この現代の日本において、様々な通信の技術が次々と生まれ、様々な場面で私たちの世界で活躍しています。皆さんが普段使っている携帯やスマートフォンも、線を使わずに相手と通信することができる無線ネットワークという技術のおかげです。
そして、今や無線ネットワークは、携帯やノートパソコンにのみならず、スマートフォンとカーナビやスピーカーなどと通信する、Bluetoothといった通信技術も出てきて、普段の生活にとても役立っています。
その中で、最近では「アドホックネットワーク」なる通信の技術が、今注目されつつあります。このワードを聞いて、こう思ったことはないでしょうか?


こういった疑問を、私が5年前に大学で学んだ知識や実際に行った実験をもとにして、お話をしていきます。
アドホックネットワークとは
アドホックネットワークとは、一言でいうと、線を使わない無線で通信を行うネットワークです。
そう聞くと、

簡単に言うと、携帯やパソコンから出ている電波を使って、通信を行うのがアドホックネットワークです。
では、ここから違いについて説明していきます。
携帯の通信について
携帯での通信についてですが、一つの例を使って説明していきます。
ある日Aさんが

Aさんがメールを送信すると、Aさんの近くにある基地局といわれる大型の無線で通信を送ったり受け取ったりするところにたどり着きます。
その後、基地局が受け取ったメールを、Bさんの近くにある基地局に届けるぞ!ということで、地下でつながっている有線のネットワークをたどっていき、Bさんの近くにある基地局に到達します。
そして、Bさんの近くにある基地局が、Bさんの携帯にメールを送信する。
簡単に言うと、手紙(メール)をポスト(基地局)に入れて、それを収集する人が収集して持ち帰り、郵便局内で仕分けをして(有線ネットワークをたどって)、Bさんのいるところの郵便局(基地局)に手紙を送り、Bさんに手紙を送る。
と、こんな感じです。
これが今の携帯の通信です。
では、アドホックネットワークの場合はどうなるか、見てみましょう
アドホックネットワーク
アドホックネットワークの場合はどうでしょう。
アドホックネットワークの場合は、通信が始まると、持っている携帯が持っている電波の届く範囲で、同じような電波を出せるような携帯やパソコンなどの通信できる機械を探します。
そして、その機械を見つけて、端末同士で通信を始めます。
さらに、繋げた先の端末は、また同じように電波を出せるような通信できる機械を探して通信します。
それを繰り返して繰り返して行っていき、ゴールとなるBさんの携帯に接続します。
簡単に言うと、メールというバケツを、近くの人にバケツリレーを行っていき、相手に送り届ける。といった感じです。
アドホックネットワークのメリット・デメリット
ここまで、携帯のネットワークとアドホックネットワークの違いをお話ししました。
ここでは、今までのお話しの中でのメリット・デメリットをお話ししていきます。
アドホックネットワークのメリット
メリットとして、一番に挙げられるのが、基地局や電波塔を通さずに通信ができる点です。
携帯での通信だと、基地局を通じて通信を行うため、基地局がないと通信ができないということが起きてきます。
しかし、アドホックネットワークでは、携帯やPCなどの電波を出すことのできる機械があれば、通信ができるというところです。
例えば災害時に、基地局が壊されたりしたときや、災害の起こった場所で通信ができない場所でも、この通信を使えば、人が入っていけない場所でも通信ができたりするので、カメラを乗せた機械を送り込むことができるし、映像も見ることができます。
アドホックネットワークのデメリット
では逆に、デメリットのほうになります
便利なようにも見えますが。。。どういったルートを使って通信しているかがわからないことです。
自分がどの機械からつながって、相手の携帯までメールを届けているかが、一切目に見えません。
というのも、それが特徴の一つで、相手に届くまでの距離や時間を見て、こっちがいいかな?あっちがいいかな?という形で、いろんな端末につながったり、いろんなルートを次々と変えて通信を行います。
そのかわり、どの端末に、どのような経路でつながっているかわかりません!
これだと、もしウィルスが入っているPCの電波をもらったりしちゃうと、いやだなぁって思う人もいるかもしれません。
それがあると、怖いっていう人もいるかもしれないですね。
まとめ:まだまだ可能性を秘めているアドホックネットワーク
お話しをいろいろとしてきましたが、いかがだったでしょうか?
まだまだ発展途上のこの通信ですが、Bluetoothといった端末間通信も実はアドホックネットワークなんですよね。
近い将来には、こういう技術が普及し、車の事故が起きた場合はすぐに通信を行って、「事故が起きたぞ!」と未然に防ぐようなメッセージを、車に搭載されている通信の機械がやったりしてくれるかもしれません。
なんにせよ、これからの通信技術が楽しみです。