにして答えを導く」といったところです。

この「プログラムが処理されるように」というところに重点が置かれていて、その答えを導くためには解決策を組み立てなければなりません。

その解決策を組み立てる段階をプログラミングとらえて、プログラミング的思考としているわけです。

プログラミング的思考の実際問題は・・・


そうは言っても、なんだか難しいですよね。

ということで、ほとんどの小学校では実際にプログラミング教育を行っています。

具体的な例を挙げますと「実際にプログラミングを行って、組んだプログラムを実際に動かしてみる」ということを行っています。

現在、様々な教材なども開発されていており以前から比べると、教えるのもだいぶ楽になりました。

 

中でも現在最もポピュラーなのがScratchというプログラミングツールです。

これはアメリカのマサチューセッツ工科大学が開発した、プログラミングツールです。

無料で使用でき、インターネットにつながったパソコンがあれば場所を問わずに使用することができます。

 

またNHK教育でも専用に番組を組んで放送しています。

サイトにアクセスすれば、様々なプログラミングの見本も公開されており、それらを使って修正を行うことも可能です。

 

興味のある方は、ぜひ一度アクセスして覗いてみてはいかがでしょうか?

プログラミング教育を小学校で行うにあたって

いかがでしたでしょうか?

現在小学校では、2020年に施行される新・学習指導要領に向けて様々なことを試行錯誤しています。

とりわけ新・学習指導要領の目玉となるのは、今回取り上げました『プログラミング的思考』です。

 

最近になり、インターネットでもプログラミング的思考についての情報が増えてきました。

しかし私が実体験を通して感じていることは、小学校でいくらプログラミングを教えたところでなかなか知識として定着していないということです。

言い換えれば、宿題と一緒でご家庭でも多少なりともお子さんと一緒にプログラミングを行ってほしいということです。

学校の授業時間内で教えられることは、例えるならば小指の先程度の知識だけです。

ですがご家庭で多少なりともプログラミングに触っていただければ、それは小指だけでなく手のひら全体や体全部にまで広げることが可能だと感じています。

それは子供であるゆえの特権で、なんでも吸収してくれるので反復して覚えれば知識としての定着が早いのです。

これをやるかやらないかで小学校6年間でのプログラミングの知識は雲泥の差が開いてしまいます。

またやらないですませば、将来プログラミングという言葉に苦手意識がついてしまい、こうなってしまうといくら教えても知識として定着しなくなってしまいます。

そうなってしまうと、無限に広がる子供の将来すらも閉ざしてしまうことになりかねません。

 

ですからぜひ、ご家庭でも来たる2020年に向けてお子さんと一緒にプログラミング的思考の考え方を学ばれてはいかがでしょうか?

それが、これからAI全盛となる時代を生き残れるかどうかになります。

かわいいお子さんの将来のためにも、少しでもプログラミングに触れていただくことをおススメします。

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